Kill Bill Vol.2: Chain Reaction Of Hate

連鎖。

さてさて、映画『キル・ビルVOL.2』ですが、まず、ここでは音楽ネタからきってみましょう。第一部では、サンタ・エスメラルダの「悲しき願い」とかがかかっていたわけですが、今回もやられた、って感じなのは最後にでてきた梶芽衣子の「うらみ節」です。あれだけ、洋物の映画を見ていて、突然、どーんと「うらみ節」が流れてくると、一体なんなんだ、と思います。こういうセンスは、日本の映画を作る人には絶対ないだろうなあ。もしやっても、もっとベタになってしまうんだと思う。むしろ、センスのいいクラブDJあたりだと、世界各地のクラブヒットの中に、すぽっとこういう曲をいれたりして、わっと驚かせることができるかもしれません。

https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200310/diary20031015.html

第一部では、ユマ・サーマンの怒りが込み上げてくるところで、クインシーの「アイアンサイド」でした。今回は、あんまり怒りがこみあげなかったのかなあ。ほとんど出てこなかった。第二部を作る時は、もう第一部であれだけ使ったことを忘れてしまうのでしょうか。(笑) 

全体的には、音楽の使い方のうまさにそれほどの「おおっ」というものはなかったように感じました。しいて言えば、冒頭のシーンのこんなやりとりは、もろにタランティーノらしいセリフでした。

ユマ・サーマンが結婚式のリハをやっているシーン。これは時間を戻しての回想シーン。ここで、結婚式のためにオルガンを弾く男がいます。これが最初、誰だかわからなかったのだが、なんとサミュエル・ジャクソンでした。役名はルーファス。南部の教会の黒人のオルガンプレイヤーです。牧師が花嫁たちにルーファスを紹介する。すると、彼らがルーファスに対して「今まで、誰と共演したことがあるんだ?」と尋ねます。ルーファスが答えます。「ルーファス・トーマス」! 僕はここでえらく受けたんですが、観客はシーンとしていて、浮きました。その後に、「バーケイズ、クール&ザ・ギャング…」などとも付け加えていました。「ライドオン、ベイビー」とか、タランティーノに声をかけてやりたい気分です。(笑)

映画全体的な話をしましょうか。一言で言えば、前回ほどのテンションの高さは感じられませんでした。もちろん、ユマ・サーマン演じるブライドの心の動きを描いているのだ、ということはわかるのですが、しかし、テンポ感、リズム感が第一部とはかなり違いました。

パイメイ先生、いい感じです。なんで、服部半蔵はもうでてこないのでしょうか。第一部とはあえて違う空気感、テンポ感をだしたのでしょうか。どうなんだろう。やはり、分けずに2時間半くらいで一本にまとめられなかったのだろうか、と思ってしまいます。

タランティーノは、第三部も考えているそうです。というか、作るらしいです。ブライドに目の前で母親を殺された少女がいましたよね。黒人の母娘。あの娘が15年後に、ブライドに復讐をするという物語だということです。15年後に作るとなると、2019年あたりでしょうか。気の遠く
なる話だ。(笑) そうか、こうして「憎しみの連鎖」は続いていくわけですね。

(映画『キル・ビル VOL.2~ザ・ラヴ・ストーリー』、2004年4月24日から公開中)

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