2011年06月22日(水) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

◎マリーナ・ショウ・ライヴ~粋とクラスのドリーム・チーム

テーマ:ライヴ評・レポート
◎マリーナ・ショウ・ライヴ~粋とクラスのドリーム・チーム

【Marlena Shaw : With Bitch’s Band; Dream Team, In A Class By Itself】

余裕。

まさに余裕のステージだ。4000CCクラスのマセラッティのようなスーパーカーが、東名高速あたりを、アクセルを1センチも踏み込まずに、しかしそれでいてすーっと追い越し車線を華麗に走り抜けていく。そんな超一流たちの余裕の走りを見せてもらった。マリーナ・ショーとその通称「ビッチ・バンド」。彼女は「ドリーム・バンド」と呼ぶ。2009年にこのラインアップで登場して以来、3年連続の来日。

前回記事でも書いたが、超一流のプレイヤーたちを一堂に集める、これは本当に企画の勝利。そしてそれぞれがきちんと持ち場を守り、やるべきことをやっている。

今回のステージでは、気のせいか、デイヴィッドTの出番が多かったような気がした。そして、一瞬立ち上がって、右手をプレイした後、上に上げる。あんなパフォーマンス、今までやっていたっけ? のりのりだ。彼のソロ部分がどの曲にもフィーチャーされていた。ポロロロ~と来るあの独特のデイヴィッド節、そして、マリーナがなにかを話すときに、静かにバックで流れるラリー・ナッシュのピアノ。どれをとっても、どこをとっても、粋、クラス(品)がある。

ドラマーのハーヴィー・メイソンとマリーナの語りで始まる「ストリート・ウォーキング・ウーマン」。あの曲のイントロのやりとりが、ステージで再現される。もちろん、若干のアドリブで、違ったセリフも飛び出る。

男「どんな仕事をしているの?」 女「社会サーヴィスみたいなものね」 男「何か奢らせてもらえないかな」 女「(シャンパーンの)マグナムをお願い」 男「今日はね、僕にとってお祝いの日なんだ」 女「へえー、どんな」 男「結婚記念日なんだ」 女「それを一人で?」 男「僕には25ドルしかないんだ…」 女「じゃあ、楽しんで…」

この日はいつになくみんな乗っているようで、マリーナもデイヴィッドも、ごきげんだ。特に、ラリーに声をかけ「ムーディーズ・ムード」の一部を即興でちょっとだけ歌ったのは、おもしろかった。

前回のライヴ評でも書いたが、マリーナは1942年9月22日生まれの68歳、デイヴィッド・T・ウォーカー、1941年6月25日生まれの69歳。(今週土曜で70歳) ハーヴィー・メイソン、1947年2月22日生まれの64歳、チャック・レイニー、1940年6月17日生まれの71歳、(ラリー・ナッシュだけ誕生日不明。1952年頃の生まれ59歳位と推定)、みんな1974年、37年前は30歳代だった。ステージの上の平均年齢は60代半ば。30年以上前のレコーディング・セッションが、今でもほぼ同じメンバーでできるなんて、これもまた夢のような出来事ではないだろうか。

いつも思うが、この時代のミュージシャンは、ステージこそ人生という感じが強くする。ジャンルは違えど、ジェームズ・ブラウンもBBキングも、チャック・ブラウンも、もちろん、マリーナも。スタイルを持っていると強い。

ハーヴィーは、「マリーナとのギグは、イージー(簡単)だよ」と朝飯前風に語っていた。ま、余裕だ。

デイヴィッドとライヴ後、ちょっとだけ会った。「今週25日誕生日でしょう。お誕生日おめでとう」というと、「今年でHundred seventy(170)歳になるんだよ」とジョークを飛ばしてくれた。

■ マリーナ・ショー、ライヴは東京、大阪で今週・来週

東京は6月26日(日)まで。23日を除く
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=7651&shop=1

大阪は6月28日(火)~30日(木)まで
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=7652&shop=2

■『フー・イズ・ディス・ビッチ・エニウェイ』(1975年の名盤、録音は1974年)

フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ
マリーナ・ショウ
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■マリーナ・ショウ過去記事

2009年08月03日(月)
マリーナ・ショウとドリーム・チームによるドリーミーな夜
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10312956175.html

2003/12/08 (Mon)
Marlena Shaw: Storyteller Tells Her Own Story
ストーリーテラー。
http://soulsearchin.com/soul-diary/archive/200312/diary20031208.html
ちょっとしたインタヴュー記事。

2003/12/05 (Fri)
Marlena Shaw: What A Wonderful Her World
自由自在。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200312/diary20031205.html
ライヴ評。

■ デイヴィッド関連記事

2010年12月27日(月)
デイヴィッド・T・ウォーカー、『ソウル・ブレンズ』に登場(パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20101227.html

2010年12月14日(火)
デイヴィッド・T・ウォーカー~ギターの匠・人間国宝
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20101214.html
(ここに過去関連記事一覧があります)

■デイヴィッド・T・ウォーカー・アンオフィシャルウェッブ (デイヴィッドに関するウェッブでは世界一詳しいものです)
http://homepage2.nifty.com/ueb/davidt/

■メンバー

マリーナ・ショウ
featuring チャック・レイニー / デイヴィッド・ T ・ウォーカー
ハーヴィー・メイソン / ラリー・ナッシュ

Marlena Shaw
featuring Chuck Rainey(Bass) / David T. Walker(Guitar) / Harvey Mason(Drums) / Larry Nash (Keyboards)

■セットリスト マリーナ・ショー 2011年6月20日(月) ビルボードライブ東京
Setlist:  Marlena Shaw, June 20, 2011, Billboard Live Tokyo

Show started 21:36
01. You’ve Been Away Too Long
02. Street Walking Woman
03. Davy
04. Rose Marie (Mon Cherie)
05. Feel Like Making Love
--. A riff of Moody’s Mood
06. Mercy, Mercy, Mercy
07. I’m Your Friend
08. You Taught Me How To Speak In Love
09. Woman Of The Ghetto
Enc. A riff of Give Up For Funk
Enc. Loving You Was Like A Party
Show ended 22:53

(2011年6月20日月曜、ビルボードライブ東京、マリーナ・ショー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shaw, Marlena
2011-81

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