▽ディー・ディー・ブリッジウォーター、TOKU、トミーが飛び入り

▽【ディー・ディー・ブリッジウォーター、TOKU、トミーが飛び入り】
スキンヘッド。
通路脇を歩いてステージに上がったディー・ディー。なんとスキンヘッドだった。銀色のラメの光物のワンピース風で派手派手に登場。
ジャズ、ソウル、ミュージカル、ブルーズ、ブラジルとあらゆる音楽を自由自在、縦横無尽に歌うディーヴァ、ディー・ディー・ブリッジウォーターの2007年8月以来のライヴ。前回のライヴ評がないと思ったら3日間しかなく、ちょうど品川教会のリハがあって行けなかったので、僕としては2005年5月以来のライヴ観戦。
毎回アルバムを出すと、その新作に沿ったライヴをやり、ほとんど同じセットはないディー・ディーのライヴだが、今回は昨年の新作『レッド・アース』がある。ユーモアを交えたトークとシリアスな歌唱。編成はドラムス、パーカッション、アコースティック・ベース、ピアノというシンプルなアコースティックなバンドだがかなりグルーヴ感がある。必要最低限の編成で十分にグルーヴとソウルを生み出せるというわけだ。
スローからミディアム・テンポまで満遍なくしっかりとしたパフォーマンスを見せるが、特に圧巻だったのがニーナ・シモン作「フォー・ウーメン」とジーン・マクダニエルスが40年前に書いた曲「コンペアード・トゥ・ホワット」(レス・マッキャン&エディー・ハリスで1970年にヒット)だった。両者ともとても歌詞が印象的。後者は2008年の今でも通用するような歌詞だ。曰く「大統領が戦争を始めた。みんなは何が起こっているか知らない。誰も(戦争を始めた)理由を教えてくれない…。本物で行こう。でも、何と比べて?」 「本物とは、何と比べて、本物なんだ」というメッセージだと思うが、これなんかかなりファンキーな曲で、彼女のソウル・シンガー的な側面を見た思いだ。またニーナ・シモンの曲は、調べてみると、1966年の『ワイルド・イズ・ウィンド』というアルバムに収録されている。これもディープだ。
アンコールで、なんとドラムに東京在住トミー・キャンベルが登場、ガーシュインの「ラヴ・フォー・セール」を。すると、途中から、我らがTOKUがトランペットを持って登場。ジャム・セッションを繰り広げた。トミーもTOKUも何度もディー・ディーとは会っていて、TOKUはニューヨークでも飛び入りしたことがあった、という。ディー・ディーとTOKU、堂々とインタープレイのやりとり。
さまざまなジャンルの音楽を俯瞰して捉え、それをすべて自分のものにしてしまう力量を持つディー・ディー。たとえば、彼女だったら自分の90分のショーでブラック・ミュージック・ヒストリーなんていうのをできるのではないだろうか。スピリチュアル、ゴスペル、ブルーズ、リズム&ブルーズ、ソウル、ジャズ、ファンク、ラテン、ブラジル、そしてフレンチまで。何でもできる才人だ。20分におよぶフリー・セッションの「ラヴ・フォー・セール」が終わると、ディー・ディーはアカペラで「パーティー・イズ・オーヴァー」とメロディーをつけて歌って、ステージを降りた。拍手が続き、ファンが帰り際通路を通る彼女の頭にハンカチをのせ、汗を拭いた。
■過去記事
May 17, 2005
Share The Love: Declares Dee Dee Bridgewater
http://blog.soulsearchin.com/archives/000267.html
2003/02/27 (Thu)
Saga of Dee Dee Bridgewater continues
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200302/diary20030227.html
■ メンバー
ディー・ディー・ブリッジウォーター(ヴォーカル)Dee Dee Bridgewater(vo)
エドセル・ゴメス(ピアノ)Edsel Gomez(p)
アイラ・コールマン(ベース)Ira Coleman(b)
ミニノ・ガレイ(ドラムス、カホン、パーカッション)Gabriel "Minino" Garay(ds,cajon,per)
パーネル・サトゥルニーノ(パーカッション)Pernell Saturnino(per)
■ セットリスト
Setlist : Dee Dee Bridgewater, Blue Note Tokyo, December 7th, 2008
show started 19:09
01. This Is New [From "This Is New" album-2002]
02. Speak Low [From "This Is New" album-2002]
03. Obsession (Pedro Hores)
04. Wave (Antonio Carlos Jobim)
05. (Rap Improvisation)(Acapella)
06. Afro Blue (Mongo Santamaria) [From "Afro Blue" – 1974, From "Red Earth" album-2006]
07. Four Women (Nina Simone) [From "Red Earth" album]
08. Compared To What (Eddie Harris& Les McCann, Gene McDaniels) [From "Red Earth" album]
Enc. Love For Sale (Tommy Campbell on drums, Toku on trumpet) ["Live At Yoshi’s"-2000]
Enc. "Party Is Over"(improvisation acapella)
performance ended 21:01
show ended 21:06
(2008年12月7日日曜、東京ブルーノート、ディー・ディー・ブリッジウォーター・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Bridgewater, Dee Dee
2008-200

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