■スーパースターズ・オブ・ジャズ・フュージョン

■Superstars Of Jazz Fusion (Part 3): Funkin’ For Aoyama (Tokyo)

(ライヴの内容がでます)
【スーパースターズ・オブ・ジャズ・フュージョン】
芸達者。
ジャズ・フュージョンというと、静かに腕を組んで聴くものなんて思っている人も中にはいるかもしれないが、この「スーパースターズ・オブ・ジャズ・フュージョン」は、まったくそんなことがない。ドラムス、ベース、キーボードなどの各達人たちが、みなエンジョイして演奏を聴かせ、客を徹底して楽しませる。演奏はそれはそれは確か。みなうまい。一言ファンキン・フォー・アオヤマだ、そうアオヤマ・ファンク・ナイトだ。
それにしても、みな芸達者な、ある意味「ジャズ芸人」だ。もっともそれが端的に表れるのが20分近くになる「ナイト・イン・チュニジア」。ミュージシャン連中はみな、「ここぞ」とばかりに張り切る。サックスのレイ・ガスキンス、ドラムスのリー・ピアソン、ベースのドナルド・ニックスらの各人の濃厚なソロ・プレイ、そしてロイ・エアーズ、トム・ブラウン、レイの3人のバトルなど見所たくさん。
特に、ベースのドナルドは、ソロを取り始めてから、上の音から順に下の音をだしていくが、そのあたりのやりかたがコミック・バンドの一員かというくらいお茶目。一通り終わると、まわりのメンバーがみなよってきて、彼の汗を拭くわ、風を送るわで称える。そして、最後に一言日本語で「私はベースマンです」と言って大うけを取る。芸達者はベースだけでない。ドラマーのリーも、かなり激しいソロのあと、スティックを頭の上に載せてドラムを叩く。ドラマーの頭の軸がしっかりしていないとこれは落としてしまう。かと思えば、2本の手を背中かから回してドラムスを叩く。
バンマスのロイ・エアーズは、バンドをまとめることが多く、本人のプレイは自己のライヴのときほど多くないが、「サーチン」では一気に観客をもっていった。しかも、CDのセールスCMなど、こちらも楽しませる。しかし、一番もっていったのは、豹柄のウェイン・ヘンダーソン。まるで、アフリカの悪大統領みたいな風貌、だがキャラクターはコメディアン、しかし、プレイは確実で観客を手玉にとる。
「キープ・ザット・セイム・オールド・フィーリング」では観客にこのタイトルのサビ部分を歌わせる。観客も総立ちになって歌った。それにしても、トム・ブラウン、ウェイン・ヘンダーソン、レイ・ガスキンスの3管は超強力だ。「キープ…」の途中で、客にリトル・リチャードをやらせたり、ジェームス・ブラウンをやらせたりするところも実に楽しい。しかし、ここまで芸達者が揃うと、ほんとおもしろい音楽エンタテインメントになるものだ。
やはり、アメリカではジャズもフュージョンもファンクもR&Bもみな一緒くたなのだ。
(ライヴは日曜まで。かなり満員のようですが、ブルーノートにお問い合わせください)
http://www.bluenote.co.jp/jp/index.html
■過去記事
July 10, 2008
“Funkin’ Party For Blue Note”(Part 2) : Miki Howard Talks
http://blog.soulsearchin.com/archives/002602.html
July 09, 2008
“Funkin’ Party For Blue Note”(Part 1) : Superstars Of Jazz Fusion Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/002601.html
(今回のメンバーの過去記事一覧など)
■ メンバー
ロイ・エアーズ(ヴィブラフォン、ヴォーカル)Roy Ayers(vib,vo)
ウェイン・ヘンダーソン(トロンボーン)Wayne Henderson(tb)
ロニー・リストン・スミス(キーボード)Lonnie Liston Smith(key)
トム・ブラウン(トランペット)Tom Browne(tp)
ミキ・ハワード(ヴォーカル)Miki Howard(vo)
ジョン・プレスリー(バック・ヴォーカル)John Pressley(back vo)
レイ・ガスキンス(サックス)Ray Gaskin(sax)
マーク・アダムス(キーボード)Mark Adams(key)
ドナルド・ニックス(ベース)Donald Nicks(b)
リー・ピアソン(ドラムス)Lee Pearson(ds)
ブランドン・ハワード(バック・ヴォーカル) Brandon Howard (back vo)
■ セットリスト:スーパースターズ・オブ・ジャズ・フュージョン
Setlist : Superstars Of Jazz Fusion @ Blue Note Tokyo, June 10, 2008
Show started 21:42
01. Divine Warrior (Lonnie, Lee, Donald) [new song, not yet recorded]
02. Island In The Sun (Lonnie, Lee, Donald) [CD- “Rejuvenation” 1985 ]
03. Until You Come Back To Me (featuring Miki Howard, with Lonnie, Lee, Donald, Ray, Mark, Brandon) [CD “Miki Howard” 1989]
04. Good Morning Heartache (featuring Miki Howard, Lee, Donald, Mark, Tom) [CD “Femme Fatale” 1992]
05. Funkin’ For Jamaica (N.Y.) (featuring Tom Browne, Lee, Mark, Donald, Miki, Ray, Roy) [CD “Love Approach” 1980]
06. The Closer I Get To You (featuring John Pressley, Lee, Mark, Donald) [CD Tom Brown’s “Browne Sugar” 1979]
07. A Night In Tunisia (including a riff of “My Favorite Thing” on solo play by Donald) (Lee, Mark, Donald, Roy, Ray, Tom)
08. Searchin’ (featuring Roy Ayers,) [CD “Vibrations” 1977] (Lee, Mark, Donald,Tom, Ray, Roy, John)
09. Stomp And Buck Dance (featuring Wayne Henderson, Lee, Mark, Donald, Tom, Ray, Roy) [CD Crusaders’ “Southern Comfort” 1974]
10. Keep That Same Old Feeling (featuring Wayne Henderson, Lee, Mark, Donald, Tom, Ray, Roy, Miki) (including a riff of “Pass The Peas” on solo by Ray Gaskins) [CD Crusaders’ “Those Southern Knights” 1976]
Enc. Expansions (all) [CD Lonnie Liston Smith’s “Expansions” 1974]
Show ended 23:15
(2008年7月10日木曜、東京ブルーノート=スーパースターズ・オブ・ジャズ・フュージョン・フィーチャリング・ロイ・エアーズ、トム・ブラウン、ウェイン・ヘンダーソン・オブ・ジャズ・クルセーダーズ、ミキ・ハワード & ロニー・リストン・スミス ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE> Superstars Of Jazz Fusion featuring Roy Ayers, Tom Browne, Wayne Henderson of the Jazz Crusaders, Miki Howard, Lonnie Liston Smith
2008-119
カテゴリー: ブログ パーマリンク