2011年02月08日(火) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

★△プラネットC(癌惑星)を歩いて ナイル・ロジャーズ著 第18回~第19回

テーマ:Walking On Planet C
★△プラネットC(癌惑星)を歩いて ナイル・ロジャーズ著 第18回~第19回*

【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】

『プラネットC(癌惑星)を歩いて』 ナイル・ロジャーズ著

闘病記。

ナイル・ロジャーズの癌闘病記、2月2日から3日までの2日分、写真・キャプション付き。

(写真に関しては、ソウル・サーチンのメインサイト http://ameblo.jp/soulsearchin/ をごらんください)

(このブログは、ナイル本人の了承を得て、日本語に翻訳し、写真なども同じものを掲載しています)

【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】

第18回 オールド・スクール(古くてもスタイルのあるもの、古典)とオールド(古臭い、時代遅れ)の違い

#18 Old-School or Just Plain Old?

Written on Wednesday, 02 February 2011 05:00 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 02 February 2011 19:00)
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/243-walking-on-planet-c-old-school-or-just-plain-old

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十代からの親友であり、癌のサヴァイヴァーであり、かかりつけのマイ・ドクター・ハリス

僕の友人、ハリス医師が今日一緒にウォーキングにつきあってくれた。彼も癌サヴァイヴァーだ。ほんの数ヶ月前、癌が僕を襲ってきたとき、彼はこの病気から生まれる様々なタイプの恐怖について語ってくれた。そのときの話の最後に彼はこう言ったのだ。「ようこそ、プラネットC(癌・惑星)へ」

彼とは十代の頃から知り合いで、お互い趣味が似ていた。僕たちはロバート・レッドフォードが、彼のCIAの仲間が暗殺されるシーンを目撃する映画『スリー・デイズ・オブ・ザ・コンドー(Three Days Of The Condor) 邦題コンドル』の舞台となった廊下を歩いた。この映画が撮影されたアンソニア・ホテルの裏手でその仲間が殺される。

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『コンドル』の舞台となったアンソニア・ホテルの裏手

それから、ちょうど見逃した古書・レコード店ウェストサイダー・レコードに寄ろうと言った。中に入ったのは初めてだったので、僕たちは一番奥まで行った。 パオ! その瞬間、眠っていた自分のヴァイナル・マニア(レコード・マニア)の血が騒いだ。そこには何千枚というアナログ盤があった。天国にいるようだった。わが友は、デイヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」のアルバムと12インチ盤の2枚をつかんだ。僕も、どちらも友人のエルトン・ジョンとジャクソン・ブラウンのアルバムを見つけた。この宇宙の中で、子供時代と大人時代が重なりあった。

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ジョン・コルトレーン=オールド・スクール、ジャクソン・ブラウン=友人の一人

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「グッド・タイムス」、あの頃のよき時代、オールド・スクールと、ただのオールドの違い

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左・エルトン・ジョン=友人の一人 右 エルトン・ジョンの名盤『キャプテン・ファンタスティック』

ほんの数ヶ月前、ある男が「オールド・スクール(古いタイプながらスタイルのあるもの、古典)」とシンプルな「オールド(古い、古臭い、時代遅れの)」の違いは何かと僕に尋ねてきた。そこで、僕は彼にオリジナルズの「ダウン・トゥ・ザ・ラヴ・タウン」のリンクを送った。この店には他のオールド・スクール(古典)の例も取り揃えていた。ジョン・コルトレーン、ビリー・モリデイ、マリリン・モンローだ。僕はモンローがアルバムをレコーディングしていたことさえ知らなかった。アート(芸術)がクラシック(古典)であれば、それは時代を超える。

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左・決して古くならないオールド・スクール、オリジナルズの「ダウン・トゥ・ラヴ・タウン」右・これももちろんクラシック=時を越えるオールド・スクール、ビリー・ホリデイ

僕の体が癌に急襲されたとき、僕には時間があまり残されていないと思った。音楽をプレイする気力さえも失い、これからやるべきことは、もうすでにやりつくしてしまったようにも思えた。根治手術を受け、少しずつ回復の兆しが見えてきた。これが、オールド・スクール(古いスタイル、しかし、今でも聴けるもの、古くても生き残るもの)と、シンプルに古い(古臭い、時代遅れになって消えてしまうもの)ということの違いだ。

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Walking on Planet C
#19Ice Ice Baby アイス・アイス・ベイビー

Written on Thursday, 03 February 2011 05:00 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 03 February 2011 19:00)
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/244-walking-on-planet-c-ice-ice-baby

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72丁目、セントラル・パークの入口。道は凍結中。

今日はものすごく寒く、路面は黒く凍結していた。風の強い歩道を、ほとんど足を上げることも出来ずに、転んでお尻をうちつけることを恐れながら、横滑りして歩いていた。僕は音楽プレイヤーを持ち歩かない。僕の脳内プレイリストに膨大な量があるからだ。その状況に応じて、曲は瞬時に変えられる。僕はちょうどヨーコ・オノの自宅を通りすぎるときに、彼女の「ウォーキング・オン・シン・アイス」を歌い始めた。僕はセントラル・パークに午前7時前に入った。人気(ひとけ)はなく、僕は頭にも来ていない。外にでるための大義名分があるのだ。

根治手術を受けたばかりで、回復への道のりは厳しい。何かを成し遂げるためには、そのために大変な努力が必要だ。僕の体制の中枢は歩くことを命じている。今日、セントラル・パークの道はとても滑りやすかったので、慎重に歩かなければならなかった。

僕は黒人ヴァージョンの『オズの魔法使い』からの「イーズ・オン・ダウン・ザ・ロード」を歌い始めた。映画の中ではこの曲をマイケル・ジャクソンとダイアナ・ロスが歌った。この二人とは別々に仕事をしたことがある。僕はこうした素晴らしいずば抜けた才能の持ち主たちと関係を持てることに大いに感謝している。マイケルやダイアナの周囲にいると、いつでも、お互いいっしょにいられるのがとても嬉しい。僕がマイケルのアルバム『ヒストリー』をかけると、僕たちは仕事そっちのけで、話し込んだ。ツアー・バスで出た1973年という古き良き時代を思い出して笑った。

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左から、ウィズ、マイケルの『ヒストリー』、ダイアナ・ロス『ダイアナ』

僕は凍り、僕の脳内DJは、フォーリナーの「コールド・アズ・アイス」をかけだした。シックとフォーリナーは、アトランティック・レコードのレーベル・メイトで、お互い最大の成功を収めていた。みんなは、このレーベルのオフィースがあったロックフェラー・プラザ75番地は、我々が家賃を払っていると噂していたものだ。我々のレーベルのCEOは、アーメット・アーテガンだった。彼は「ロックン・ロール・オブ・ホール・オブ・フェイム」(ロック殿堂)を創設したメンバーの一人だった。両バンドとも彼のレコード会社に所属し、長い間、殿堂入りできる有資格者だったが、どちらのバンドも殿堂入りを果たしていない。少なくともシックは6回もノミネートされた。ときに、物事は論理では理解できないものだ。医師が癌を発見する以前、あらゆる検査で、僕は健康的な男だと診断されていた。だが、ひとたび癌が発見されると、それはもはや急を要するものになっていた。

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左から「ロックン・ロール殿堂」、殿堂入りできなかったフォーリナー、同じく殿堂入りできなかったシック

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左・シック、右・アーメット・アーティガン

Walking On Planet C>18, Old-School & Just Plain Old, 19 Ice Ice Baby

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