Nile Rodgers & Chic Live: One Small Step For A Man…

【ナイル・ロジャース&シック・ライヴ】

一歩。

「レディーズ&ジェントルメン!! 『アイ・ウォント・ユア・ラヴ』『グッドタイムス』『ル・フリーク』など数々のヒットでおなじみ。みなさん盛大な拍手を~~~。ナイル・ロジャース&シ~~~~~~~~ク!!!」 ナイル・ロジャースをはじめ男性ミュージシャンは白いスーツに身を包み、女性ミュージシャンたちも白いスーツ風ドレスという統一感のあるユニフォームでステージにあがったシ~~~クのメンバー。ブルーノートでは約3年ぶり、国際フォーラムから約2年ぶりのライヴはいつも通り「シックのテーマ」とも言うべき「シック・チア」からスタートだ。一気にブルーノートの気温が急上昇。

70年代後半から80年代初期にかけて数々のディスコヒットで知られるナイル・ロジャースのシック。それにしても、みな楽しそうに音楽を演奏している。そして、アップテンポの曲ばかりが次々と披露され、観客もみな立ち上がる。

それにしてもいいバンドだ。ナイルのギターもいいが、ジェリー・バーンズのベースもなじんできた感じ。しかも、オマー・ハキムのドラムスが見事としかいいようがない。ドラム、ギター、ベースのリズム・トライアングルは完璧だ。オマー・ドラムで一番感銘を受けたのが、ヒットメドレーのトップを飾る「アイム・カミング・アウト」。スーパーだ! これに、ミキサーのボードで若干深めのエコーかなんかかけられたら、もう最高。そこだけがちょっとおしい。このメンバーではここ数年やってきているので、もう息もぴったりということなのだろう。ヨーロッパ・ツアーなどもしていて、バンドユニットとしてサウンドが本当に固まっている。すばらし。

「さあ、君たちがシック・マニアかどうか試してみましょうう。この曲は知ってるかしら」と言って演奏し始めたのが、このセットリストでは無名な1曲「アット・ラスト・アイム・フリー」という少しばかりスロー調の曲。ダンス曲ばかりが続く中でここだけスローになるところ。

女性シンガー、黒髪のほうがジェシカ・ワグナー、赤髪のほうがシルヴァー・ローガン・シャープ。「アイム・カミング・アウト」をダイアナ・ロスっぽく歌ったのがジェシカ。一方「アップサイド・ダウン」を歌ったのがシルヴァー。どちらもうまい。(以前のライヴ評を読み返したら、シルヴァーのことに随分感心していた=(笑))

ところで、スタッフに聞くと、演奏曲目は、このセットリスト以外に「シンキング・オブ・ユー」(初日ファーストで演奏)と、「ロスト・イン・ミュージック」(今回来日では未公開)、さらにヨーロッパ用に「スペイサー」(シーラBデヴォーションでヒット。ヨーロッパで大ヒット)などがあるという。基本線は同じだが、ファーストとセカンドで若干の曲の入れ替えをしているそうだ。

シルヴァーが言う。「みんないいかい。カメラ持ってる? 今から写真撮影タイムよ。ブルーノートで写真を撮れるのは今だけ、シックだけよ。他の時はだめよ。急いで急いで! そして、いい写真が撮れたら、私たちのウェッブに送ってね。アドレスはナイル・ロジャース・ドット・コム! (http://www.nilerodgers.com/)」 そういえば、国際フォーラムでもやっていた。シックのライヴで過ごすひと時は間違いなく「グッド・タイムス」だ。

