○『ラヴ・トレイン:フィリー・ソウルの全て』を聴いて

○【『ラヴ・トレイン:フィリー・ソウルの全て』を聴いて】
フラッシュバック。
昨日、『ラヴ・トレイン:フィリー・ソウルの全て』についてご紹介したが、このCDを流しながらマーヴィン・ゲイをやっていたら、それぞれの曲について何か書きたくなった。まず、「ディドゥント・アイ」。
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/high-hopes/release/love_train/index.html
DISC 1
01. エクスプレスウェイ・トゥ・ユア・ハート / ソウル・サヴァイヴァーズ
02. ララは愛の言葉 / デルフォニックス
03. カウボーイズ・トゥ・ガールズ / イントルゥダーズ
04. ヘイ・ウエスタン・ユニオン・マン / ジェリー・バトラー
05. レディ・オア・ノット・ヒア・アイ・カム / デルフォニックス
06. オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ / ジェリー・バトラー
07. ディドゥント・アイ / デルフォニックス
08. 永遠にあなたと / ダスティ・スプリングフィールド
09. グリーン・グラス・フール・ユー / ウィルソン・ピケット
10. ユーア・ザ・リーズン・ホワイ / エボニーズ
11. ドローイング・イン・ザ・シー・オブ・ラヴ / ジョー・サイモン
12. 愛のとりこ / スタイリスティックス
13. アイ・ミス・ユー / ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ
14. 裏切り者のテーマ / オージェイズ
15. サンシャイン / オージェイズ
16. アイル・ビー・アラウンド / スピナーズ
17. スロウ・モーション / ジョニー・ウィリアムス
18. ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ / ビリー・ポール
19. 二人の絆 / ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ
20. ラヴ・イズ・ヒア / ×ヒューチャーズ → ○フューチャーズ
昨日も書いたが、1から9まではギャンブル&ハフがフィラデルフィア・インターナショナル・レコードを設立する以前のヒットだ。7曲目の「ディドゥント・アイ」は、最近では映画『ジャッキー・ブラウン』(1997年)にもうまいポイントで使われていたのが印象的だった。
保釈金融業者のマックス・チェリー(ロバート・フォースター) と武器密売人オデール・ロビー(サミュエル・L・ジャクソン)の2人が、一緒にマックスのオフィースに行く時、車の中でたまたまデルフォニックスのカセットテープ(!)が流れる。ちょうど「ディドゥント・アイ」だった。
ちょっと記憶で書くので、確かではないかもしれないが、マックス(白人)がデルフォニックスなどというソウル・ミュージックを聴いてて、黒人のオデール(サミュエル・ジャクソン)が驚いた顔をする。あそこの瞬間には「お前、なんで白人のくせに黒人が聴くソウルのデルフォニックスなんか聴いてるんだ?」という驚き、意外さが含まれていたと思う。
マックスはもちろんデルフォニックスなどを知らなかったのだが、その直前にジャッキー・ブラウン(パム・グリア=黒人)と会って、オデールをはめる計画を打ち合わせているときに、そのBGMで流れていたのがデルフォニックスで、それが気にいってレコード屋に行きデルフォニックスのテープを買い求め、車で聴いていたのだ。つまり、マックスはジャッキーからこのデルフォニックスの存在を教わっていた。
だから、マックスは、サミュエルにデルフォニックスを聴いているのかと言われ、どきっとしたはずなのだ。つまり、このデルフォニックスをキーワードに、マックスとジャッキーのつながりを推測されたら、すべてがパーになってしまうというシーンなのである。
あの「ディドゥント・アイ」の使われ方が絶妙だった。タランティーノらしい天才的うまさだと思った。
というわけで、「ディドゥント・アイ」は、黒人・白人間の微妙な緊張度合いを描いたシーンで使われた1曲でした、というお話でした。(この話、前にどこかでしたか、書いたかしたような気がするのですが、ホームページ開設以前だったような気がするので、書きました)
ENT>MUSIC>Delfonics
ENT>MOVIE>Jackie Brown

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