2010年09月19日(日) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

○YMN参集~松尾潔・中田亮・吉岡正晴~YMN納涼ソウル放談(パート5)

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○YMN参集~松尾潔・中田亮・吉岡正晴~YMN納涼ソウル放談(パート5)

【Yoshioka, Matsuo & Nakata: YMN Summit: Dinner With Soul Talking (Part 5)】

(昨日からの続き)

ソウル放談。

2010年8月2日から4日まで3回にわたってお送りした「YMN参集・ソウル放談」のパート4を昨日お届けしました。今日は、パート5。松尾さんの隠された過去、彼がクインシーから学んだこと、『ソウル・トレイン』とYMOの話など、話は尽きません。

パート1から4までは、こちら。

2010年08月02日(月)
YMN参集~松尾潔・中田亮・吉岡正晴(パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100802.html

2010年08月03日(火)
YMN参集~松尾潔・中田亮・吉岡正晴(パート2)~マーヴァ・ホイットニーが語るジェームス・ブラウン
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100803.html

2010年08月04日(水)
YMN参集~松尾潔・中田亮・吉岡正晴~YMN納涼ソウル放談(パート3)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100804.html

2010年09月18日(金)
YMN参集~松尾潔・中田亮・吉岡正晴~YMN納涼ソウル放談(パート4)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100918.html

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■中田氏はAIの大ファン

吉岡。「ところで、中田さん、さっき、(日本のR&Bシンガー)AIが大好きだって言ってましたよね」

中田。「そうなんですよ」

松尾。「AIちゃんが、デフジャムからデビューしたって思ってる人、多いですよね。もともと勝本さんのとこから出てきたってこと知らない人も多いですよね。本人は何も隠してないけど、BMGから出たこと、ほとんどなかったような形になってる。(笑) (オーサカと)セッションとかはやってないんですか?」

中田。「(セッションは)やったことないですねえAIちゃん個人的に大ファンなんです、すごい好きですね」

松尾。「(セッション)やればいいのに!」

吉岡。「ほんとほんと、やればいいのに! 電話しようか?(笑)」

松尾。「オーサカ=モノレールの音にものすごくあうと思うなあ。まあ、アルバムの中に1曲とかあってもおかしくないよねえ。双方リスクもないし」

中田。「(笑) 日本人で、こんな言い方したらおかしいかもしれないけど、ほんまにいいなあ、ちゃんと声でてるしって思いますね」

松尾。「彼女は、デビュー前にメアリー・J・ブライジのステージに参加したりやジャネットのPVで踊ってたりしたからね。歌が歌いたんだけど、そこにたどり着くまでに踊って、ラップして、歌まで行ったっていう。すごいバイタリティーの持ち主ですよね。僕は、だから彼女のことを(日本の)クイーン・ラティーファって呼んでるんですけど。(笑)」

吉岡。「うまい!」

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■役者から音楽プロデューサーへ: 松尾さんの隠れたる過去とクインシーから学んだこと

松尾さんも多くのブラック・ミュージック界のアーティスト、プロデューサーに会ってインタヴューをしている。その中で、クインシー・ジョーンズに会ったときのことは、彼のキャリアの中で大きなターニング・ポイントになった。この時のことは、彼が一度BMR(ブラック・ミュージック・レヴュー)誌に寄稿している。

松尾。「20代の頃、初めてクインシーに会ったとき『あなたは音楽とビジネスをうまく両立されてきましたけど…』と、少し揶揄するような物言いをしたんですよ。そうしたら、クインシーの目の色がキッと変わってね。『オレはミュージックとビジネスではなく、“ミュージック・ビジネス”を一貫してやってきたんだ、このふたつを分けて考えることなんてできないんだ』ってきっぱり言われてね。『わかったか、ヤング・マン』ですよ。日本語にしたら、『わかったか、若造』って感じですよねえ。マジでビビりました。怖かったなあ。(笑)でも、こういう人がいるってことは、音楽プロデュースこそ男子一生の仕事、とその時思ったんですよ」

さらに続く。「僕は一時期、20代前半の頃、大橋巨泉さん系の事務所に預かってもらったりして、音楽の仕事もしたいけど、メディアの仕事もしたいなって思ってたこともありましてね。巨泉さん自身がもともとジャズ評論家で『ビリー・ホリデイ自伝』を訳したりしているわけだから…」

吉岡。「(その事務所で)何やってたの?」

松尾。「前、話しませんでしたっけ。(笑) 役者としてちょこっと映画に出たこともありましたよ。巨泉さんと親しい河野洋さんという放送作家の大御所がいらして、その方の奥さまが女優の藤田弓子さんなんですよ。彼女に『松尾くんは役者の目をしてる、音楽のお仕事もいいけど役者のほうに向いてるんじゃない?』って言われて、ちょっとその気になったんですが(笑)、当然そんな才能もないし、何より音楽のほうが好きでね。音楽のほうが好きなんだけど、音楽の仕事やっても食えるのかなあ、っていうのがあって、バブルもはじけて景気もどんどん悪くなってきて。大学時代の話です。藤田弓子さんのお嬢さんが当時ラジオDJをやられてて、僕はbay-fm(千葉県のFM局。東京などでも一部で聴ける)で一緒に番組やってたんです。その彼女から『うちのお父さんがあなたのこと気に入りそうだから紹介する』と河野さんを紹介されたんです。でも、河野さん藤田さんご夫妻とは2、3年くらいで縁遠くなっちゃうんですが。ところが、そのbay-fmでやってた番組を(渡辺)祐(わたなべたすく)さんが聴いてくださってて。祐さんはBMRの愛読者でもあり、その文章から絶対に自分より(松尾さんのことを)年上だろうと思ってたらしく、でも、ラジオ聴いたら松尾潔ってのはチャラチャラした若者っぽくて、これはほんとに同一人物なのかってことで、『一度会っていただけませんか』って連絡をいただいたんです」

