The Last Day For Soul Snack OA, Aoyama

【今日、青山ソウルスナック「OA」、35年の歴史に幕】

幕。

1971年5月10日、青山学院裏にひっそりとオープンした学生街の喫茶店「OA(オーエー)」は、「ソウル・スナック」という代名詞とともに、日本のソウル音楽業界に多大な影響を与えた。誕生から35年を経た今日(5月10日)、その歴史に幕を下ろす。その前日(9日)はOAファンにとって「クロージング・イヴ」。岡さんに誘われ、ちょっと覗いてみると、中は超満員だった。

35年は、さすがに長い歴史だ。何人ものソウル系のアーティストが、この店に立ち寄ったり、多くのソウルファンが、ここでかかるソウルのレコードに耳を傾けた。それまでソウル・ミュージックを知らなかった若い人がここでソウル・ミュージックの魅力にとりつかれ、ソウル好き、ソウル・マニアへ発展していった例も少なくない。

名物ママの藤本芳子さんが30歳でこの店を始めた時、娘さんはまだ2歳そこそこだった。その娘の父親であり、藤本さんの夫は、娘さんが生まれてまもなく交通事故で急死。藤本さんは、とにかく子供のためにがんばらなければならない、と必死にこの店を切り盛りした。「子供がいたからこそ、こんなに続けられたのよ」とママは簡単に35年を振り返る。「だんなが死んじゃって、とにかく稼がなければならなかった。子供が生まれることによって、女は初めて母性本能というものが、ものすごくでてくるのよ」 

ママはいつでも豪快に、物事をすぱっと言い切る。「これでやっと引退。やりたいことがいっぱいあるから、お店を片付けたら、いろいろやるのよ」と第2の人生に夢をかける。「いやあ、第3の人生よ、きっと」

ママは、若い人たちを時に叱咤激励(しったげきれい)したり、時に説教したり、怒ったり、誉めたり、ここに来る全員のママとなった。まさにワン・ビッグ・ファミリーのソウル・ママだ。

OAが始まった時2歳半だった娘さんは現在38歳になり、そのお子さん、つまりママのお孫さんは10歳になっているという。時の流れは早く、歴史の重みと継続のすばらしさを感じる。このOAのあるビルは、取り壊され再開発され新しいビルが建つ予定だ。ママ、本当に長い間お疲れ様でした。

■OAは、今日、営業最終日。

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March 13, 2006
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