Righteous Brothers: How They Got Their Name

元祖。

ゴースト ニューヨークの幻「アンチェインド・メロディー」は1965年に大ヒットしました。しかし、その25年後の1990年、この曲は映画『ゴースト』に使われ再度ヒット。この時のヒットのほうが、65年のヒット時よりも大ヒットになったということです。現在ではこの曲がかかると、『ゴースト』のデミ・ムーアとパトリック・スウエージーのシーンを思い出す人も多いでしょう。

ところで、この曲は元々シングル「ハング・オン・ユー」のB面に収録された作品でした。しかし、シングルがリリースされるや、全米のDJはこの裏面の「アンチェインド・メロディー」を盛んにプレイし、こちらが全米で4位を記録するヒットになったのです。

これを歌ったのが、元祖「ブルー・アイド・ソウル」のアーティスト、ライチャス・ブラザース。彼らは元々パラモーンズというグループ名でR&Bの曲を演奏していたんですが、あるとき、彼らの演奏を聴きにきていた黒人の海兵隊員の客が彼らのライヴを見て一言叫んだのです。

「オー、彼らはライチャス・ブラザースだな! (奴らは正義の、高貴の兄弟たちだな、かっこいい兄弟たちだな、の意味)」と。

それからしばらくして、彼らはグループ名を変えようと考えます。その時にちょうどこの言葉を思い出したわけです。彼らはこうして、パラモーンズからラチャス・ブラザースになります。

という話をマーヴィンにしたら、彼はものすごく納得しました。そして、この「ライチャス」という言葉について少し解説してくれました。この時は60年代の初期。ちょうどこの頃は「ライチャス・・・」というと、70年代の「クール(かっこいい)」、90年代以降の「ドープ(かっこいい)]というスラングと共通するというのです。「神の世界に(天国)のほうに上がっていくというような意味あいもあるんだ」とマーヴィン。精神性を高めるというニュアンスなんでしょう。そして、彼らの歌声がソウルフルだったことから、神の兄弟、的にそんな言葉がふとでたのかもしれません。

まあ、もし彼らが70年代に登場していたら、ひょっとして、「クール・ブラザース」に、あるいは、90年代に登場していたら、「ドープ・ブラザース」になっていたのかもしれません。

ライチャス・ブラザースは、白人のデュエットで、ソウルフルな歌声から、彼らを黒人シンガーと思った人も多くいました。そこで、元祖ブルー・アイド・ソウルのアーティストとなりました。ライチャス・ブラザースの後には、ホール&オーツが続きます。

ライチャス・ブラザースは、ビル・メドレーとボブ・ハットフィールドの二人組み。ともに1940年生まれですが、彼らは2003年3月、ロック殿堂入りを果たします。しかし、ボブのほうはそれからわずか8ヵ月後、2003年11月5日、睡眠中に亡くなってしまいました。63歳でした。

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ユニバーサル・マスターズ・コレクション : ライチャス・ブラザース
ザ・ライチャス・ブラザーズ
ユニバーサルインターナショナル

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