Motown, Motown, Motown: "To Be Loved" Would Be TV Mini-Series

映画『永遠のモータウン』が日本でも5月1日から公開されているが、モータウン関連のニュースが目白押しなので、まとめてご紹介する。

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ベリー・ゴーディー、音楽出版社を売却
『モータウン、わが愛と夢』をテレビ・シリーズに企画も

モータウン・レコードの創始者ベリー・ゴーディーは、このほど自身が保有していた音楽出版社、ジョベッタ・ミュージックの株式の残りをすべてEMIグループに売却した。このモータウンのカタログにはマーヴィン・ゲイ、スモーキー・ロビンソン、ダイアナ・ロス、テンプテーションズ、フォートップスなどによってヒットしたおよそ15000曲に上る作品が含まれる。このうちの100曲以上はチャートでナンバーワンを記録している、という。

EMIは、1997年に株式の50%を1億3200万ドル(およそ132億円)で買収、2003年にはさらに30%を買い上げ、今回残る20%を買い取った。このカタログは4億ドルの価値があると見る向きもある。

一方、ベリー・ゴーディーは、ブロードウェイでミュージカル『エイント・ノー・マウンテイン・ハイ・イナフ』を企画中。これは来年公開をめどに制作を進めている。主演、物語の内容などは未発表だが、その中では多数のモータウン・ヒットが歌われることはまちがいない。

またこれと並行して、ゴーディーは自身の自伝『トゥ・ビー・ラヴド(邦題、モータウン、わが愛と夢)』をテレビのミニシリーズ化しようと売込み中だ。現在NBCと12時間のミニシリーズ化の話をすすめている、という。これは、ベリー・ゴーディーの成功物語を時間軸に従って、追っていくものになると思われる。

これらのゴーディー企画とは別に、マーヴィン・ゲイの人生を描いた映画の企画も2本進行中だという。ただし、これが現実化するかは、まだわからない。

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ファンク・ブラザース、訴えられる

映画『永遠のモータウン(原題、スタンディング・イン・ザ・シャドウズ・オブ・モータウン)』で一躍脚光を浴びたファンク・ブラザースが、映画製作チームから訴えられている。これは、映画を製作したリムショッツ・プロダクションが2年間当初ファンク・ブラザースをマネージする契約になっていたが、ファンク・ブラザースは同プロを通さずにライヴの仕事などをとったため、そのマネージメント料の取り分について訴えられたもの。

ファンク・ブラザースは2002年11月の映画公開以降、一挙に注目を集めるようになり、ライヴやテレビ出演などの要請が多くなった。テレビでも『アメリカン・アイドル』などにも出演。過去1年で100万ドル(約1億円)を売り上げたと見られている。

一方、同映画のサウンドトラック盤のデラックス・エディションがアメリカで5月11日に発売される。これは二枚組みで、当初発売されたヴァージョンに未発表の音源などが加えられる。

また、去る4月に行われた『モータウン45』の模様は、ABCテレビで5月17日に放送される。

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自伝。

これらのニュースの中で興味深いのは、ベリー・ゴーディーの二つの企画。ミュージカルと自伝のテレビドラマ化だ。

ミュージカルはモータウンのヒットを使えばいかようにもできると思う。やはり思い浮かぶのが、ドリス・トロイの生涯を描いた『ママ、アイ・ウォント・トゥ・シング』などだ。当時の様々なヒットがちりばめられ上手にストーリーが語られれば、おもしろいものができるだろう。

一方で、彼の自伝のテレビのミニシリーズ化の企画というのも興味深い。これがアメリカでヒットし、日本でも放映されることになれば、原作本にももっと注目が集まるかもしれない。そうなれば、僕としてもひじょうに嬉しい。(笑) この本をベースにドラマ化すると、やはり、50年代初期から86年の売却あたりまでだろうか。ベリー・ゴーディーとしては、モータウンの売却でひとつピリオドを打ったという感じがあるだろうから。

ベリー・ゴーディー役は誰か、ダイアナ・ロス役は誰がやるのか、マーヴィンは、スティーヴィーは、スモーキーは一体誰が演じるのだろうか。デンゼル・ワシントン、サミュエル・ジャクソン、ウィル・スミス、モーガン・フリーマン、ジェイダ・ピンケット、アンジェラ・バセット、フォーレスト・ウィテッカー、ダニー・グローヴァー、ウーピー・ゴールドバーグ、マーティン・ローレンス…。おもいつくままに、ブラック系の俳優を並べてみたが、きっともっと若手がたくさんいるのだろう。

ところで、映画『永遠のモータウン』が1日から一般公開され、音楽ファンの間では大きな話題になっている。もっともっと話題になってくれるとうれしい。

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