Non Chords, Non Genre, Non Nationality

【コードなし、国籍なし、ジャンルなし】

グルーヴ。

パーカッションの斉藤ノブ、ベースの後藤次利、サックスの藤井尚之のたった3人のユニット、ノン・コーズが新作をまもなく発売し、それにさきがけてツアーを始めた。その初日、東京リキッドルームでのライヴを見た。全10曲、なかなかのりのいいサウンドを聞かせた。コードのない楽器だけの3人で作るユニット、ノン・コーズ。その音は、どこか無国籍、そして、ジャンルも飛び越えているユニークなものだ。

リキッド(恵比寿)は初めて来た。まん中に座席を作り、収容約300人くらいか。なかなかいい会場だ。まだ初日ということもあって、これからどんどん形が固まっていくのだろう。興味深かったのは、どんなにアップテンポの曲でもお客さんは椅子にじっと座って、彼等の演奏を見ていたことだ。みんな藤井さんや、後藤さん、ノブさんに見入っているのかもしれない。

さて、この日のちょっとしたハイライトは、以前、ソウルサーチンダイアリーでも御紹介したが、われらがマーヴィンがこのノン・コーズのレコーディングに参加していて、その曲でライヴでラップを披露したのである。それが、「ハイパーシェイク」という曲だ。マーヴィンは登場するなり、観客を立たせ、煽りに煽った。いつも一緒に仕事をしている仲間がこうして晴れ舞台に立っているのを見るのは実に嬉しいものだ。

ところで、全体的なサウンドだが、パーカッションのノブさんとベースの後藤さんのグルーヴがかなりのものなのだが、その屋台骨というか、土台が打ち込みのリズムなのだ。だから、上ものがいくらグルーヴがあっても、土台にグルーヴがないので、どうしても、立ち上がって踊るというものにならないのではないかと感じた。CDは、聞くという意味で打ち込みでもいいのかもしれないが、ライヴはグルーヴ感のある生のドラマーのほうがいいのではないかと思った。そうしないと、ノブさんのパーカッションや後藤さんのベースのグルーヴが生きてこない。なんかものすごくもったいないような気がした。ドラムだれかって? 大槻カルタさんでしょ。(笑) あるいは沼沢さんか。彼等の演奏が最高に熱いのに、打ち込みの無機質さが温度を下げる。

楽屋でノブさんに尋ねた。「生のドラムを使うという可能性は?」「ない」ときっぱり。う~~む。3人ユニットでひとつの確固たるイメージができあがっているようだ。

Setlist

show started 19:13
01. New World
02. Caravan
03. Round 7
04. Nail Of Nile
05. Tracing
06. Sub Stage
07. Hyper Shake (rap by Marvin Dangerfield)
08. 禁じられた遊び
Enc. Poco
Enc. Tide
show ended 21:01

(2005年8月30日火曜、恵比寿リキッドルーム=ノン・コーズ ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Non Chords

PS、ジェラルド・オルブライトのライヴ評は明日以降に掲載する予定です。

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