Lady Kim Live At B-Flat; Back Where You Belong

【レディー・キム・ライヴ】

華。

ニューヨークで録音した新進気鋭のジャズ・ヴォーカリスト、レディー・キムのライヴ。赤坂Bフラット。ドラムス、アコースティック・ベース、そしてピアノのトリオをバックに歌う。前回見たのは新宿の小さなライヴハウスだったが、今回は少し大きめ。今回は全国で計10本ほどのライヴが組まれている。

印象は、やはり華(はな)があるシンガーだな、ということ。雰囲気がいい。声量がすごいとか、歌がめちゃくちゃうまいとか、そういうのではなく、可愛さと独特の見た目の雰囲気が存在感がある。例えばマリリン・モンローを歌手として、歌がうまいと見るかどうかは別にして、ものすごく雰囲気と存在感のある人だとは言えると思うが、そういう感じ。また、すっと立つと身長185センチはありそうな長身で、モデルにもなりそう。そんなフォトジェニックなところも魅力だろう。

またセットリストとしては、新作からの曲を10曲もいれていたので、前回より新しい感じもした。彼女は、2003年、現在のプロデューサー、伊藤さんがたまたまふらりと立ち寄ったこのBフラットで歌っているところを見出されて、レコーディングすることになった、という。そういう意味で彼女にとってはゆかりの地でもある。

一方今回のライヴで僕にとってひじょうに印象に残ったのが、ピアニストのダニエル・ミクソン。ものすごくのりがよく、バックに徹していながら、うまく音楽監督の役目を果たしつつ、しかも、ソロ・パートになるとしっかり前面にでていい味をだしていた。すごく気に入った。彼をリーダーとするこのトリオはいいトリオだ。

ライヴ後には3人のミュージシャンとレディー・キムが客席に場所を取り、サイン会を始めた。この時ダニエルと少し話したが、好きなピアニストは、の問いにこう答えた。「4人いるんだ。まず、アート・テイタム、アーマッド・ジャマル・・・」 「え~~っ、今、アーマッドは日本に来てますよ。コットンクラブ。昨日、見ました」 「ホントか?? どこ? コットンクラブ? それから、エロール・ガーナー、そしてホレス・シルヴァー」 「なるほど」 「あ、そうだもうひとりいる! ボビー・ティモンズ」 「ふんふん」 「まだ、ひとりいるぞ! ウィントン・ケリー! あ、そうだ、レッド・ガーランドも! まあ、そんなところだな(笑)」 ほんとにピアニストが好きなんですね。

ところで、セットリストでインストの部分がわからないのですが、何という曲を演奏されましたか? 「『シュガー』じゃないかな。ファーストのもう1曲は・・・。(間があって) だめだ思い出せない(笑)」 「いつも、その場で曲を決める感じですか?」 「そうだね。あと、『デイズ・オブ・ワイン・アンド・ローゼス(酒とバラの日々)』」、「あ、それはセカンドセットね。それはわかりました」 ほんの1時間前にプレイしたインスト曲がわからない。よくある話だ。

彼のソロ・アルバムをそこで売っていたので、買ってみた。サインをもらいながら、聞いた。あなたの誕生日は? 「オーガスト・ナインティーン、ナインティーン・フォーティ・ナイン(1949年8月19日)、ニューヨーク、ハーレムに生まれて、ブルックリンに育った」 「ニューヨーカーですね。56歳ですか、まだまだお若いですね」 彼がにやっと笑った。

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■メンバー
ダニエル・A・ミクソン (ピアノ) Daniel A. Mixon
ポール・ブラウン(ベース) Paul Brown
クラレンス・トゥーツィー・ビーン (ドラムス) Clarence “Tootsie” Bean

■Setlist (+ denotes songs from her third album “Autumn Leaves”)

First Set
show started 19:37
01. (Inst) Sugar(?)
02. What A Difference A Day Made +
03. In The Dark +
04. Girl From Ipanema
05. Midnight Sun +
06. In Walked Bud
07. (Inst)
08. Up Jumped Spring
09. Everything Must Change
show ended 20:25

Second Set
show started 21:04
01. Autumn Leaves +
02. East Of Sun
03. Moanin’ +
04. Afro Blue — Nature Boy
05. (Inst) Days Of Wine And Roses
06. Trying Times +
07. Bye Bye Blackbird +
08. One For My Baby +
09. Night And Day
10. Old Country
Enc.1. Willow Weep For Me +
Enc.2. Just The Two Of Us +
show ended 22:13

(special thanks to Mr. Kamiyama for making setlist)

(2006年4月28日金曜、赤坂Bフラット=レディ・キム・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kim, Lady
2006-85

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