Jay & Silky Live At Blues Alley: The Night Of Ecstasies

【ジェイ&シルキー・ライヴ~恍惚の夜】

逆回転。

歩道に出ているスピーカーからソウルミュージックが流れている。店の看板にはソウル・アルバムのジャケット写真が何枚も貼られている。ビルに入り、エレヴェーターに乗って「3」のボタンを押し、ドアが開くとそこはもうソウルバー、恵比寿のブラウンシュガーだ。ドアが開いた瞬間、中にいた客から「おそ~~い!!」と声がかかった。そこに集まっているのは、しばらく前に目黒ブルースアレーで熱いライヴを終えてきたジェイ&シルキーと、そのファンたち。かなり飲んでいるようで、テーブル4つくらいで十数人になっていた。

シカゴが生んだ名R&Bシンガー、タイロン・デイヴィスの大ヒットに「ターン・バック・ザ・ハンズ・オブ・タイム」という曲がある。Rケリーも同名の別曲を作った。文字通り、「時を戻すことができれば」というものだ。では、しばし時計の針を2月3日金曜・夜7時半くらい、目黒のブルースアレーに逆回転してみよう。

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恍惚(こうこつ)。

黒に白のストライプのスーツを着たシルキーさん。黒に赤のストライプのスーツはジェイ公山さん。二人合わせてジェイ&シルキー。ご存知リアル・ソウル・ヴォーカル・グループ、リアル・ブラッドの二人。その昔はヒューマン・ソウルという名の伝説のソウル・ヴォーカル・グループをやっていた二人がブルースアレーのステージに上った。ジェイさんは迫力のバリトン、そして、シルキーさんは見事なファルセットを聴かせるハイトーン。この二人の対照的なハーモニーは、ソウル、それもスイート・ソウル好きのハートを直撃だ。

そんなジェイ&シルキーが新譜をリリースし、東京目黒のブルースアレーでライヴを行った。ドラムス、ギター、ベース、キーボード(吉弘千鶴子)、そして、トランペット、トロンボーン、サックスの3管。立派なファンクバンドだ。やはり3管が入るとファンク度がぐっと増す。

そして、暗転から始まった1曲目はなんとアース・ウインド&ファイアーの「サーパンティン・ファイアー」。ブラスセクションがかっこいいあの曲だ。これからスタートか。ブラス3人がいきなり全開。さらにニューバースの「アイ・キャント・アンダースタンド・イット」へ。これも、ブラス大活躍曲だ。ボビー・ウーマックも歌っているアップテンポの名曲。ジェイさんのバリトン・ヴォイスも大爆発。熱い熱い。一挙に会場の気温も3度はヒートアップッ! 

2曲を歌い終えただけで、ジェイさんは汗だく。一方のシルキーさんは、まだまだ涼しい顔。ジェイさん曰く「こっちはこれだけ汗だくなのにね~。これだけやっても(シルキーさんと)ギャラは一緒だから」と言って爆笑を取る。ソウル・ショウではあるが、曲間にはいるトークはほとんどジェイさん主導でかなり笑わせる。

そして3曲目は、これは想定外の、なんとディズニー・シリーズだ。特にオリジナルではピーボ・ブライソンとレジーナ・ベルの「アラジンのテーマ(ホール・ニュー・ワールド)」は、ジェイさんが男役、シルキーさんが女役を演じた、見事な、というか妙なデュエットになった。

約30分余の休憩を経て、まず新譜から2曲。そして、ソウル・カヴァーシリーズ。まずは、ミラージュの「ドント・アスク・ミー・ホワイ」。これは、超マニアック。知らなかった。さらにアル・ハドソンの「ハニー・ハニー」。これも知らない。続くエイス・スペクトラムの「ジャスト・ライク・イン・ザ・ムーヴィーズ」。これはかろうじて知っていた。このマニアック選曲、とどめは、あの「ディスコ天国」でおなじみのタヴァーレスの「ゴッド・ブレス・ユー」。なんでもシングルのB面にしかはいってないそうだ。このあたりの1-2パンチは、まさにアメリカの南部あたりの場末のクラブでやっているソウル・ショウさながらの泥臭さだ。ジェイ&シルキーのソウルが聴くものの五臓六腑にぐぐっと染み込む。

