NO.440
2003/11/08 (Sat)
Yamashita Yosuke's Live: That's His Format
カタチ。

アーマッド・ジャマルのライヴを見て以来ピアノトリオを見たいなあと思っていた僕としては、ちょっとだけ期待して山下洋輔のトリオを見に、はるばる池袋まで出かけていったんです。うわさの山下洋輔トリオ、初体験でした。

う〜〜ん、しかしこれは厳しいなあ。トリオあり、邦楽の和太鼓などありで即興などもするのですが、一言で言えば、みんながそれぞれ勝手にばらばらにやっている、という印象です。コラボレーションという雰囲気にはなってないですねえ。かなり爆睡させていただきました。会場も大きすぎるのかもしれません。池袋芸術劇場の中ホール、600人以上入ります。彼のトリオだと100人くらいのライヴハウスの方が迫力がでるのかもしれません。ちょっと距離もあったし。ピアノの力強さはなにも感じなかった。ミュージシャン間に張り詰めた緊張の糸は、少なくとも、僕には感じられなかった。

それでも、これだけのお客さんがやってくる、というのが興味深い。20年以上も前に山下洋輔のライヴを見たという人物は、「う〜ん、むかしはもっとかっこよかったけどなあ。坂田明と一緒にやったときなんか、すごかったですけどねえ〜」 まあ、人間丸くなったんでしょうか。

ライヴ終ってロビーに出ると、佐藤英輔氏とばったし。またまた僕がこんなところにいるのをいぶかしげに見る。彼は僕がブラック以外のライヴに来ていると必ず不思議がる。一言「ああ、バックに黒人がいるから、来たの?」 それを無視して「で、どうなのよ、こういうのって」と僕。「う〜〜ん、あれが、もうカタチだからねえ」 「あああ、なるほど。そうだ! あれがもうカタチなんだね!」 「僕はもっとめちゃくちゃなフリージャズっぽいほうが好きなのよ」と英輔氏。とはいうものの、カタチを持っている人は、それが個性なわけでして。

これだけの人っていうのが多いのか少ないのかはわからないが、山下さんは文化人だから人が集まる、そうなのだ。なるほど、それも納得。僕も確かに山下さんの書く物とかけっこう読んでおもしろかったと思う。話し方とか、話自体はおもしろいし好きですが。まあ、今日のライヴは、別に僕のソウルには触れませんでした。

それにしても、改めて、あのアーマッドのライヴのすごさはなんだったんだ、ということを強く強く確認した夜でもありました。

(2003年11月6日木曜・池袋芸術劇場=山下洋輔ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Yamashita, Yosuke

Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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