Kurosawa Kaoru Live "Love Unlimited"

【黒沢薫・ソロライヴ~ラヴ・アンリミテッド】

外部活動。

昨年ソロアルバムを出したゴスペラーズの黒沢薫のソロ・ライヴ、東京エリアでは昨年10月に続いての二回目。前回は、頭30分を見て、同じ日にあった別のライヴ(ラウル・ミドン)に行ってしまい、えらく怒られたわけですが、今回は冒頭から最後の最後までじっくり見させていただいた。

グループ活動と並行したソロ活動というのは、海外でもよくあるが、その最大のメリットは、グループ活動では得られない何かをソロ活動をすることによって得て、そして、それをまたグループ内に注入するという点だ。そうすることによって、グループ内に新たな要素などが組み込まれ、新鮮な雰囲気になったりする。新しいインプットが、グループに新たなる息吹となれば、グループにとっても利点となる。

今回のソロを見て感じたのは、グループでのシンガーとしての立ち位置と、ソロ・シンガーとしての立ち位置の微妙な違いがはっきりしていておもしろいということ。ソロ・シンガーのほうが、グループの一シンガーよりはるかに自由度が高いため、そこでのびのびと何でもできる。そうした自由度の高さがこのソロライヴにも表れていると思う。

例えば、ズーコとのデュエットや、飛び入りゲストの三浦大知くんとのかけあいなども、これはさすがにグループ活動のなかではやりづらいが、ソロ・シンガーだったら、極端な話、何でもありでやりやすい。そしてとてもいい感じになっている。ジョン・レジェンドのカヴァーなども、さすがにグループ・ライヴではやり辛いところだろうが、ソロなら、まったく問題なしで、ファンとしてもそれを存分に楽しめる。

また、グループの一員がソロ活動する場合、その元のグループをどうとらえるかによって、ライヴパフォーマンスなどでのアティテュードが違ってくる。グループを帰り行くべき「ホーム(わが家)」として考えるのか、あるいは、卒業した「母校」として捉えるかの違いだ。黒沢ソロの場合は、あくまでゴスペラーズをいつでも帰れる「ホーム(わが家)」としているところがいいのではないだろうか。ホームがあるから、安心して外にでて遊んでこられる、いつもホームには親や兄弟がいて戻れるから、単身赴任しても安心、というニュアンスだ。

それともう一点、前回にも書いたが、村上ソロとの違いを知ることによって、ゴスペラーズの要素が解剖されたような感じですごくおもしろかった。さらに、これからは、ゴスペラッツという飛び切りのプロジェクトもあり、ここでの酒井パフォーマンスが、また新たな要素として浮かび上がってくることは間違いないだろうから、これまた楽しみだ。黒沢ソロを含めたそうした「外部活動」が、再びこのゴスペラーズという「ホーム」に注入された時、「ホーム」には大きな力が加わることは間違いない。

(セットリストの公開解禁が仙台ライヴの28日以降でしたので、改めて書きました)

■関連記事

March 24, 2006
Kurosawa Kaoru Solo Live; Knowing Main Ingredients Of Group
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_03_24.html

Setlist

show started 19:16
01. Love Unlimited Introdcution
02. Theme Of Love Anthem
03. Late-Blooming
04. これから
05. 電話のむこう
06. Friends Before Lovers
07. Crazy For You
08. 渇き
09. Ordinary People
10. After the Rain
11. 満天の星の夜
12. 流星
13. Keep It Goin’ On
14. One Step Closer
15. Groovin’
Enc1. Windy Love
Enc2. Love A Flava
Enc3. 遠い約束
show ended 21:20

(2006年3月23日木曜、品川ステラボール=黒沢薫・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Kurosawa, Kaoru
2006-55

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