■チャック・ブラウン・ライヴ

■Chuck Brown, God father Of Go-Go, Live: Music Is Drum, Rhythm Is Universal: (Part 1)

【チャック・ブラウン・ライヴ~ノンストップでゴー・ゴー(パート1)】
普遍。
およそ1時間半、ノン・ストップ。ドラマー(EUのジュジュ)がゴー・ゴーのリズムを延々と叩き続ける。同じドラムなのに、どうしてこうもはねるのか。素晴らしい。どうしてこうもグルーヴするのか。見事。まさに、音楽はドラムだぞと言わんばかりの強烈ドラムだ。
ワシントンDCで1970年代中期に始まった「ゴー・ゴー」と呼ばれるファンク・サウンドの頂点にいるのが、現在72歳になるチャック・ブラウンだ。1987年12月芝浦インクスティックでの初ライヴから数えておそらく通算4回目の来日。調べてみると3回目の来日が1994年12月六本木ジャングル・ブギーだったので13年余ぶりということになる。(来日履歴は要確認。1987年12月インクスティック、1988年12月インクスティック、1994年12月六本木ジャングルブギー、1991年渋谷オンエアー(中止)まで確認。他に1992年7月頃、イエローあるいは、1996年ごろにも来日がありましたでしょうか。どなたか詳しくご存知の方、BBSなどでお知らせください)
初来日のことは強烈に覚えている。芝浦のインクスティックでは、延々と3時間近くかそれ以上ノン・ストップでやった。1986年、イギリスのアイランド・レコードの世界戦略にのって、「ゴー・ゴー」が一大ブームになったあとを受けての初めてのゴー・ゴー・ライヴ体験だったから、それはそれは感銘した。もちろん、スタンディングのクラブ、ライヴ・ハウスだったので、みんなこの「ゴー・ゴー」のリズムに揺れていた。
今回もアンコールでの曲間は別にしてノン・ストップだ。独特のはねるリズムが最大の特徴で、BPMでおそらく100前後のゆったりしたリズムが変わることなく延々と続く。だんだん、時間の感覚がなくなり、そのリズムに麻痺していく。息つく暇もないとはこのことだ。
バート・バカラックが誰もが歌える「普遍のメロディー」を生み出しているのに対して、このチャック・ブラウンの音楽は、どんなタイプのメロディーも載せられる「普遍のリズム」だ。本当に、この「ゴー・ゴー」のサウンドは最高にかっこいい。
ステージ右側にいた女性キーボード、シェリー・ミッチェルは、ナイル・ロジャースのシック(シーク)メンバーのひとり。(ピーセス・オブ・ア・ドリームにも参加) また、ずっとステージ上で何をするでもなくぶらぶらしていて、ときどきラップを披露する女性KKは、なんとチャック・ブラウンの娘だそうだ。
始まって1時間くらいしたところで、スタッフから1枚の紙がチャックの元に渡された。正確には見えなかったが、ようは「あと15分」みたいなことが書かれていた。チャックたちは、ひとたび演奏が始まると時間の感覚がなくなるので、終わり時間を知らせないとだめらしい。
この日は本編を「2001」で終えた後アンコールで、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」を歌った。ところが、観客はまだ彼らの最大のヒット曲「バスティン・ルーズ」を聴いてない。いつしか、観客から「バスティン・ルーズ! バスティン・ルーズ!」の掛け声が大きな歓声となって始まった。ビルボードのステージ奥のカーテンも開いた。だが、後片付けを始めたチャック・ブラウンは観念したかのように、ミュージシャンたちに指示を出し、今一度演奏を始めようとした。ステージ横に立っていたロード・マネージャーが、「まだやるのか」といった表情を浮かべている。あとで彼がこぼしたところによると、「あのあとサイン会もしなければならないから、もうあそこで終わってもらわないとね。でも、連中はいつももっともっと演奏したがるんだよ。ま、俺は(それを止めさせる)バッド・ガイだな(笑)」 そして、彼らは「バスティン・ルーズ」を10分以上演奏した。
彼らにとっては、1時間半なんてまさに朝飯前だろう。そして、ミュージシャンは体力勝負だ。
(朝飯前・・・ライヴ後の余裕の笑顔にひひ
(この稿続く)
■ メンバー
チャック・ブラウン /Chuck Brown(Vocals/Guitar)
リトル・ベニー・ハーレー/Little Benny Harley(Vocals/Trumpet)
ウィリアム ’ジュジュ’ ハウス/William ’JuJu’ House(Drums)
ダグ・クラウリー/Doug Crowley(Bass)
チェリー・ミッチェル/Cherie Mitchel(Keyboards)
ブライアン・ミルズ/Bryan Mills(Saxophone)
ブラッド・クレメンツ/Brad Clements(Trumpet)
マーク・ウィリアムス/Mark Williams(Trombone)
モーリス・ハガンス/Maurice Hagans(Percussions)
KK・ドネルソン/KK Donelson(Vocals)
■セットリスト
Setlist : Chuck Brown & The Soul Searchers @ Billboard Live, February 17,2008
セットリスト チャック・ブラウン&ザ・ソウル・サーチャーズ
(Completed with help from Cherie Mitchell。チェリーの協力を得てなんとか思い出してもらいましたが、完全ではないかもしれません)
Show started 21:01
01. Godfather
02. Hoochie Coochie Man
03. Go Go Swing
04. It Don’t Mean A Thing If It Ain’t Got That Swing
05. Moody’s Mood
06. Woody Woodpecker
07. We Need Money
08. Run Joe
09. Baby (Cherie Mitchell)
10. Phatty (Cherie Mitchell)
11. Bennie’s Song
12. Stuntin Like My Dad
13. Kat In Da Hat
14. Chuck Baby (KK)
15. Harlem Nocturne
16. What’s Got Incident Dat Kat (KK)
17. 2001 (Also Sprach Zarathustra)
Enc. My Funny Valentine
Enc. Bustin’ Loose
Show ended 22:42
(2008年2月17日日曜、ビルボード・ライヴ=チャック・ブラウン&ザ・ソウル・サーチャーズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Brown, Chuck & The Soul Searchers
2008-22
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