Frank McComb’s “Song For You”

勉強。

ちょっと日差しが暑く感じられるグルーヴィーな日曜の午後。フランクは、インターFMにやってきた。打ち合わせのテーブルにあった大きなラジカセに彼はMDを差し込んでかけていた。

もちろん、ラインどり(ラインから直接録音しているということ)なので音がいい。一瞬ライヴではなくスタジオ録音かと思ったほどだったが、雰囲気からしてライヴかと思ったので、「これは、なんのライヴ?」と尋ねた。「昨日のだよ。いつも、僕は自分がやった演奏を何度も聴いて勉強してるんだ。ここがよかったとか、あそこがだめだったとか。実はこれは、ケニー・ギャンブルから学んだことなんだ。彼は、スタジオで何でも録音している。ライヴをやる時もだ。彼は僕に言った。ライヴ・パフォーマンスはすべて録音して、後から聞け、と。やっている時はわからないことも、後でテープを聞くとわかることが必ずある、ってね。だから僕も全部のパフォーマンスを録音してるんだ」

ちょうど、とてもメロディアスな「アナザー・デイ」が流れてきた。ちょっとスティングあたりが作りそうな曲。「この曲、大好きなんですよ」と言うと、彼は答えた。「これはある時、ブランフォード(・マルサリス=彼が結成したジャズ・ファンク・グループ、バックショット・ルフォンクに、フランクは在籍していた)が、『フランク、フランク、いいアイデアが浮かんだから、曲を書くぞ』といって、彼がメロディーを作ったんだ。でも、そこには歌詞がなかった。ブランフォードは、いつもすばらしいメロディーは浮かぶんだが、言葉がでてこないんだ。だから、僕が何か歌詞をつける。でも一方、(一緒に参加している)ダフィヨー・マルサリスは、すばらしい言葉を生み出すよ」

彼はひとつの質問に誠実に答える。なので、答えがけっこう長くなる。時間に限りのあるラジオ番組などだと大変だ。最後に誰かシャウトアウトしたい人(名前を呼び上げたい人、感謝したい人)がいたら、どうぞ、という言葉に乗って彼は次から次へとスタッフの名前をいい始めた。CMの時間が迫っている。結局、そこの部分は訳されずに終ってしまった。(笑) 

最終日、セカンドセット。彼は7曲目の「フールズ」で一度ステージを降りた。アンコールの拍手に促されアコースティックピアノの前に座ると、「ヒズ・アイズ・イズ…」を歌った。そして、それを終えると、誰もいないドラムセットのところに座ってちょっとだけ叩き始めた。まもなく、ギターとベースがステージにあがり3人でちょっとしたリズムパターンを叩きだす。すると、いつのまにか、フランクの真後ろにドラマーのコーラが立っている。それに気がついたフランクが驚いてそこをどき、ウォーリッツァーの前に進んだ。キーボードでコードを弾き始めた。「きたか?」

フランクは僕の方を見て言った。「This song is for you」 「Oohh…」というヴォーカルがキーボードと絡む。そして、イントロから歌に入った。「Little Ghetto Boy~~~」。その瞬間、会場から大歓声が巻き起こった。いつになく手拍子が強くなる。「イエーッ」の歓声がかかる。途中のウォーリッツァーのソロパートを、フランクは思い切り叩き弾いた。ウォーリッツァーがその日一番揺れた。そして、サビの部分「Everything has got to get better…」のところを、彼は観客に歌わせた。なんと観客もこれを合唱したのだ。何度も繰り返される「すべてはどんどんとよくならなければならない」というメッセージが、会場でひとつになっていった。曲が終って鳴り響いた拍手はこの日一番だったように思う。この曲の人気を改めて感じた。

「君のために…」といわれて感動しない人間はいない。嬉しいなあ。ライヴを終えて客席にでてきた彼に礼を言った。すると彼は言った。「今度自分のバンドを連れて来るときには、リハーサルをしてきて、『ホワッツ・ゴーイン・オン』も、スティーヴィーの曲もやるからね」 

ソウルメイトSがフランクとレイラに歌って欲しい曲があるというので、それを伝えた。「来月来る時に、スティーヴィーが書いた『ユー・アー・マイ・ヘヴン』をレイラと歌って欲しいんだけど」 「それはおもしろい。前にも同じことを言われたことがあるよ。実は以前、ジャネイ(女性二人組R&Bグループ)のひとりと遊びでその曲を自宅で録音したことがあるんだ。テープはどこかに残ってるんじゃないかな。でも、むずかしいんだよ。特にダニーの作品をやることはいつも躊躇してしまうんだ」

しかし、スティーヴィーが書いた「ユー・アー・マイ・ヘヴン」をダニーが乗り移ったかのようなフランク・マッコムと、ダニーの娘であるレイラが一緒に歌うなんてことになったら、それだけで完璧なストーリーになる。想像しただけでもわくわくする。僕はフランクに懇願メールを送ることを決心した。

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Setlist (2nd set)

show started 20:02

01. One Block Past (Instrumental)
02. Shine
03. Another Day
04. Future Love
05. Love Natural
06. Action Speak Louder Than Words
07. Fool

Encore 1. His Eye Is On The Sparrow (Traditional)
Encore 2. Little Ghetto Boy (Donny Hathaway)
Encore 3. Cupid’s Arrow

show ended 21:57

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Little Ghetto Boy
by Donny Hathaway

Little Ghetto Boy
Playing in the ghetto street
What you going to do when you grow up
And have to face responsibility

Will you spend your days and nights
In the pool room
Will you sell caps of madness
To the neighborhood
Little Ghetto Boy

You already know how proud life can be
‘Cause you’ve seen so much pain and misery

Little Ghetto Boy
Your daddy was blown away
He robbed that grocery store
Don’t you know that was a sad, sad old day

All your young life
You’ve seen such misery and pain
The world is a cruel place to live
And it ain’t going to change
You’re so young
You’ve got so far to go on
And don’t think you’ll reach your goal
Young man, Little Ghetto Boy,

Look at you

Little Ghetto Boy,
When, when, when you become a man
You can make things change, yeah
Hey, hey if you just take the stand
You got to believe it yourself in all you do
You’ve got to fight to make it better
Then you will see how others will start believing to
Then, my son, things will start to get better

Yeah
Everything has got to get better
Everything has got to get better
I said everything
Everything has got to get better, yeah
I said I believe that the day, yeah, yeah
I said everything
It’s got to get better
I said I’m depending on you
Little brother
Yeah, yeah yeah

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ENT>MUSIC>LIVE>McComb, Frank

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