Tommy Campbell's Vocal Session Band; Times Of Trial And Error

【トミー・キャンベルズ・セッション】

試行錯誤。

日本在住のジャズドラマー、トミー・キャンベルがR&Bシンガー、グリニス・マーティンらとともにセッション・バンドを結成し実験的なライヴ。僕はトミーとグリニスという組合せなので、勝手にR&B系なものかと思ったら、これが大違いでジャズだった。別にジャズならジャズでもかまわない。

トミーがドラムス、他にキーボード、アコースティック・ベースのいわゆるトリオ編成。これにグリニスがヴォーカルで、またもうひとり、新人女性シンガーが加わった。この女性歌手は、最初でてきたときに随分と硬いので素人かと思ったが、グリニスが教えている生徒さんだった。人前で歌うのは2度目ということで、それで納得。まあ、2度目ならしょうがない。今日のここで歌われた曲は彼女にはちょっとまだむずかしすぎるようだ。単語を発音することに追われ、「歌」になっていかない。人前に出るには、もっと易しい曲で1-2曲くらいにしておいたほうが、あるいは2-30人くらいの小さなジャズクラブで場数を踏んだほうがいいだろう。モーションの舞台は彼女には重荷すぎてかわいそうだ。

全体的には曲をもう少し練ったほうがいいと思う。特にオリジナルは。(あまりリハできてないのかな) 1曲が長すぎ、ドラマーのバンドなのでしかたないが、ドラムが出すぎ。ドラムがここまで出るなら、インスト・トリオとして音楽的トライアングルを正三角形にしないと。また、ヴォーカルを楽器の一部として捉えるのは、それでありだとは思うが、今日は声がうまく楽器の一部として機能していなかった。バランスがいろんな面で悪い。音楽的方向性をもう少しフォーカスしたほうがいい。

トミーもドラマーとして、また、ベース奏者もピアノ奏者もみな実力はしっかりしていて、トリオ個々の演奏はまったく問題ないのだが、ユニットとして固まっていない感じ。

通して印象に残ったのは、グリニスが歌った「ムーディーズ・ムード」のところだった。所々スティーヴィー節になっていて、グリニスの声、曲はスティーヴィー曲に向いているのかな、と改めて思った。しかし、試行錯誤というのは、発展へ不可欠のものだ。ぜひ、がんばってください。

Tommy Campbell(ds)’s “VOCAL SESSION BAND”
トミー・キャンベル“ヴォーカル・セッション・バンド”
Tommy Campbell(ds), Glynis Martin(vo), Yuki Yamaguchi(vo), Kei Shibata(p,key), Gregg Lee(b)

Setlist

First Set

show started 17:44
01. (Inst)
02. Don’t You Know Me By Now
03. Dream Life
04. Cheek To Cheek
05. Heaven’s Design
06. Just For Fun — A Rif of “Goodtimes” — A Rif of “Golden Lady” — A Rif of “I Want You Back” — Just For Fun
show ended 18:59

Second Set

show started 19:55
01. Malibu (Instrumental)
02. Selfish Fellow
03. Stompin’ At The Savoy
04. I’m In The Mood For Love — Moody’s Mood For Love
05. Love For Sale
06. The Gotooze
Enc. Bye Bye Blackbird
show ended 21:08

(2006年5月3日水曜、モーションブルー=トミー・キャンベルズ・ヴォーカル・セッション・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Campbell, Tommy
2006-90

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