2009年10月29日(木) 02時25分56秒 soulsearchinの投稿

☆『ディス・イズ・イット』~夢と冒険に溢れる2時間

テーマ:マイケル・ジャクソン関連
(映画内容が出ます。これからごらんになる方はご注意ください)

☆『ディス・イズ・イット』~夢と冒険に溢れる2時間

【This Is It, This Is It, This Is It】

冒険。

夢にあふれるシンガーがいる。夢にかけるミュージシャンがいる。そして、夢を追い続けるダンサーがいる。彼の元に集まるアーティストたちは、みな、大きな夢を持ってオーディションにやってくる。オーストラリアから、オランダから、ヨーロッパから、全米から。冒頭、ダンサーのオーディション・シーンが出てくる。彼らは、マイケル・ジャクソンというアーティストとステージを共にしたいという強烈な夢を胸に秘め、世界から集まってきた。何百人の中から選ばれた十数名の精鋭たち。彼らの目の輝きの素晴らしきこと。

2009年4月から6月にかけて行われた、マイケル・ジャクソンの『ディス・イズ・イット』コンサートのリハーサル模様を編集した音楽映画『ディス・イズ・イット』(監督・ケニー・オルテガ)が2009年10月28日から公開された。ドキュメンタリーではあるが、僕は彼のステージを見ているかのような錯覚に何度も陥った。マイケルのライヴが、スクリーンで繰り広げられている。たまたま実際のステージ(3次元)ではなく、平面(2次元)のステージだが、マイケルのオーラとソウルは、観客に否が応でも飛び出してくる。

第一の感想は、何でこれだけ元気にステージ狭しと動いているこのスーパースターが、6月25日に亡くならなければならないのかという大きな疑問だ。なぜ、一体何が起こったのか。

もうほとんど完成しているではないか。もちろん、リハーサルだから「声をセーヴする」マイケルもいるが、プロダクションは8割方出来上がっていると言える。前半部分は何度もリハを重ね、その記録映像も多くのテイクが残っている。だが、最後の「ビリー・ジーン」や「マン・イン・ザ・ミラー」はほとんど1テイクのみが披露される。おそらくまだ何度も何度もやっていなかったのだろう。「ビリー・ジーン」に限って言えば、まだ6割ぐらいの完成度だが、それでもおもしろい。

曲によって完成度がそれほどでなかったとしても、マイケルはじつにかっこいい。マイケルの踊りの切れもいいし、ダンサーたちも素晴らしい。ミュージシャンも、シンガーも。

マイケルの天才性を垣間見せるシーンが「スムース・クリミナル」であった。マイケルが客席側に向いていて、その後ろのスクリーンにモノクロの映像が流れている。それが終わったところで、歌に入るのだが、そのキュー(きっかけ)が後ろのスクリーンを見ていないとわからないのではないか、とオルテガがマイケルに言う。するとマイケルは、しばし考えて「感じるよ(I'll feel that)」と言い切った。天才だ。

今回、ライヴに付随して使われる映像がすごい。一番感動したのは、「アース・ソング」の密林と少女の映像。また、「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」から「ヒストリー」で使われる11人のダンサーで撮影したものを無限大にコピーした映像。そして、曲ごとの大仕掛けがすごい。映像、仕掛け、ダンス、歌…。すべてがひとつになった瞬間、このライヴ・コンサートは、日常からかけ離れた大冒険になる。これは、マイケルがステージ上で作り上げる2時間のアミューズメント・パークだ。マイケルも全力で夢をファンに与えているのだ。

完成度の高いライヴ・ステージであれば、それは何度でも見たくなる。「いい物は何度見てもいい」ということだ。この映画を見る者は、この本番8掛けのリハから一体どんな完成形が生まれるのか、イマジネーションを広げる。リハでここまでできていたら、本番ではどうなったのだろうか。そら恐ろしい。

マイケルはこのライヴに、「ヒール・ザ・ワールド(世界を癒そう、直そう、治癒しよう)」というメッセージを込めた。地球の温暖化で、地球が傷ついている。早く治療しなければ、だめになってしまう。誰かがやってくれる、ではなく、今、自分たちで始めようというメッセージだ。彼は4年以内にやらなければならないという。なぜ、4年と区切ったのだろうか。

一度4時からの試写を見て、9時から六本木ヒルズの東宝シネマでもう一度見た。ヒルズのスクリーンは満員。何曲か、曲が終わるところで、観客から拍手。映画が終わったところでも拍手が巻き起こった。

この映画は、後にも先にも、おそらく音楽史上唯一のリハーサルだけで一本の映画として完成した作品となる。本番を見せず、リハーサルだけの映像で、これだけの感動を与えられるなんて、宇宙に彼しかいない。

ビルボード誌によれば、アメリカでは好評であれば、2週間限定が延長される可能性がある、という。ぜひそうしてもらいたい。この作品は、人々を何度も映画館に引き寄せる強烈な「カルト・ムーヴィー」になる。

(映画『ディス・イズ・イット』~2009年10月28日から全世界で公開)

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ENT>ARTIST>Jackson, Michael
ENT>MOVIE>This Is It

コメント

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1 ■THIS IS IT

昨夜、初回を見ました。

リハーサルとはおもえない完成度が高い映画でした。
1回でいいから本番を見たかったですね。

また、見に行きます。

また、泣きます。

また、拍手します。

2 ■昨日見ました!

やっぱりマイケルはすごい人なんだと興奮し、笑い、泣き、感動しました。

私も「あと4年」と区切ったところが気になりました。
なぜなのでしょうか。

終わった後、吉岡さんにお会いして、新しい本の表紙も見せていただいた者です。楽しみにしてます!

3 ■『宇宙に彼しかいない』!!

映画、見てきました。
もう最初から、泣けてしかたありませんでした。

「ファンの皆は夢を見に来るから・・・」と言っていたマイケルのセリフどうりの、凄いセットと映像!

踊るマイケルのエネルギッシュなこと!

吉岡さんの『宇宙に彼しかいない』という言葉に、また泣けました


コンサートツアーが終われば、新しい何かを始めてくれそうだったのにと思うと残念です

4 ■今日、見てきました!

六本木で夜の会を見てきました。

ダンサーのインタビューで涙があふれ、ヒューマンネイチャーでも流れ、ビリージーンでも流れ、最後まで感動的でした。

まるで世界中の人が参加する追悼式にいるかのようでした。

吉岡さんの暖かいマイケルへの言葉でまた涙があふれています。

ありがとうございます。

5 ■しばらく身動きできませんでした。

京都では拍手はありませんでしたが、映画が終わり照明が灯っても、ほとんどの人がすぐには立ち上がらず、しばし静寂の時が流れました。みんな同じ気持ちなんだろうなあと思いながら、心地よい静寂に浸っていました。

いろいろな場面で、静かな声で的確な指示を出すマイケル… 興奮を表に出さず、常に静かな情熱をたたえながら穏やかな声で話すマイケルの声が心に残ります。
彼が生きていたら、これらの映像がどういう形になっていたのかわかりませんが、彼の突然の死は、神様がこういう形で「人間マイケル」の姿を世の中に伝えようとされたのではないかとさえ思えてきます。ほんとうに素晴らしかったです!

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