Earth Wind & Fire: Set The Budokan On The Fire

百戦錬磨。

2002年11月以来、約1年10ヶ月ぶり、通算10度目の来日になるアース。思うことはいろいろある。しかし、やはり強力だなあ、ということにかわりはない。もちろん、全盛期と比べてしまえば劣るところもあるだろうが、現状、これだけのライヴをできるバンド、アーティストはほんの一握りだ。そして、なによりこの武道館が2日間売り切れになっているところがすばらしい。武道館、北側を除いて、ステージのほぼ真横まで客が入っている。ここまでいっぱいになっている武道館を久しぶりに見た。

例えば、ショウの構成、流れなどはやはり、今でも数をこなしているだけに、実に無駄なくたいへんよくできている。これだけの演奏クオリティーで観客をエンタテインしてくれれば、まったく問題はない。緩急のつけかたもたいしたもの。

ドラム、ベース(ヴァーディン)、ギター二人、キーボード、パーカッション二人、ホーンセクション三人、モーリスにフィリップ、ラルフ・ジョンソン。そして、もうひとり、ステージ裏でバックコーラスとしてシャーメーン・カズンズという人物が紹介された。(メンバーリストは下記参照) この女性シンガーの役割はなんだろう。フィリップ・ベイリーが担当する部分の補佐だろうか。ちょっとどこがどうかかわっているのか、正確には確認できなかった。もう一度、じっくり見てこよう。そして、もうひとつ、前回まで来日していたギターのシェルドン・レイノルズがいなかった。これはもうやめたのかな。それとも今回だけか。

圧巻は、オープニングのところ。10分もしないうちに、5曲をいきなりメドレーでたたみかけてくる。もっと聴きたいと思うところを、さっと次へ行く。このあたり、百戦錬磨のライヴバンドだ。3曲目「システム・オブ・サヴァイヴァル」で、御大モーリス・ホワイト登場! 「ジュピター」を歌い、いったん舞台を降りる。結局、モーリスの登場個所は3箇所。(下記セットリストを参照)  まあ、これをどう捉えるかはいろいろあるだろうが、まあ、この武道館にモーリスが出てきたという点だけでも評価したいところ。とはいうものの、全編ヒット曲ばかり続くので、すべてが見ものともいえる。

例えば、野球の往年の選手が集まったモルツチームが野球をすれば、お客さんは集まる。江夏が投げ、掛布が守り、王が打てば、盛り上がる。それはかつての栄光の選手を今、愛を持って見守ることができるから、楽しめるのだろう。このアースもそんな感じだ。しかも、アースの場合、まだまだそこらへんのライヴのできない若手と比べれば、はるかに現役バリバリだ。やはり、ライヴたたき上げのバンドは、強力だということだ。

『ポーギー・アンド・ベス』がミュージカルの必修科目なら、ブラック・ライヴ・バンドの必修科目、基本、定番がこのアースのライヴだ。

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2002年11月、ライヴ評。

https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200211/diary20021129.html

今回のメンバー

Maurice White / Vocal/Kalimba
Philip Bailey / Vocal/Percussion
Verdine White / Bass
Ralph Johnson / Vocal/Percussion

Myron McKinley / Musical director
John Paris / Drums

Benjamin David Whitworth / Vocals/Percussion
Vadim Zilbershetein / Guitars
Gregory Moore / Guitars

=Earth Wind & Fire Horn Section=
Robert Burns, Jr. / Trumpet
Gary Bias / Sax
Reginald Young / Trombone

Charmaine Cousin / Background Vocals (off stage)

Setlist セットリスト
Earth Wind & Fire; Live At Budoukan; 09/03/2004
show started 19:05

(曲目後のMauriceは、モーリスがステージにでて参加した作品)

01. Fall In Love With Me
02. Boogie Wonderland
03. System Of Survival (Maurice)
04. Jupiter (Maurice)
05. Getaway
06. Serpentine Fire
07. Kalimba Story (Maurice)
08. Evil (Maurice)
09. Got To Get You Into My Life (Maurice)
10. Running
11. Brazilin Rhyme (Interlude)
12. I’ll Write A Song For You
13. After The Love Has Gone
14. Reasons
15. Devotion
16. Sing A Song
17. Shining Star
18. Fantasy
19. September (Maurice)
20. Let’s Groove (Maurice)
21. Mighty Mighty (Maurice)

Enc. That’s The Way Of The World (Maurice)

show ended 20.44

(2004年9月3日金、日本武道館=アース・ウインド&ファイアー・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Earth Wind & Fire / 2004.09.03

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