Nat King Cole Sings "Love" In Japanese In A Beautiful Way

美学。

ザ・ワールド・オブ・ナット・キング・コール DVD『ソウル銀座塾』でもご紹介したが、ナット・キング・コールのドキュメンタリーDVDと、最新のベストアルバム(28曲入り)が、セットでキング・コール没後40周年ということで大々的に売りに出されている。

『ザ・ワールド・オブ・ナット・キング・コール』(DVD)(CD)

ナット・キング・コールは1965年2月15日に亡くなっている。DVDは90分の本編のほか、約60分のボーナス映像がある。インタヴューに答える人は、トニー・ベネット、ナタリー・コール、スティーヴィー、クインシー、ハリー・コニックなどのほか、奥さん、娘なども登場する。よくできたドキュメンタリーで、ナットの人柄や、彼が黒人として初めて有名になったことへの白人からの反発などがまとめられている。

ザ・ワールド・オブ・ナット・キング・コールそして、CDの『ザ・ワールド・オブ・ナット・キング・コール』は全28曲入り。音源としては、これまでにリリースされたものだが、ナタリーとのデュエット「アンフォーゲッタブル」も収録されている。この中で僕が驚いたのが、彼の日本語版が2曲入っていたこと。1曲は「枯葉」、もうひとつが「ラヴ(LOVE)」だ。

で、この日本語の訳詞がじつにうまく出来ている。ともに1964年にレコーディングされたものだが、当時は洋楽曲に日本語の詞をつけて歌うことが流行っていて、ナットも録音した。ナットはサーヴィス精神旺盛で、日本語だけでなく、フランス語、スペイン語などでも様々な曲をレコーディングしてきた、という。

その「ラヴ」を日本語訳したのは洋楽訳詞の匠、漣(さざなみ)健児さんだ。60年から訳詞を始めた。

http://www.shinko-music.co.jp/sazanami/profile.html

日本語版「ラヴ」も「枯葉」も、単語がじつにメロディーにはまっていて驚いた。しかも、ナットの歌もうまい。かつて、マリリン・マックー&ビリー・ディヴィス・ジュニアの「星空の二人(You Don’t Have To Be A Star)」の日本語版がかなりいい出来だったことを紹介したと思うが、このナットの「ラヴ」はそれに勝るとも劣らない日本語ソウルだ。最近でこそ、英語を歌詞の中にいれる日本人シンガーも多数いるが、それを40年以上前にやっていたことになる。しかし、それにしても日本語と英語のからめかたが抜群にうまい。

というわけで、その日本語詞をご覧いただきたい。お見事である。ナットの「ラヴ」は、シンプルに2分33秒でカットアウトで終る。二分半の美学だ。

『LOVE』(訳詞・漣健児)

Lと書いたらLook At Me
Oと続けてOK
Vはやさしい文字Very Good
Eと結べば愛の字、L-O-V-E
LOVEは世界の言葉
LOVEは二人の宝
愛し合えば明日(あした)も明るい
LOVE
LOVE Your Love
I LOVE YOU

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ナットの邦題についての記事。

2003/06/26 (Thu)
Get Out And Get The Japanese Title
邦題値千金。

https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200306/diary20030626.html

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