しかも、ナイルはライヴが終わるとすぐに客席にでてきてファンのために買ってくれたCDなどにサインを始めていた。すぐに長い列ができた。

この日、あざみのピッツェリア、マルターノの大西さんらと一緒にシックのライヴを見た。(下記1月13日、1月14日付け日記を参照) アンコールで「グッド・タイムス」を聴きながら、大西さんがいつの日にか創る夢のライヴハウスのことを考えていた。そのライヴハウスの名前はもう決まっている。「グッド・タイムス」だ。そして、ナイル・ロジャースがその柿落とし(こけらおとし)にやってきて、ステージでアンコールの時こう叫ぶのだ。「What’s your favorite restaurant??」 観客が答える。「Good Times!!」 もう一度ナイルが尋ねる。「What’s your favorite restaurant??」 観客がもっと大きな声で「Good Times!!」と叫ぶ。そこでナイルたちが、「グッド・タイムス」の演奏になだれ込む。

大西さんは、売っていたDVDを買ってサインの列に並び、ナイルにサインをもらう時に、ライヴハウス・レストランの話をした。大西さんとナイル・ロジャースの初めての「第三種接近遭遇(The Close Encounters Of The Third Kind)」の瞬間だ。これは、ひとりの男にとっては小さな一歩かもしれないが、マルターノにとっては大きな飛躍につながるかもしれない。 “That’s one small step for (a) man…it might be one giant leap for martano”(註)

(註)
1969年7月、アポロ11号で月面初着陸を果たしたアームストロング船長の言葉をアレンジ。オリジナルのセリフは “That’s one small step for (a) man…one giant leap for mankind”((この第一歩は)ひとりの男(人間)にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ)だった。

■ 関連記事

2003/04/15 (Tue)
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グッドタイムス。
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200304/diary20030415.html

2004/05/20 (Thu)
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プレイバック。
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040520.html

January 13, 2006
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【シックの「グッド・タイムス」が結ぶ点と線】 
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January 14, 2006
The Show Must Go On: The Story Must Go On (Part 2 of 2 Parts)
【いつの日にか「グッド・タイムス・ストーリー」を~】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_01_14.html

マルターノ・ウェッブ
http://www.martano.jp/
http://martano.exblog.jp/
ブログ2006年4月12日付け。他にストーリーも。

『ソウル・サーチン』
第4話 ナイル・ロジャース&バーナード・エドワーズ(シック)
~友情という名のメロディー~
https://www.soulsearchin.com/soulsearchin/4-1.html

■ Setilst

show started 21:34
01. Chic Cheer
02. Dance, Dance, Dance (Yowsah, Yowsah, Yowsah)
03. I Want Your Love
04. My Forbidden Lover (A riff of “Crazy In Love”)
05. At Last I Am Free
06. Medley: I’m Coming Out –
Upside Down –
He’s The Greatest Dancer –
We Are Family
07. Le Freak
Enc. A riff of “Soup For One”
Good Times
show ended 22.51

■メンバー

ナイル・ロジャース & シック

ナイル・ロジャース(ギター、ヴォーカル)、
シルヴァー・ローガン・シャープ(ヴォーカル)、
ジェシカ・ワグナー(ヴォーカル)、
“スウィート”シェリー・ミッチェル(ヴォーカル、キーボード)、
ビル・ホロマン(トランペット、サックス)、
スティーヴン・ヤコブスキー(トランペット)、
リッチ・ヒルトン(キーボード)、
ジェリー・バーンズ(ベース)、
オマー・ハキム(ドラムス)、
ジェラルド・ヴェレス(パーカッション)

Nile Rodgers(g,vo),
Sylver Logan Sharp(vo) ,
Jessica Wagner(vo),
“Sweet” Cherie Mitchel(vo,key),
Bill Holloman(tp,sax),
Steven Jakowski(tp),
Rich Hilton(key) ,
Jerry Barnes(b),
Omar Hakim(ds) ,
Gerardo Velez(per)

ブルーノート・ウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20060410.html

シック・オフィシャル・ウェッブ
http://www.nilerodgers.com/

(2006年 4月11日火曜、東京ブルーノート・セカンド=ナイル・ロジャース&シック・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Rogers, Nile & Chic
2006-72

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