Lettuce & MeShell Ndegeocello Live

ヴェクトル。

なかなかの迫力。目の前のキーボード奏者の音がとにかくすごい。たまたまステージ右側、キーボードの前に座ってしまったので、全体的な音というよりも、そのキーボードの音の直撃を受けてしまった。この日のライヴは、前半がソウライヴのメンバーが結成したレタスというジャムバンド系のファンクサウンド。後半が昨年も来ているミッシェル・ウンデゲオチェロ。2つのバンドがそれぞれ約40分ずつ。

レタスのほうは、かなり迫力があって、ベースもドラムも、キーボードもホーンセクションもみんな熱かった。それぞれがかなりのつわもので、迫力一杯のものすごいジャムバンドのファンクを聞かせてくれた。もし自分がミュージシャンだったら、こういうバンドのメンバーと一緒にプレイしたいだろう、と思うようなバンドだった。これだけ確実で、しかも、ファンキーでしっかりしたミュージシャンたちと一緒にバンド演奏ができたら、それはそれは楽しいことだろう。彼らのサウンドは別に観客のために演奏しているというよりも、むしろ、自分たちがやって満足できて、楽しくて、結果的にそこに来ている人たちも楽しめればそれでいい、という雰囲気のものだ。それだけにミュージシャンのヴェクトルはミュージシャンの内面に向いている。

そのヴェクトルがより内面に向いていたのが約12分のインターミッションをおいて登場したミッシェル・ウンデゲオチェロのバンドだ。彼らはまったく観客に向いていない。レタスよりさらに内省的だ。自分たちがスタジオでリハーサルをやっているのと同じように、このステージでも演奏している。そこに観客のヴァイブの取り入れはほとんどない。よってコール&レスポンスもない。メンバー全員もみな好き勝手に演奏している、という雰囲気だった。もちろん、このバンドのコンセプトはそういうものなんだから、それはそれでいいのだろう。だが僕は少々眠くなった。なにしろ、ミッシェルなんて、ほとんど後ろ向きで、観客に背を向けてベースをプレイするのだ。

ミュージシャンにもいろいろいる、ということだ。ところで、まったくほとんど接点が見られないふたつのグループの登場順だが、ミッシェルを先に出し、その後にレタスを出したほうが盛り上がっていいと思う。

(2003年11月21日金曜ブルーノート東京・ファースト=レタス、ミッシェル・ウンデゲオチェロ・ライヴ)

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