2010年04月18日(日) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

○中国政府クチパクを禁止~クチパク歌手に初の罰金

テーマ:ニュース関連
○中国政府クチパクを禁止~クチパク歌手に初の罰金

【Lip-Synch Ban For China】

厳罰。

ロイターなどの外電によると、中国政府は、ライヴ会場でのいわゆる「リップ・シンク」(クチパク)を禁止することになり、その条例にならって、昨年成都(チョンドゥ)で行われたライヴでクチパクで歌った無名のシンガー2人Yin Youcan と Fang Ziyuanにそれぞれ5万元(約7300ドル=70万円)を課した。そのライヴでは、マイクから信号がでていなかった、という。同条例で罰金が課せられたのはこれが初めて。主催者は2人はダンサーであり、現在所在を確認できないとしている。

2年前(2008年)の北京オリンピック開会式でのクチパクが問題になり、中国は2008年12月からテレビショーなどでのクチパクを禁止し、テレビ局は、「本物のシンガー」による「健全な歌詞」を歌うことを要求されている。当局によると、2年間の間に2度クチパクが確認されると、プロフェッショナル・パフォーマーのライセンスを剥奪するという。

オリンピックの開会式では、実際にテレビに映った子供のシンガー(9歳Lin Miaoke)が、事前に録音した音源にあわせてクチパクをしたことが、後に発覚した。ところがさらに、この事前に録音されていた音源(世界に流れたもの)自体も、まったく別の歌手(7歳Yang Peiyi)が歌っていたことが発覚。二重に批判を浴びた。もともと歌ったシンガーは、ルックスがよくなく、世界へのテレビ中継にはふさわしくないと当局が考え、見栄えのよいシンガーに変えたという。

中国内でもこの措置に対しては、「もっと有名なシンガーでクチパクをしているのがいるのだから、そっちが先だろう」といった意見も出ているようだ。

現在、中国は、まもなく始まる万博に向けて、西側向けのアピールを強めており、上海ではアパートから洗濯物を出すことを禁止するなど、さまざまな禁止措置を取り始めている。

■ ロイターの記事 2010年4月12日配信
http://www.reuters.com/article/idUSTRE63B4JQ20100412

■BBCニュースのサイト。北京五輪開会式で歌ったとされる2人の写真が掲載されています。(2008年12月8日付け)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7765580.stm

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クチパクの功罪

【Merits And Demerits Of Lip Synching】

功罪。

水曜日(4月14日)の朝、ケイリブが電話してきた。何かと思ったら、「中国でクチパクが禁止になったニュース見たか? 信じられるか? おもしろいだろ。このニュースを見て、まっさきに知らせたいと思ったのが、君だよ」と言う。ケイリブは以前から、ライヴではリアル・ミュージシャンが実際に演奏し、リアル・シンガーが実際に歌うことが当然で、クチパクはけしからん、という立場だった。つねに、自分のライヴでも「Support live music and live musicians(ライヴ音楽とライヴ・ミュージシャンをサポートして)」と口をすっぱくして言っている。もちろん僕も同意で、それを最大限応援している。そんなわけで電話してきたのだろう。ケイリブはCNNのアンダーソン・クーパー(Anderson Cooper)のところで、このニュースを見たという。

しかし、あらゆる意味ですごいニュースだ。よく考えてみると、クチパクを法律で禁止して、罰金を課すというのも、どうなんだろう。(笑) 中国という国はなんだかなあ、という感じもする。もしこれがきっちり守られたら、日本やアメリカの歌手で中国でも人気のある人たちが、中国公演するときなんか、どうなるんだろうか。それとも、事前にそれを告知すれば、免責になるのだろうか。

しかし、現行犯でなくて、どうやって事実を証明するのだろう。仮に、現行犯だったら、その場で、あるいはライヴが終わった直後かなんかに、「今、君はクチパクだったね。現行犯逮捕!」とかになるのか。(笑) 日本で駐車禁止やスピード違反に捕まるようなものなのだろうか。今回の罰金は、昨年のそのショーでマイクから信号がでていなかったために、クチパクだったと認定したそうだが、現行犯でなく、それって証明できるのかなあ。

もちろん、歌はリアルにライヴで歌ったほうがいいに決まっているが、激しく踊りを見せるパフォーマーなんて、別にクチパクでも、トータルのショーがよければ、それもありかな、とも思う。パフュームの3人が別にクチパクだって、あれだけ踊って見せてくれれば、トラックがカラオケでも、誰も文句は言わない。ジャネットだって、あの激しいダンス曲が仮に一部クチパクでもいいだろう。ただし、バラードはちゃんと生で歌って欲しいと思うが。

歴史に残るクチパクといえば、マイケル・ジャクソンの『モータウン25』での「ビリー・ジーン」だ。別にクチパクを奨励するわけではないが、クチパクでも芸術性を高めれば、それも立派な作品になりうるということだ。

ただし、少なくとも、中国では「リアル・シンガー」「リアル・ミュージシャン」の時代がやってきた、ともいえるかもしれない。中国は一歩進んでいるのか、それとも一歩遅れているのか。歴史に判断してもらうしかない。

(訂正)ツイッター速報では、「北京オリンピック開会式で歌ったシンガー(と、その替え玉)2人に各七千ドルの罰金を課す」と書いてしまいましたが、今回罰金になったのは、昨年のライヴでの別のシンガーでした。五輪シンガーは罰金になっていません。お詫びして訂正します。

ENT>NEWS>

コメント

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1 ■進んでるのか遅れてるのか

中国はほんとにわかりませんね。
確かに全ての曲を生で歌って聴かせて欲しいとは思いますが、激しいダンスナンバーの時に歌が聴こえないと言う状況よりも、全体的に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるほうが私はいいですけどね。
そんなん言ったらこれから日本のアイドルグループなんて中国では公演出来なくなるんでは?

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