Stylistics Live At Kentos: After 37 Years, They Still Keep On Singing

感慨。

TWIN BESTエイメリーのショーケースで、ニューヨーク在住のロングタイム・フレンド、F氏とばったり再会。「なんでまた、日本に?」と尋ねると、「スタイリスティックスと一緒に。明日まで、銀座のケントスでやってるんですよ」 「ケントスでスタイリスティックス? わお!」 スタイリスティックスがリードシンガーをラッセル・トンプキンスから新しいハロルド・ブラウンに変えてからえらく評判がよくなっていたが、まだ一度も見ていなかったので、さっそく万難を排して出向いた。

銀座ケントスは、このところすっかり話題のブランドエリアの真っ只中、並木通りとクロスする交詢社通りにある。キャパは150くらいか。新宿と六本木のケントスは行ったことはあったが銀座は初めて。4月5日から新宿ケントスで2日、六本木ケントスで1日、そして、銀座で3日、ほぼ一週間やっていたという。これはさすがに知らなかった。

ケントスのレギュラーバンドが5曲ほど、ダンスクラシックを歌い、かなり雰囲気を盛り上げてからいよいよスタイリスティックス登場。かつて、中野サンプラザなどで見たことからすると、この近さ、この狭さで見られるスタイリスティックスは格別のものがある。また、バックの日本人バンドがあなどれない。ドラムス、ギター、ベース、キーボード2名(うち1名はスタイリスティックスの音楽ディレクター)のほか、パーカッションとホーンセクションが4人という10名編成なのだ。この狭さでホーン4人にはある意味感動した。(笑) 

夜10時すぎて、彼らが登場し「ヘヴィー」からスタート。新しいリード、ハロルド・ブラウンのファルセットが力強い。初代リードのラッセルが後期にはかなり声が枯れて、歌い辛くなっていたが、このブラウンはかなり力もあり、何よりも若さがあって強力だ。良かった頃のスタイリスティックスが見事に戻った感がある。昔ながらの振り付けも、健在でいかにもR&Bヴォーカル・グループのショウ。とは言っても、けっこう動きとかは今となっては古臭く、ばらばらではあるのだが、オールドスクールのR&Bヴォーカルの振り付けとしては、思わず「イエー」と言いたくなる。次々とヒット曲を歌い込む。観客も途中、椅子から立ち上がり、ダンスナンバーではステップを踏み、スローになるとミラーボールが回りチークを踊り始める。ケントス自体のファンも多く、年齢層も高い。観客とアーティストの相性は抜群だ。サンプラザで見ても感動しないかもしれないが、この小さなライヴハウスで見るとなかなか感慨深い。不思議なものだ。

選曲のバランスもなかなかいい。下記セットリストで( )内にアルバム名を表記したものは、アルバム収録曲で、いわゆるシングルヒットではないもの。珍しい選曲もあり、ひじょうに楽しめた。そして、やはり、ヴォーカル・グループというのは、リード・ヴォーカルがしっかりしていれば、なんとかなるものである。当たり前だが。

スタイリスティックスの初来日は1975年1月と記憶する。30年前に中野サンプラザで見たグループを今、銀座ケントスで再び見ているわけだ。一時期、メンバーが5人から4人、4人から3人、最後は3人から2人で来日したこともあり、正直のところさすがにもう終ったかと思った。だが、こうして新しいメンバー2人を加えた新生スタイリスティックスは、テンプスがメンバーチェンジを経てパワーアップしたように、見事に復活できそうだ。

グループの司会役ハーブ・マレルが言う。「私たちスタイリスティックスは今年で37周年を迎えます。みなさんありがとう!」 

目の前1メートルのところで、彼らが汗を光らせながら、ステップを踏み、歌っているのを見ると、30年という時の流れに感慨深いものを感じる。アンコールの最後に日本で一番人気の「愛がすべて」を持ってくるなんぞ、よくわかっている。

(スタイリスティックスの項、つづく)

Setlist Second Show

show started 22:01

01. Heavy (Fallin’ Out) (1974)
02. You’re Big Girl Now (1971)
03. I’m Stone In Love With You (1972)
04. Betcha By Golly Wow (1972)
05. Coutry Living (1971-Album “Stylistics”)
06. Stop, Look, Listen (1971)
07. Children Of The Night (1972-Album “Round 2”)
08. It’s Too Late (1972-Album “Round 2”)
09. You Are Everything (1972)
10. You’ll Never Get To Heaven If You Break My Heart (1973)
11. Rockin’ Roll Baby (1973)
12. Break Up To Make Up (1973)
13. Driving Me Wild (1980-Album “Hurry Up This Way Again”)
14. Sing Baby Sing (1975-Album “Thank You Baby”)
15. The Miracle (1975-Album “Heavy”)
16. You Make Me Feel Brand New (1974)
17. Funky Weekend (1975)

Enc. Star On A TV Show (1975)
Enc. Can’t Give You Anything But My Love (1975)

show ended 22:07

+++++

Stylistics:

Airrion Love
Herb Murrell
Harold (Eban) Brown
Van Fields

スタイリスティックス・オフィシャル・ウェッブ
http://www.thestylistics.org

+++++

(2005年4月12日火曜、銀座ケントス=スタイリスティックス・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Stylistics

カテゴリー: Uncategorized パーマリンク