Coldfeet: Intoxication Of BPM 130

【BPM130の陶酔】

陶酔。

二人組ダンスユニット、コールドフィートが代官山エアーでCDリリース、ライヴ。しばらく前に、担当A&Rから強力に売り込まれ、CDも聴き、ライヴにのぞんだ。エアーは、確かオープンした時に行ったが、その後、何で行ったかよく覚えていない。近くに着いて歩いていたら、コートを着た若い人に「エアー(語尾上がりで発音)ですか?」とそっと声を掛けられた。「はい、そうです」と言うと、「この辺、ご近所さんがうるさいので、入るまでぜひお静かにお願いします。また、帰られる時も外ではお話なさらないようにお願いします」とのご注意が。なるほど、近隣へのお気遣い、大変ですねえ。

中に入ると、ものすごい人と熱気と煙草の煙。地下二階に下りていくと、ベースの大爆音が身体を直撃! 空腹で行ったら、絶対気持ち悪くなると思うような、まさに四つ打ち、ハウス系のバスドラの短調なリズムが、心臓に突き刺さる。1時5分、彼らがステージに登場。完璧に打ち込みだけに音は、CDと同じ。そして、リードシンガーのローリーが歌い始めた。

アルバムタイトル曲「ボディーポップ」から始まり、そのBPM130のリズムは延々と続く。この日はギターで助っ人が参加し、ステージの上は3人。ダンスフロアは、リズムに乗って踊る人たちが爆音の中で陶酔。

ボディーソニックの比ではない、圧倒的なバスドラの音には現実逃避の魔力があるかもしれない。まるで、スピーカーの前で音楽を聴いてるというよりも、スピーカーの中で音楽を直接感じている、いや、このハウス・ミュージックの中に浮遊している感さえした。

僕はこのBPM130の音楽は、79年頃のまさにソウルではなく、ファンクでもない典型的なディスコ(・ミュージック)に思えた。その後、こういうタイプの音楽は80年代に入り、ハウスへ発展していくわけだが、ハウスよりも一歩プリミティヴな無機質に徹底的に朝まで、いや、アフターアワーズまで躍らせ続ける79年のニューヨークのディスコを彷彿させた。

ライヴ後、上でお茶をしていると、彼らがあがってきて、一瞬立ち話できた。「これは、ハウス?」 「なんでも呼び名はいいですよ。ハウスでも、ディスコでも。まあ、(こういうリズムで)踊らにゃ損損という感じです」とワツシさんが言った。ヴォーカルのローリーさんは、近くで見るととても綺麗。最近は、ジル・スコット、ミッシェル・ンデゲオチェロなども聴いているという。一時期二人ともベースメント・ボーイズなんかもよく聴いていたそうだ。

彼らの新作『ボディーポップ』は曲が変わっても全編BPM130で続く。それはまさに「BPM130の陶酔」だ。

そうそう、外に出たらその興奮を押さえもちろん、大声をださずに静かに歩いた。

Setlist: 1st set

show started 01:05
01. Bodypop
02. On Your Own
03. Boomerang
04. Slow Down Say It Again
05. Shake
06. Superthing
show ended 01:39

2nd set

01. Boom, Clang, Bang
02. Oowee
03. Uptight
04. Mop Me Up

(2006年1月27日金曜・深夜、代官山・エアー=コールドフィート・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Coldfeet

2006-015

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