What'd I Write (Part 3): The Moment Of Soul To Soul

【「何と書いたら」(その3)】

コネクト。

たとえば、いいライヴを見たと思う時。それは、ミュージシャンがものすごく上手で、すばらしいパフォーマンスを見せた時。あるいは、ミュージシャンと観客がその場の同じ空気を吸い、一体感を生み出した時ということもあるでしょう。

「ソウル・サーチン・トーキング」に参加した方々から感想のメールなどをいくつかいただいたのですが、ひじょうに興味深いものがありました。

わかりやすくまとめると、こういうことです。「ソウル・サーチンに参加して、ライヴっていいな、と思いました。もちろん、ライヴがよかったのはもちろんなのですが、それ以上のものが感じられたからです。よく一体感があってよかったというライヴがあります。それは、アーティストと観客がひとつの場所にいて、同じ空気を吸い、アーティストと観客が音楽の元にひとつになる感覚です。ただ、アーティストは舞台の上、観客は観客席にいて、実質的には離れています。でも、アーティストと観客が実際に握手をすれば、手のぬくもりが伝わってきます。温度が感じられます。相手のソウルが手から伝わってきます。昨日のソウル・サーチンのアーティストからは、あたかも実際に握手をされたような、一体感以上のつながりのようなものを感じました。航志くん、黒沢さん、ケイリブ、太田さん、名村さん、みな私の手にぬくもりを残していきました。ありがとうございます」

まさに、アーティストと観客がコネクトした瞬間。R&Bコネクトです。それは、ソウル・トゥ・ソウル(ソウルとソウルのつながり。ソウル同士)の瞬間ともいえますね。以前、ピアニストの上原ひろみさんが、ミュージシャンシップについて、どのようなアーティストとでも、コネクトさえすれば、一緒にライヴをできる、というようなことを明言し、感銘を受けたことがあります。

上原ひろみ・ライヴ評(コネクトすれば、についても)
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200312/diary20031202.html

確かに、今回の木下くんのライヴ、最後の「ホワッド・アイ・セイ」の木下くん、黒沢さん、ケイリブたちの掛け合いの部分など、まず、ミュージシャン同士ががっちりコネクトしていました。そして、そのコネクトの塊がおそらく、観客席に次々と投げつけられで、それを観客が受け取ったのでしょう。

「ホワッド・アイ・セイ」は、よく考えてみれば、16歳の木下くんが、イントロを始め、42歳(?)のケイリブがその後を引き受け、30代の太田さん、黒沢さんらが堂々とパフォーマンスを見せたわけです。年齢とか人種とか出身地などまったく関係なく、ひとつのステージでひとつの曲を一緒に楽しみながら演奏する。しかも、その日初めて会った人たちが、音楽という共通言語で、ひとつになる。そして、そのコネクトぶりが、観客に伝わり観客が感動する。これぞ、音楽の力と言えるでしょう。

アーティストと実際に握手をしたような感触を持ったライヴ。これ以上のお褒めの言葉はありません。ありがとうございます。

(2005年6月26日日曜、ソウル・サーチン・トーキングVol.4~レイ・チャールズ=目黒ブルースアレー)

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