24-7 She’s Been Thinking About Gag: Comedy “Do Les Miserables”

ヴァリュー。

「住めば必ず人気役者になれる伝説の館」があるという。かつてそこのアパートに住んでいた人の中から多くのスターが育っていった。今、そこに住む6人の若者たち。オーディションも受けなくなり、日々惰性で生きている彼らが求めているものは何か。そして、彼らがその中から気が付くものは…。放送作家としてこのところすっかり超売れっ子となっているカニリカ氏原作のコメディーの舞台最新作。補助席まででて330席x5回プラス追加公演、計6回が売り切れ御礼というからすごい。

これは、カニ先生にはいろいろお世話になっているファミリーとしては見に行かないわけにはいかない。カニ氏の舞台作は初めて見た。なるほど。いや、いいねえ、舞台ね。舞台終了後に、出口近辺にでてきたカニ氏に一言。「おもしろいじゃない!」 けっこう笑った。

アパートのリヴィングルームのみで、物語が繰り広げられる。舞台展開なしで、演出の展開だけでこれだけもたせるのだから、たいしたものだ。登場人物は7人。アパートの管理人(山川恵理佳)、イケメンのお笑い芸人(涼平)、アクション俳優(イジリー岡田)、ゲイっぽいミュージカル俳優(小浦一優)、歌舞伎役者(ヒロシ)、役者志望の若者(小田マナブ)、アングラ劇団員(剣持直明)。それぞれの個性が、そこそこでていて、キャラクター作りもおもしろい。

途中全員でやるミニコントのところが、毎回アドリブだそうだが、受けないコントをやってすべるところで、受けをとるという手法は、やられた、という感じ。(笑) つまらなければ、つまらないほど面白い、っていうシーン。それぞれの出演者の肉体的個性を自然に使っているところもうまい。背の高いイケメンお笑い芸人と歌舞伎役者の背丈の違いをネタにしたところなど、単純に笑える。全体的に、細かいところ、ちょっとした隙に、なにかしらネタをいれてくるのでその辺でコンスタントに笑いがもれる。普段から隙あらばギャグをかましてくるカニ氏ならではの面目躍如だ。きっと頭の中は1日24時間週7日ギャグのこと、受けることしか考えていないのであろう。(笑) 演出が個性ある役者のキャラを持ち上げ、ギャグに息吹を与える感じだ。きっと、リハーサルも楽しいんだろうな、と思った。また歌舞伎ネタをいれるところなど、歌舞伎フリークのカニ氏ならではのところだろうか。

いくつか細かい点で気付いたこと。些細のことだが、基本的にはよかったんだが、音楽、効果音の音量と役者の声のバランスがちょっと微妙なところがあった。アンプを通した音はどうしても大きくなるから、肉声とのバランスをうまくとらないと。もうひとつ、いわゆる硬軟のうちのしんみりシーンがどうしてもテンポ感がなくなってしまう。もう少し減らすか、いっそのこと、このあたりばっさりカットして、2時間笑わせ倒したら、どうなんだろう。とはいうものの、そのしんみりシーンからエンディングへつながるので、このエンディングだとどうしても、こういうところが必要になるのだが。そして、やはり最後のオチがなあ、僕はもっと大きいどかーんとくるものを期待しちゃったなあ。オチにもうひとひねり、キャッチーなものというか、ガツンとくるものが欲しい。終ったときに、「え、これで終るのかよ」と思ってしまった。

あの最後のフリートークは、「告知」までいれて、超テレビ的。さすが、テレビの人。おもしろいと思った。そのうち舞台と観客の間の「コール&レスポンス」なんかが入るようになるのだろうか。まあ、やってるのも既にあるかもしれないが。(笑) 総評を一言でいうなら、3800円のヴァリューは充分あった。楽しめた。1万円はちょっと厳しいが。(笑) 再演もいいだろうし、次回作も必ず行きます。

(2004年1月23日=新宿シアターサンモール=『どれミゼラブル』公演)

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