○ソウルバーにてソウル族集合す

○After Charlie Wilson’s Live…Soul Family At Soul Bar

【ソウルバーにてソウル族集合す】
SOUL族。
というわけで、チャーリー・ウィルソンのライヴは熱く暑く燃えたのだが、こうなってしまっては、まっすぐ家に帰るわけにもいくまい。ほてった体を少しさますということで、同行ソウルメイト、松尾潔さんとソウルバーでも行きましょう、ということに。いろいろ考えたあげく、久しく行ってなかった恵比寿のアリ・オリに行くことに。前回『ユニヴァース』のトークイヴェントで行って以来。
六本木通りから駒沢通りへ入るあたりで松尾氏お店に電話。「今から大丈夫ですか? あ、大丈夫。すいてる、はい、あ、10分くらいで着きます~~」 そして、アリ・オリの扉を開けて、中に入って我々が見たものは!?!? 
「えええっ、なんでなんで? いつから?」と叫ぶ松尾氏。なんとカウンターの中にいたのは、あの渡辺祐氏ではないか。「今日は、本物のマスターが体調くずして休んでるんで、私が一日店長、オウナーとしてやらせていただいております」 ついに、いつかはやるとは聞いていたが、いきなり恵比寿のソウルバーの店長か! 祐さんとは当日昼間メールのやりとりで、チャーリー・ウィルソンのファーストに行くということだったが、どうやら、チャーリー→ちょっとお食事(おでんや)→ちょっと一杯(バー・アリオリ)のコースらしい。
これが本当のTask Bar
しばし、その日の雑談に花が咲き、誰もオーダーを取ろうとしない。(笑) 「オーダーは何にいたしましょう」と祐さん。「でも、こちらの若林のほうに言ってください」とオーダーを振る。「僕、ここに立ってても、何もできないんでね。飲むくらいしか、できないんで」 ちょうど、僕たちが入ったときは他にお客さんはおらず貸切状態。お店のマスターはずっと立ちっぱなしで我々の相手をしてくれる。そのうち、マスター用にさっきオーダーしていたソーセージ登場。なんで、マスターがカウンター内側にてソーセージをつまむか。
そうこうするうちに、お客さんご来店で、何もしないでただ飲むだけの祐オウナーと、ボックス席へ移動。ここからがまた絶好調。ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、松尾さんは一時期祐さんの事務所に所属していたことがある。祐さんが初めて松尾氏を知ったときのことを振り返る。
「ある朝、車乗ってたんですよ。そしたら、朝っぱらから、こゆ~~いブラック・ミュージックがかかってるんですよ。まるっきり朝には似あいもしない。夜にかかりそうな美メロがね。誰だあ、朝っぱらからこんな曲かける奴は、と思ってたんです。ベイFMでした。そしたら、DJが松尾潔です、っていうんだよね。あ~~、あのBMRとかに書いてる松尾さん、(ラジオで)しゃべってるんだあ、と思って。それで、知り合いの編集者に電話番号聞いてかけたんですよ。そしたら、何に驚いたって、(僕より)年下だったってことですよ。(笑) 絶対自分より上か同じくらいだと思ってた」松尾氏は祐氏より9歳年下。
今、祐さんはJウェイヴで毎週土曜の朝8時から正午までの生番組を担当している。そこで、どうしても寝過ごせないので毎週金曜は六本木のホテルに宿を取り、(ホテルに宿を取り、という表現はおかしいな、ま、おいといて)5時半に起きて7時までには歩いて局入りする、という。
「いやあ、土曜朝6時の六本木の交差点ってみなさん、行ったことあります? もうすごいですよ、とんでもない多国籍企業で。中東系、韓国系、お姉ちゃん系、クラブ帰りの若者系、アフリカ系、もうほんとどろどろの種々雑多、老若男女。ガラが悪いというか、まともなのは、ワタシだけですよ」
「(六本木のホテル)アイビス芸人っていうのがいてね、知ってます? 吉本の芸人で大阪から来る連中でまだ(東京で)売れてないのは、ホテルに泊められるんですね。それで、そこそこ関東エリアで売れると、晴れてこっち(東京)に部屋とかマンションとかを借りられる。だから、アイビス芸人を卒業できるっていうのは、ひとつ出世らしいんですけどね。あ、でも、僕は、アイビス芸人じゃあありません。違うホテルです。万一寝坊しても歩いて行ける距離ってことで、(Jウェイヴに)近いところに泊まってるんです。グランド・ハイアットにお泊り? なわけないでしょ。(ビシッ←頭叩く音)(ホテル代)自腹なんですから。ハイ」
話はノンストップ! 話題は縦横無尽。文壇バー、落語の話、おでんやさんの話などをはさみつつソウル・バー・トーキングは終演を知らない。そうこうしているうちに、アリ・オリ名物焼きそば登場。どうやら前回アリ・オリ来日時、まだご本人はこの焼きそばを食べていないらしい。若林さんによると「うちの焼きそば勧めたら、このあとミラクル行って食べるから~」と遠慮されたそうで。(笑)
まだアリオリは食べてませんが、アリオリ推薦のヤキソバ
「僕なんかけっこういいかげんですから」と祐さんが言うと松尾さん、「いやあ、こん中で一番ちゃんとしてますよ。僕たちなんかサラリーマンやったことないんだから」。「いや、でもね、吉岡さんとか松尾さんたちが、どうやってソウル業界で30年やってきたかなんて話を対談でやったら絶対おもしろいと思うよ。細かいソウルネタいれて対談やってよ」「僕、30年はやってないなあ…(苦笑)」と松尾氏。「ほら、あなたがた、いろんなアーティストともたくさん会って話ししてるわけじゃない。そういうのを好き勝手に対談すれば、きっと読者もおもしろがると思うんだよね、その現場感覚のものって、レコード聴いてああだ、こうだって言ってるのと違うんだから」 どんどんアイデアが膨らむ祐さん。さすが、名ライターにして名編集者である。編集者ってこうやって人を乗せることが仕事なんですね、流れる石、ガーサスです。
「吉岡さんのブログには、とうていかないませんよ。だから(自分が)ライヴ見て感想ちらっと書いても、後はこちらへ、ってリンクはってお終しまい。(笑) あれだけの量を、いいかげんじゃなくて、きちんと正確に、音楽評論家として書いてるっていうのに頭が下がります」「ありがとうございます!」
「で、(松尾さんに向かって)、本はどうなったの、いつ出るの?」 松尾さんが今、書き下ろしているという本についての質問だ。「いやあ、書いてるんですけど…。なかなか進まなくて…」 さあムラムラと編集者ダマシイに火が点くか?? 
ところで、同行Sちゃん、初めて会った祐さんを「はい、よくテレビでお見かけします」と言ったはいいが、なんと、山田五郎さんと勘違いしてたらしい。恵比寿ソウル族の夜は更ける…。
■ 小気味良いテンポで進む祐さんの人気ブログ
2008-8-6
[MIF通信]恵比寿深夜SOUL族の夜
http://d.hatena.ne.jp/dothemonkey/20080806
上記記事内リンクから再びソウル・サーチンへお戻りくださるようお願い申し上げます。ソウル・サーチン→MIF→ソウル・サーチン→MIFの無限ループへどうぞ。
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