◆インコグニートは親日家

◆Incognito: For Bluey, Japan Is His Second Home

【インコグニート~日本は第2の故郷】
親日家。
このところ毎年のように来日しているイギリス・ベースのジャズ・ファンク・バンド、インコグニートを久々に見た。ジャズ・ファンクというよりは、ポップなパーティー・バンドと言ったほうがいいかもしれない。そのリーダーはモーリシャス出身のブルーイ。親日家という言葉では足りないほど、日本を愛しているブルーイ、まさに日本は第2の故郷だろう。(ちなみに奥さんは大阪出身の日本人の方)
『JVCジャズ』への出演も含めてブルーノートで5日間。この日もほぼ満席。インコグ人気は根強い。やはり、このシンプルな覚えやすいメロディーとわかりやすいポップなサウンドが最大の魅力だ。そして、インコグニート(匿名)と名乗るように、個々のミュージシャンやシンガーにずば抜けた人を選ばず、全体のサウンドの中に個性を標準化しているところがすごい。グルーヴ感のあるバンド・サウンドは気持ちいい。とはいうものの、初めて聴いた男性シンガー、トニー・モムレムはどこかフランク・マッコムを思わせるかなりいい声をしていて、フランクがインコグをバックに歌っているような感じを持った。
ドラムス、キーボード、ギター、ベース、ホーン3人、コーラス4人の11人がオンステージ。客層は30代~40代を中心に20代も。ブルーイの「初めてインコグニートのライヴに来た人」という問いに半数近くが手をあげた。
日本語をはさみながら、ライヴは進行。「オッパッピー」や「ノッテルカイ!」まで披露。(ちょっと古いところがかわいい)「エジプト」「ドンチュー・ウォーリー」あたりのメドレーの部分は観客も立ち上がり、大いに盛り上がる。
「今からみんなを29年前にお連れしよう。1979年、僕は友人と2人でインコグニートを始めた。その彼、ポール・ターブス・ウィリアムスと一緒に初めてレコーディングした曲が次の曲だ。しかし、そのポールは昨年、44歳という若さでなくなった。これは、その彼に捧げる」と言ってプレイしたのが、「サマー・ハズ・エンデッド」という曲。すでに29年の歴史を誇る堂々たるバンドだ。一方4月にリリースされるという新作『テイルズ・フロム・ビーチ』に収録される「ハッピー・ピープル」も初お披露目した。
「その昔、サンタナのアルバムに『レコーデッド・イン・ジャパン』と書いてあるのを見て、いつか日本に行きたい、と思った。ディープ・パープルの『ライヴ・イン・ジャパン』を聴いて、いつか日本に、と思った。そんなあこがれの日本に来られて本当に幸せです」
本編最後の「モーニング・サン」は、ブルーイがモーリシャスの祖父たちから学んだ哲学。「朝の太陽は、すべてを忘れさせてくれる。いやなことを忘れて新たな1日が始まる。世界中のみんなが朝の太陽を思い切り浴びれば、ワン・ネーションになれる」(下記2002年12月10日付けのインタヴュー記事を参照) そう語って、彼はこれを演奏した。ホーンの3人もずれながらも、かわいい振り付けをして、エンタテインメントに徹していて楽しかった。ブルーイの雰囲気は、セルメンとピーボを足して2で割った感じの人だと思ったとの声も。あ、3人ともブルーノートのドル箱の方々でした。そして3人とも日本好きだしね。(笑)
(この項続く予定)
■過去記事
2002/11/26(TUE)
Grandfather’s lesson
https://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200211/diary20021126.html
インコグニート(ジャン・ポール・ブルーイ・モニーク)インタヴュー
『トラヴェリング・ミュージシャンのソウル』(2002年12月10日)
https://www.soulsearchin.com//entertainment/music/interview/incognito20021210.html
2002/12/19 (Thu)
One Nation Under A Groove
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200212/diary20021219.html
■メンバー インコグニート INCOGNITO
ジャン・ポール“ブルーイ”モニック(ギター、ヴォーカル)Jean Paul “Bluey” Maunick(g,vo)
イマーニ(ヴォーカル)Imaani(vo)
ジョイ・ローズ(ヴォーカル)Joy Rose(vo)
トニー・モンムレル(ヴォーカル)Tony Momrelle(vo)
チャーリー・ロックウッド(ヴォーカル)Charlie Rookwood(vo)
ポール・グリーンウッド(フルート、サックス)Paul Greenwood(fl,sax)
シッド・ゴウルド(トランペット)Sid Gauld
トレヴァー・マイルス(トロンボーン)Trevor Mires
マット・クーパー(キーボード)Matt Cooper(key)
フランシス・ヒルトン(ベース)Francis Hylton(b)
リチャード・ベイリー(ドラムス) Richard Bailey(ds)
■セットリスト
Setlist : Incognito @ Tokyo Blue Note, March 3, 2008
セットリスト
Show started 19:08
01. Solar Fire (Instrumental)
02. Thinkin’ About Tomorrow (Instrumental)
03. Pieces Of A Dream
04. Without You
05. I Hear Your Name
06. N.O.T
07. Reach Out
08. Nights Over Egypt
09. Don’t You Worry ‘Bout A Thing
10. Everyday
11. Summer Has Ended
12. Still A Friend Of Mine
13. Happy People
14. Morning Sun
Enc. Always There
BGM. One Love / Bob Marley
Show ended 20:43
(2008年3月3日月曜、東京ブルーノート=インコグニ-ト・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Incognito
2008-29
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