松尾。「会って、意気投合して。よくよく話を聞いてみれば祐さんは大学の先輩、彼の事務所(Do The Monkey)のもうひとりの看板だった川勝正幸さんは僕の高校の先輩ってこともわかり、こりゃご縁があるなってわけで事務所に入ったんですけど。ところが、祐さんの事務所は、どちらかというと文章を書く編集がメイン。だんだん僕の関心が音楽制作のほうに移ってきたんですよ。僕自身がシカゴのスティーヴ・シルク・ハーリーとかニューヨークのゴードン・チェンバースと知り合って、日本のエージェントになってくれ、なんていわれるようになってきたし。じゃあ、エージェントになろうかっていうときに(事務所には)僕のほかに英語ができるスタッフはいない。こりゃ環境変えるタイミングかなってことで辞めたわけです。結局ここも2年足らずで」

松尾。「その頃、NHKのBSが始まったばかりだったんで、けっこうゆるかったんで、いろいろ企画出しましたよ。エディー・マーフィー・インタヴューとか、ミネアポリスに行ってペイズリー・パークで自分でカメラ回して撮ってくるとかやりましたね。ジェシー・ジョンソン追っかけ取材とか。さすがにNHK的にボツになりましたけどね。(笑) NHK-BSでは『エンターテインメント・ニュース』というエンタメ系情報番組のキャスターを3年くらいやらせてもらいました」

吉岡。「ええっ、ジェシー・ジョンソン、僕もインタヴューしたよ。今は亡きアドリブに記事書いた。あの頃のアドリブはよかったなあ(笑)」

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■ テレビ番組『ソウル・トレイン』放送の選定とYMO

松尾。「ま、長い目で考えれば、それが今のNHK-FMの番組(『松尾潔のメロウな夜』=毎週水曜夜11時~12時)につながるわけですが。それで、これは祐さんからのご紹介なんですが、(テレビ番組)『ソウル・トレイン』の構成をやらせていただくようになって、LAのユニヴァーサル・スタジオにブラザー・コーンさんと行って、番組収録中のドン・コーネリアスにも会えたんですよ。僕、けっこう自分の仕事、書いたものとか出たものとか、ぜんぜん保存してないんですけど、LAのスタジオにドンに会いに行ったときの特番があって、それ、僕の手元にもないんですけど、新宿2丁目の(ソウル・バー)『ソウル・ジョイント』でたまに流れてるらしいですよ。(笑)」

中田。「僕は、学生で毎週見てましたよ。あれは、全部を放送してたわけじゃないでしょう。どういう基準で選んでたんですか」

松尾。「あれは、渋谷陽一さんが選んでたんですよ」

吉岡・中田。「へええっ、そうなんだ」(驚く)

吉岡。「僕はJUN(当時大人気の男性服ブランド)提供で12チャンネルでやってたころの映像、かなりベータ(のビデオ・テープ)で持ってますよ。あ、でも、ベータの機械10年以上動かしてないから、動くかなあ…。その後がTBSか。あれ、逆か?」

松尾。「YMOや久保田利伸さんが出た『ソウル・トレイン』は、ユーチューブとかにでてるんですかね」

中田。「あります、あります。YMOは見ました。英語でのやりとりにすごく困ってる3人っていうのが、ものすごく印象に残ってます。(笑)」

松尾。「たとえば、僕は、あの頃、小林克也さんを名義上のメンバーにでもすればよかったんじゃないかと思いますね。テレビとかメディアに対応するときだけでもね。そうすれば海外で英語のやりとりも問題なくできて、もっとアピールできたんじゃないかと」

中田。「そうですね、確かに、英語がしっかりしゃべれる人がいたら、ちがったかもしれませんね。歌詞の面ではピーター・バラカンさんが入ってちゃんとやってましたもんね。さすが、そういう視点がプロデューサーだなあ。(笑) 勉強になるなあ。(笑)」

松尾。「当時のブラック・ミュージック・シーンは、ほとんどシングル・ヒットで、それもラジオから生まれるという時代でしたよ。アルバムなんて持ってる人はほんの少数でしたよ」

中田。「せっかく、『ソウル・トレイン』に出るときに、がつっと小林克也さんが出てしゃべってたら、もっとアメリカでもヒットしてたかもしれないですよね。アメリカでブレイクしてたら、大変なことになってたでしょうね。クラフトワークなんて、ある程度売れたわけだから」

松尾。「そういう意味でいえば、今言ってもしょうがないんだけど、売り逃したところもあるんじゃないかなあ…」

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