●クルセイダーズ・ライヴ

●Crusaders Live : First Class Musicians’ Musicianship 

【クルセイダーズ・ライヴ~超一流ミュージシャンたちのミュージシャンシップを垣間見る】
オレオレ。
2007年9月の東京ジャズ以来約5ヶ月ぶりのジョー・サンプルの来日はクルセイダーズのメンバーとしてのライヴ。今回は、ドラムにニューヨークのナンバーワン、スティーヴ・ガッドが入り、強力布陣に。客層もクルセイダーズ・ファンらしき人たちが多数。人気の根強さを見せ付ける。
クルセイダーズ、3日間、6回、超満員で札止め。これもスティーヴ効果なのか。息苦しいほどの満席。最初にスティーヴのドラムが出た瞬間、「音、小さい!」。しかし、まさに円熟味か、渋い、大人のジャズといった趣を醸し出した。全編インストゥルメンタルなのに、まったく飽きない。まもなく、ジョーのフェンダーローズの音が響きだすと「ジョー・サンプル・ワールド」が一瞬にして広がる。そして、そこにウィルトン・フェルダーのサックスが絡むと、一瞬にして「クルセイダーズ・ワールド」色に染まる。いいねえ。
1970年代作品を中心に80分余。センスのよい大人の時間を作り出している。1960年代初期にできたウーリッツァーをテキサスからまたまた持ってきたそうで、「これは僕の古いピアノ」と言って紹介した。「いろいろ、新しいシンセサイザーなんかも使ったが、やはりこれよりもファンキーで泥臭いサウンドは出せない」と愛器を説明。
いつもながら、ジョー・サンプルのユーモアあふれる曲解説はおもしろい。例えば、4曲目「バラード・フォー・ジョー」。このジョーはジョー・サンプルのジョーではなく(当たり前か=(笑))、1940年代に大活躍した黒人ボクサー、ジョー・ルイスのこと。デトロイト出身のヒーローだ。「1940年代、アメリカの黒人はみんなボクシングの試合をラジオにかじりついて聴いていた。そしてボクサーのジョー・ルイスが勝てば、黒人はみなハッピーになった。だがジョーが負ければ、アメリカ中の黒人が落ち込んだ。これは、そんなジョー・ルイスへのバラード」。そんなことを言われてこの曲を聴くと、ボクサー・ジョー・ルイスが試合を終えて、静かに佇んでいる姿が浮かぶようだ。
ウィルトン・フェルダーも、ニルス・ラングレンも、スティーヴ・ガッドも、ニック・サンプルもみな自分の持ち場をしっかり押さえながらも、バンドマスター、ジョーを引き立てようという雰囲気が漂う。ある意味、全員プロ中のプロだ。ファースト・クラスのミュージシャンたちの阿吽(あうん)の呼吸を思う存分見せてもらう。
それにしても、この静けさの中にある黒っぽさとグルーヴ感。しかし、そんな空気の中、アンコールでは、レイ・パーカーが「俺の出番だぞ」と言わんばかりに、ヒットを1、2フレーズ歌って、「ゴーストバスター」へ突入。最後はパーティーにしてお開きだ。それまで一歩下がって、ジョーたちを引き立てていたが、ここはオレオレで前面にでてきて思い切り浮き上がった。(笑)
■クルセイダーズは2月29日(金)と3月1日(土)にJVCジャズフェス渋谷オーチャード・ホールに出演します。こちらはチケット当日券などもあり。
■ 過去関連記事
September 22, 2007
Tokyo Jazz 2007: Joe Sample & Randy Crawford, Candy, Etc.
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200709/2007_09_22.html
(ここに過去関連記事一覧があります)
■ メンバー
ジョー・サンプル(フェンダーローズ、ウーリッツァー)Joe Sample (fenders rhodes, wurlitzer)
ウィルトン・フェルダー(サックス)Wilton Felder (sax)
レイ・パーカーJr. (ギター)Ray Parker Jr. (g)
ニルス・ラングレン(トロンボーン)Nils Landgren (tb)
ニック・サンプル(ベース)Nick Sample (b)
スティーヴ・ガッド(ドラムス)Steve Gadd (ds)
■セットリスト
Setlist : Crusaders @ Blue Note Tokyo, February 26, 2008、Tuesday
セットリスト クルセイダーズ
First set:
Show started 19:01
01. Free As The Wind
02. Creepin’
03. I Felt The Love
04. Ballad For Joe (Lewis)
05. The Territory
06. So Far Away
07. Snowflake
08. Put It Where You Want It
Enc. A Riff of It’s Time To Party Now / A Woman Needs Love
Enc. Ghost Busters
Show ended 20:24
(2008年2月26日火曜、東京ブルーノート=クルセイダーズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Crusaders
2008-27
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