2011年03月26日(土) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

◆ニューヨーク・タイムズの震災写真~「ソウル」の二重露光

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◆ ニューヨーク・タイムズの震災写真~「ソウル」の二重露光

【Photographs Of New York Times: Double Exposure Of “Soul”】

写真力。

大震災のニュース記事同様に膨大な量の写真が日本の新聞や雑誌にも載っている。テレビやユーチューブには、これまた膨大な量の津波映像などもある。もちろんすべてを見ているわけではないが、そんな中で、ニューヨーク・タイムズ紙が集めた写真がどれも秀逸だ。この中には日本のメディアやフリーランスの日本人フォトグラファーのものも多数含まれる。これを見ていると、報道写真の力強さを感じさせられる。そのあたりを考えてみた。

まず、ニューヨーク・タイムズ紙の写真は次のファイルにある。(遺体などの写真も含まれますので、ご注意ください)

http://www.nytimes.com/interactive/2011/03/12/world/asia/20110312_japan.html?scp=1&sq=earthquake,%20japan,%20photo&st=cse#1

ここには、2011年3月11日以来毎日写真が追加されており、25日午後5時現在で計212枚のカラー写真が掲載されている。トップページでは、最新の写真があり、右端の→ボタンを押すと、順に古いものになっていく。写真の下に英文で小さな文字だがキャプション(説明)が付けられている。横に撮影者のクレジットもある。

中には日本の新聞ではお目にかかれない多数の棺や、ブルーシートに包まれた遺体もある。そうした写真は、圧倒的な力で見る者を圧迫する。大惨事が、小さな悲劇の集合体であることが、その小さな悲劇を切り取ることによって別のアングルで浮かび上がる。

$吉岡正晴のソウル・サーチン-20110313JapanNYTimes $吉岡正晴のソウル・サーチン-NYTimes2

左・March 12, 2011
In the aftermath of the tsunami, a woman sat amid the debris in Natori.
Toshiyuki Tsunenari/Asahi Shimbun, via Associated Press

右・March 22, 2011
A boat sat atop a building in Otsuchi, Iwate Prefecture.
Hiroto Nomoto/Yomiuri Shimbun, via Associated Press
(このブログでは画素数が落ちてしまっているので、迫力がありませんが、オリジナルのリンクで大画面で見るとかなり迫力があります)


ビートたけしが、「この震災を『2万人が死んだ一つの事件』と考えると被害者のことを全く理解できない。そこには『1人が死んだ事件が2万件あった』ってことなんだよ」と言ったという。その通りだと思う。我々もふとテレビなどの震災死者数報道などを見ていると、2万人が死んだ震災と思ってしまいがちだ。1人の死が2万件はとてつもなく重い。いわば2万の物語、ドラマがあるのだ。

すぐれた報道写真は、1万文字書いても語りきれないものを、瞬時に人々に語りかける。ただのスナップと力を持った写真の違いだ。

おそらくニューヨーク・タイムズの写真は世界中のフォトグラファーが撮影した何万枚という写真の中から、目をサラのようにして選んでいるのだろう。写真力のある作品だ。

二重露光。

これだけの写真を撮影できるポイントは何か。

ストーリーやテーマがあるかどうか、被写体を撮影する写真家にしっかりとした物事の見方、確かな洞察力があるか、フォーカスする視点が明確か、などが大きなポイントだと思う。それが結局、写真に現れるのだろう。写真がひとつの媒体であるだけでなく、作品として昇華されているかのようにも感じられる。

一方、テレビやユーチューブでの映像は、あまりにリアルすぎる。本当のことがリアルタイムで起こっていて、生の感覚が見ている側に直接伝わってくる。それを見ていると、本物感が強烈なだけに、見ていても救われない感じがしてくるのだ。

ところが、これらの写真を見ていると、たとえそこに遺体が映されていても、ある意味、なぜか救われる感じがする。これはなぜなのだろう。よくわからない。

10分の動画よりも、たった1枚のスチール写真のほうが胸の奥にささる場合がある。

ニューヨーク・タイムズの写真は、報道写真とは何か、という根源的な問いを投げかけているような気もしてくる。

たぶん、ここにある写真群は、フォトグラファー(写真家)たちの「ソウル」と、被写体である悲しみと絶望の人々の「ソウル」という二者の「ソウル」が二重露光(ダブル・エクスポージャー)されて、映された写真ゆえに力を持っているのだと思う。

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コメント

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1 ■無題

今回の記事のコメントではないのですが、アメリカでマドンナ達が数名でチャリティーCDをつくると聞きました。日本でも買えるのでしょうか?詳細がわかったらぜひ教えてください。

2 ■Re:無題

>まいこーさん

まだ詳しいことはわからないのですが、情報を入手したらご紹介します

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