そして、ここで大サプライズが! なんと、客席からあの低音(低温にあらず)のルーサー市村さんが飛び入り・友情出演するではないか。ルーサーさんの登場で、客席は割れんばかりの歓声があがる。そして、始まったイントロは、「ミー&ミセス・ジョーンズ」。おおおおっ、渋い。ルーサーさん、ジェイさん、シルキーさんの三者三様の声が、微妙に男と女の指が絡まるように、混ざり合って恍惚の極地へといざなう。この3人の大人のいやらしさといったらどう表現すればいいのだろうか。まさに大人のソウルか。

この「ミー&ミセス・ジョーンズ」は、ルーサーさんが6年前、ちょうど彼がソウル・シンガーに転向し、初めてジェイ&シルキーさんたちとともに大阪のステージに立って歌った、思い入れたっぷりの曲だった。初めて歌った「ミー&ミセス・ジョーンズ」と6年の歳月を経てから歌ったこの日の「ミー&ミセス・ジョーンズ」の間には、彼の脳裏にも様々な思いがフラッシュバックしていた。

万雷の拍手を受け、ルーサーさんが退き、さらにヒューマン・ソウル時代の作品、そして、ジェイ&シルキーの新譜から歌い、熱く燃えたソウルのひと時は終った。

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ヴァーチャル。

大盛況のなかライヴは終わり、その後一息ついて彼らは恵比寿ブラウン・シュガーへ打ち上げに。そこに僕が遅れて入っていったのである。

「だからね、僕の手帳には8日(水曜)のところに、ジェイ&シルキー@ブルースアレーって書いてあるんですよ。3日じゃなくて。8日にはやらないんですか」 ごきげんなジェイさんが、「やりません。今日だけです(笑)」ときっぱり。おかしいなあ。「じゃあ、8日に何も知らずに行ったら、どうなったんでしょう」 「別のアーティストがやってるんじゃないんですか(笑)」 3と8を見違えて書き入れたらしい。大体僕は、アーティストのライヴがあると、行けるか行けないかにかかわらず、とりあえず、手帳に書き入れる。で、僕は翌週の水曜に行くつもりだった。

恵比寿に向かう途中、ソウルメイトUからは、「ルーサーさん入りの『ミー&ミセス・ジョーンズ』最高でした」というメールが入ったり、打ち上げでみんな来てるから、ブラウンで待っているという電話が入ったりしていて、急行したのだ。要は僕が8日と思っていたジェイ&シルキーは、実際は3日だったのである。つまり、見逃したのである。やってしもうたのである。 あ~~、愕然なのである。

そこで、じゃあ、悔やんでも悔やみ切れないので、セットリストだけでも聞いてイメージ・トレイニングでもしながら、ライヴを反芻(はんすう)しておこうと、ジェイさんに尋ねた。そうして出来上がったのが、下記セットリストである。そして、いろいろ話を聞いているうちに、見てもいないライヴステージについて書けるかもしれないと思ったのだ。まさに「見ったかぶり」レポートである。略して「見ったかレポ」。上記のライヴレポートは、聞いた話だけで書いたヴァーチャル・ライヴ・レポートなので、その旨、充分ご了承ください。(笑) 

シルキーさんが、別のテーブルから僕たちがいるテーブルにやってきた。僕は立ち上がって、彼に手を差し伸べ一言言った。「素晴らしいステージでした」 みんなが爆笑した。あ、ルーサーさんは? 「ワッツ・アップ、かつみさんのところに行きました」 いつになく混みこみのブラウンは、ソウルの熱気で熱くなっていた。次から、ライヴ日程を手帳に書き込む時には、指先確認しないと~~。日にちよし、開演時刻よし、会場、間違いなし~~。出発進行っ! ソウルトレインの発車だ。

Setlist
1st set

show started 19:46
01. Serpentine Fire (Earth, Wind & Fire)
02. I Can’t Understand It (New Birth)
03. Disney Medley: Welcome To Rio
Wishing Upon A Star
Micky & Minnie
Whole New World
04. I Want Purpose
05. Playgirl
show ended 20:40

2nd set

show started 21:15
01. No Place, No Hide
02. 君の答が欲しい
03. Don’t Ask Me (Mirage)
04. Honey, Honey (Al Hudson)
05. Just Like In The Movies (Ace Spectrum)
06. God Bless You (Tavares)
07. Me & Mrs. Jones (with Luther Ichimura)
08. Dance In Peace
09. Delight Of Love
10. Your Name Is
Enc. Take Me To Paradise
show ended 22:30

(Setlist was made courtesy of Mr.Jay Kouyama & Mr. Tsuna)

(2006年2月3日水曜、目黒ブルースアレー=ジェイ&シルキー・ライヴ)

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