Marlena Shaw: Storyteller Tells Her Own Story

ストーリーテラー。

マリーナ・ショウのアルバム『フー・イズ・ディス・ビッチ・エニウェイ』(75年)の1曲目「ストリート・トーキング・ウーマン」には男女の会話が収録されています。なんでまたそんなことをしたのでしょうか。気さくでフレンドリーなマリーナさんが説明してくれました。「私は、ストーリーテラー(物語を語る人)だから」 なるほど。その通りです。「70年代の初期だったか、私はサミー・デイヴィス・ジュニアのオープニングアクトをやっていた。それで、初めて日本に来たんだけどね。それで、私のショウを見たプロデューサーみたいな人が、『彼女には好きにやらせるほうがいい』というようなことを言ってくれたのね。歌うということは、表現すること、演技することと一緒だから。例えば、シンガーによっては、ここでどういう話をして、次の曲は何で、どこをどう歩きみたいなことをきちっと決めてやるシンガーもいるけど、私は違う。その時の雰囲気でやりたい。で、自由にやらせてもらえるようになった。ちょうどあの頃、ああいうラップのようなモノローグが流行っていて、私もやってみようっていうことになったの。あれは私が実際に考えて、やったの」

あの映画のような演技もいいが、アルバム『スイート・ビギニングス』に収録されている「ゴー・アウェイ・リトル・ボーイ」でのオープニング・ナレーションもぞくぞくします。仕事を辞めてしまった男に愛想をつかす女性。その彼女が彼に言う一言は、「ゴー・アウェイ・リトル・ボーイ(もう、出て行ってよ、ボーイ)」 まさにストーリーテラーの面目躍如です。

そういうナレーションで思い出すのが、シャーリー・ブラウンの75年の大ヒット「ウーマン・トゥ・ウーマン」やミリー・ジャクソンの一連のヒットなどです。「そういえば、70年代初期って、ミリー・ジャクソンなんかも、あなたのようなナレーションをいれてましたよね」と話を向けると、マリーナさん、「彼女とは、(私は)ちょっと違うわ」。そう、ミリーのほうがもっとダーティー(卑猥)だからですね。「私には子供たちに聞かせたくないある種の言葉があるわ。そういうのは、自分ではやらないわね(笑)」 良識とクラース(品格)があるマリーナさんです。

そういうナレーションを曲の中にいれるスタイルは最近はあまり聞かれませんでしたが、なんと、あのアリシア・キーズが新曲「ユー・ドント・ノウ・マイ・ネーム」でそうしたナレーションをいれています。アリシアが「70年代にはそういうモノローグが入った曲がよくあった」という時、その中に間違いなくこのマリーナの作品などは入っていることでしょう。アリシアの途中のナレーションを聞いて、マリーナの曲やナレーションを思い浮かべる人は少なくありません。

日本には数え切れないほどやってきています。でも、日本語は? 「ぜんぜ~~ん、わからない。(笑) 日本語をあなたたちがしゃべってると、とてもおもしろい。私にはリズミックに聞こえる! ヴァイブを感じるわ。タラララララ~~。(笑) 」 日本の人は大好きだけど、日本食はだめ、というマリーナさん。「でも、ジャパニーズ・ケンタッキー・フライド・チキンはOKよ!(笑)」 

ニューアルバム『ルッキン・フォー・ラヴ』のトップを飾るのは「ホープ・イン・ア・ホープレス・ワールド」。ポール・ヤングも93年に録音している作品ですが、マリーナはその存在を知りませんでした。「ソングライターから直接、この曲をもらったの。新曲だと思ったわ。ポール・ヤング? あ、そう。知らなかった。この曲はメッセージが今にぴったりだと思ったから。本当に今の時代って希望がないでしょう。だからこの曲は前向きなメッセージが気に入ったの」 この曲でも、彼女は充分物語を語っています。

アナログアルバムを4枚ほど持っていったのでサインをねだったら、4枚すべてにサインをしてくれました。やった。

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ライヴは今後、12月8日(月)・六本木スイートベイジル、12日(金)赤坂Bフラットなど。他地方もあります。

ENT>MUSIC>INTERVIEW>Shaw, Marlena

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