NO.546
2004/02/15 (Sun)
Booklet Of Motown Festival 1968: 36 Years Ago, There Was Discount For Group Of More Than Three
割引。

スティーヴィー・ワンダー・マニアの原口さんに、スティーヴィーの初来日時のパンフレットを見せていただいた。25センチ四方の表紙を含めて全24ページ。1968年のものです。いやあ、この頃でもパンフレットなんか作ってたんですね。

この時は、スティーヴィー・ワンダーとテンプテーションズとマーサ&ヴァンデラスの3組が来日し、タムラ・モータウン・フェスティヴァルと銘打ってライヴを見せるというイヴェントでした。今でこそこのようなイヴェントはありそうですが、36年前にこんな企画を立てたなんてすごいですね。ところが、この時はテンプテーションズが来日せずに、スティーヴィーとマーサ&ヴァンデラスだけの来日となり、そのお詫びで、コンサートのチケットは払い戻し、お客さんはただでこの二組のライヴを見ることができた、ということです。この話は一度、この時のチケットを下北沢のソウルバー、しずおか屋さんでみかけた時にちらっとしました。

それをさらに詳しく。公演日程は、68年2月12日・厚生年金ホール、2月13日と14日・渋谷公会堂、19日・大阪フェステイヴァル・ホールの計4回。チケットは、Sが2000円、Aが1500円、Bが1200円、Cが1000円。4種類もあったんですね。しかも、Sで2000円! このころ初任給どれくらいなんだろう。昭和43年。2-3万円でしょうか。調べてみたら巡査の初任給が昭和44年で約26000円。そうか、現在の初任給20万円くらいからすると、その頃のほうがまだ安かったかな。26000円で2000円の割合で行くと、20万円だと15000円くらいに相当します。ということは、今の10000円はまあ、当時と比べてもそれほど高くはない、のかなあ。しかし、レコードが当時2000円で、今も変わらないことから比べると、ライヴのチケット代は5-6倍にもなっているのだから、かなり高騰してることになりますよね。っていうか、レコード代、CD代は本当に割安感あり、ということになりますね。

さて、このパンフレット、誤植もあって非常に面白いのですが、今となっては意味不明のタイトルも。ニッポン放送の社長になられた亀淵昭信氏の原稿のタイトルは、「黒い電子計算機モタウン・レコードの全貌」(原文のまま)。どう理解したら、いいんだ? (笑) 「黒い電子計算機」は何を修飾しているのか。あるいは、意味しているのか。まあ、モータウン(モタウンか?)を修飾しているのだろうけど。どういうことなんだろう。福田一郎氏の原稿タイトルは、「テンプティションストーリー」。その中のメンバー紹介では、「ダヴィッド・ラッフィン」です。

そして、驚くのが広告。12軒のバーやお店の広告が掲載されているのです。R&B・スナックバー、ジョージズ。ご存知、日本最古のソウルバー、ジョージです。この頃はソウルバーなんて言わなかったんですね。スナックバー、ですか。次のもすごいぞ。「R&Bのメッカ、洋盤豊富 ムード最高 御来店下さい!!」というのは、新宿ジ・アザー! 「リズム&ブルースの店、スナックバー コルト45〜ヨコハマチャイナタウン近く」。これにはピストルのイラストが。「ソウル・レストラン G.T〜霞町交差点手前」 ソウル・レストランって、なんでしょう。(笑) ソウルがかかるレストランか。楽しい! 「洋盤豊富 ムード最高」は、サイコーだ。

この招聘元は協同企画エージェンシー。現在のキョウドウ東京です。その広告には、「全女性に贈る華麗なるピアノの調べ・ロジャー・ウィリアムス」の公演と「ボサノバの真髄・セルジオ・メンデス&ブラジル66」の公演。いずれも、Sが2000円です。

あと、これもすごいぞ。協同企画エージェンシーの会員になると、こんな特典があります。「HI MUSIC会員募集 特典・コンサートの入場料が大幅に割引になります。すべての公演が1割引。他に3人ご紹介の場合は2割引、5人で3割引の特典もあります。1年に10回以上ご鑑賞の方は1回が無料になります」

5人で3割引はすごいですねえ! 今だったら、例えば、1万円のコンサート5人で行ったら5万円のところが3万5千円。ひとりあたり7000円になる! まじっすか。ありえな〜〜い。(笑) 今だったら。その頃は、それくらいおいしかったのかな。こういう業種って。(笑) 

いやあ、昔のパンフレット、存分に楽しませていただきました。ありがとうございます。

Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
|Return|