NO.853
2004/11/30 (Tue)
Copyleft And Recording At Live
自由。

先日、講師というのをやった。『音楽著作権講座』という業界人向けの講座の何週かあるうちの一コマで、著作権に関するお話をしてきた。1時間半ほど、ノンストップでしゃべるのだが、別に途中でDJよろしく曲をかけるわけではないので、結構大変だった。

今回の僕に与えられたテーマは、「非著作権」。それまでの講座で様々な著作権に関する実質的なことが語られている中で、まったく逆の話を1回だけすることになった。

以前、この日記にも書いたと思うが、いわゆる「コピーレフト」という考え方がでてきていて、その話をした。著作権は英語でコピーライト、その逆でコピーレフト。日本語で非著作権。著作権は、例えばその曲を書いたり、作ったりした人の権利。一方コピーレフトはそうしたものを最初から放棄しようというもの。

グレイトフルデッドが、彼らのライヴではカセットで録音しようが、写真を撮ろうがなんでもいいという姿勢をみせた。そして、それを売ってもいい、という。わかりやすくいえば、これがコピーレフトの基本的考え方である。著作権を主張しない、ということである。では、彼らはどこで儲けるのか。この場合、彼らはライヴで人を集め、その入場料を稼ぐ。

彼らのライヴは、そこに来ることに意義がある。デッドへッズ(デッドの熱心なファンのこと)は、ライヴに来ることに生きがいを感じる。それは、リーダーのジェリー・ガルシアにカリスマがあったからだ。つまり、そこには単なるレコード、CD以上のプラスアルファのもの、付加価値があるから人がやってくるわけだ。

だから、極論すると、これからのミュージシャンはライヴで集客できないと厳しくなる。

毎月恒例の深町純のピアノライヴも、録音、撮影自由だ。彼は「それを売ってもらってもかまわない」とも言う。グレイトフルデッドと同じだ。僕もこういう考え方は大好き。

あらゆるライヴが録音、撮影、自由になったら、おもしろいのにと思う。

ところがね、その『著作権講座』、後から聞いたら、受講者は録音禁止だったんだって。最初に「録音してもいいですよ」って言えばよかったね。ははは。





Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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