Liz Wright Speaks: Music Speaks Herself

音行一致。

東京の朝10時は、ニューヨークの午後9時。9月に来日するリズ・ライトに電話で話を聴いた。彼女は現在ニューヨークに住んでいる。思った通りというか、物静かな知的な感じの女性だった。「自分の部屋では、静かにすごしているわ。静かな雰囲気が好き。大騒ぎはしないし」

電話の向こうから、ポットでお湯を沸かしている音が聞こえてくる。沸騰するとぴ~となるポットだ。おそらく静かな夜を過ごしていたのだろう。

ジョー・サンプルと来日したときが初の日本体験だった。「日本は本当にあらゆることがオルガナイズされていて、驚いたわ。人々がきっちりしていて、それに私の友達のだれよりもみんな音楽を知っている。(笑) ライヴも静かに聞いてくれて、そして、真剣に音楽をアプリシエート(鑑賞)していることが伝わってきた」

リズ・ライトは2001年4月にユニヴァーサル・ミュージック傘下ヴァーブ・レコードと契約。デビュー作を出す前にジョー・サンプルとのセッションがセッティングされた、という。ジョーの作品で歌ったのは、現在のレコード会社の作戦だったわけだ。(当初はジョーとのレコーディングが、現在のレコード会社との契約に結びついたのかと思っていたが、逆だった) 

彼女は言う。「でも、初めて彼と会ったとき、ジョー・サンプルの音楽は知らなかったの。なぜなら、うちではゴスペルしか聴いていなかったから。それと若干のジャズだけね。ソウル、R&Bなどはほとんど知らなかった」 

父親が牧師だったためだ。「でも、ジョーとはお互いゴスペルをルーツにしていたので、すぐに打ち解けた。彼からはたくさんのことを学んだわ。その昔の人種差別のこと、彼の40年以上にわたる音楽の歴史、とても勉強になった」

ジャズなどを聴き始めたのもここ数年。では最近はどのようなものを聴いているのか。「オリ-タ・アダムス、ダイアン・リーヴス、カサンドラ・ウィルソン、トレイシー・チャップマン、ジョニ・ミッチェル・・・。オリータがハリウッドボールで歌った(ビリー・ホリデイの)『グッドモーニング・ハートエイク』はすばらしかったわ。元々オリ-タのファンだったし。彼女はピアノを弾きながら歌っていた。私もピアノは弾くけれど、ほんのちょっとだけ」

ウェイン・ショーター・グループで活躍中のパナマ出身のピアニスト、ダニーロ・ペレスの新作『ティル・ゼン』の中で、リズは2曲客演している。一曲はそのタイトルソング。そしてもう一曲はジョニ・ミッチェルの「フィドル・アンド・ザ・ドラム」という曲だ。ちなみにこのアルバムにはインストで、スティーヴィーの「オーヴァージョイド」の軽いカヴァーも収録されている。

ライヴではどんな曲をやるのか。「(自分のアルバム)『ソルト』からの作品、それから若干の新しい曲、スタンダードなんかかしら」 「あれ、ジョー・サンプルとの曲は?」 「やらないと思うわ。あれは、ジョーとやるときのためにとってあるの」 「えええっ? 聴きたいなあ、あの2曲は・・・」 「あら、OK, じゃあ、わかった。I try (やるようにがんばってみましょう)(笑)」 「お願いします」

ジョー・サンプルのアルバム『ピーカン・トゥリー』にはいっているのは、「ノーワン・バット・マイセルフ・トゥ・ブレイム」と「フールズ・ゴールド」だ。

音楽はそのミュージシャンを表すとは何度も書いてきた。電話の向こうのリズの声や話し方からでさえも、彼女のキャラクターの一部は伝わってきた。音行一致である。ライヴが今から楽しみだ。

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リズ・ライト・ライヴ
2003年9月17日~20日 横浜モーションブルー
モーションブルーのサイト(日本語)
http://www.motionblue.co.jp/schedule/index.html

オフィシャルサイト(英語)
http://www.lizzwright.net/

ユニバーサルのサイト(日本語)
http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/lizz_wright/index.html

リズ・ライト・関連記事(ソウルサーチン日記7月14日付け)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200307/diary20030714.html

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