2009年09月06日(日) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

■西寺郷太・著『新しいマイケル・ジャクソンの教科書』、いよいよ発売

テーマ:マイケル・ジャクソン関連
【Nishidera Gota's Michael Jackson Book Will Be Released September 10】

渾身。

音楽業界屈指のマイケル・ジャクソン情報通であるミュージシャンであり、グループ、「ノーナ・リーヴス」のリード・シンガーの西寺郷太さんが書き下ろしたマイケル・ブック『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』(ビジネス社=1900円+税)が2009年9月10日発売される。

昨日、本人と会い、一足先にその渾身の著作をいただいた。しかも、ご本人の「ヴィクトリーからすべてが始まりました」というサイン付きで。ありがとうございます。まだ全部は読めていないが、さっそく感想を。

版型はいわゆる四六版(約130mmx188mm)で写真を除いて320ページ。『マイケル・ジャクソン観察日誌』(小学館)と同じ。しかも、よく見たら、ページ数までちょうど320ページで同じだ。(笑)

マイケル・ジャクソンの生涯を6章に分けて、詳細な信頼できる一次情報を元に丹念に描いている。ひじょうに安心して読めるマイケル・ジャクソン物語だ。

第一章は1958年から1968年までのモータウン・デビュー前まで。第二章は1969年から1975年までのモータウン時代、すなわちジャクソン・ファイヴ時代、第三章は1976年から1981年までのエピック時代、ジャクソンズ時代から『スリラー』前夜まで。第四章が1982年から1984年まで、まさに『スリラー』時代、第五章が1985年から1992年まで「キング・オブ・ポップ」の時代、第六章が1993年から2009年までの間、という章立て。およそ26万字におよぶ超力作だ。

いずれの章も豊富な文献にあたり、ひとつの事実を多方面から確認している。しかも文章もとても読みやすい。もちろん、基本的にジャクソン・ファイヴ、ジャクソンズ、マイケルの作品にも精通している。彼自身もこれでも全部は書ききれなかった、という。もちろん、そうだろう。西寺郷太の視点がしっかりあるマイケル・ジャクソン物語であり、しかもひじょうにあらゆる点でバランスのとれたマイケル・ジャクソン物語になっている。特に、マイケルがスキャンダルにまみれた時代の第六章の冷静な筆致は見事。彼がこれだけの多くの文献につぶさにあたっているところが素晴らしい。多くの駄文を出すメディアの書き手に見習って欲しいところだ。

視点。

個人的に興味深かったのは、269ページのマイケルの『ヒストリー』のアルバムをジョン・レノンの『ジョンの魂』、マーヴィン・ゲイの『離婚伝説』と同じ視点で語られるべきだと思う、というところ。僕も『デンジャラス』以降のマイケル作品に、マーヴィンの『離婚伝説』的な匂いをものすごく感じていたので共感した。さらに、西寺さんはマーヴィン・ゲイの『ホワッツ・ゴーイング・オン』とマイケルの『スリラー』、マーヴィンの『レッツ・ゲット・イット・オン』とマイケルの『バッド』、マーヴィンの『アイ・ウォント・ユー』と『デンジャラス』、そして、『離婚伝説』と『ヒストリー』を比較して並べる。なるほど、ひじょうにおもしろい見方だ。2人の共通点は、どちらのアーティスト(マーヴィンもマイケル)も、そのときの心模様をこれでもかというほど赤裸々に作品に投影している点だ。周囲の人間に翻弄(ほんろう)されるところも、またさまざまな点で傷ついている点、完璧主義なところもものすごくよく似ている。

タップ・ダンサーのオマー・エドワーズが言ったように、「マーヴィンもマイケルもキリストも、みな苦労を背負って死んでいった」。

マーヴィンの自伝『マーヴィン・ゲイ物語 引き裂かれたソウル』では、マイケルが登場してきたときのマーヴィンの焦りを描いている。マーヴィンにとっては、またまた強敵なライヴァルがでてきた、この若い奴は本当に自分を脅かす、とその心の内を吐露している。

西寺さんがこの本を書くに至る、熱心なマイケル・ファンになったきっかけが僕が1984年に書いたアルバム『ヴィクトリー』のライナーノーツだったということも、感無量だ。(このアルバムは2009年7月に紙ジャケットで発売され、その当時のライナーがそのまま封入されている)

そして、最近、マーヴィンとマイケルのことをじっくり考えるとき、彼らの父は、何人もいる自分の息子たちの中で、なぜ一番才能のある息子に、一番厳しく辛く当たったのだろうか、という疑問が浮かんでいる。それは単なる嫉妬なのか、極めてひねくれた愛情の裏返しなのか。心理学の専門家にでも一度ゆっくり話を聞いてみたい。そこにフォーカスした視点でのストーリーを一度書いてみたいものだ。

西寺郷太著のこの著作は、マイケル・ファンにはまちがいなくお勧めの一冊だ。

■過去関連記事
April 07, 2008
マイケル研究家・郷太観
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080407.html
(さすがにこの小沢一郎説はこの著作の中には入らなかったが、独自の視点を持っているところがおもしろい)

■『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』西寺郷太著(ビジネス社)2009年9月10日発売 (9月10日にはアマゾン、書店などに入荷するそうです、アマゾンに注文をいれておけば早ければ11日ごろには届くかもしれません)

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お勧め度=★★★★★

お勧め度を5段階で評価。
★★★★★=お勧め。大変よい。
★★★★=買って損なし。お勧め。 
★★★=まあまあ。値段による。
★★=う~~ん、微妙。 
★ =マイケルものを全部集める人だけ買えばよろしい。
☆=おまけ

■ 『マーヴィン・ゲイ物語 引き裂かれたソウル』(デイヴィッド・リッツ著、ブルース・インターアクションズ) マイケル・ジャクソンの生涯も引き裂かれたソウルでした。マイケルに興味を持った10人のうち1人でもマーヴィンに興味を持ってくれたら嬉しい

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1 ■初コメです

初めまして。
ずっとROMっていましたが、今日、HMVのトークショーを見に行ったので投稿させていただきます。
時間は短かったですが、とてもいいお話が聞けました!でも、もっともっとお話が聞きたかったです。
また是非、このような機会を作っていただければ幸いです。
取り急ぎ御礼まで。

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