NO.285
2003/06/11 (Wed)
Ain't Nothing But Marvin Gaye
17歳。

ライヴのヴィデオと、ドキュメンタリーのヴィデオがでるのですが、そのために、この3日間くらいすっかりマーヴィン・ゲイ漬けでした。ライヴを見て、CDを聞いて、あらゆる資料などを読んでみて。至極のひとときでした。

ライヴは、1980年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルにおけるもの。もう一本はイギリスBBCが作ったマーヴィンのドキュメンタリー。いずれも7月23日ビデオアーツからDVDで発売されます。

まず、ライヴですが、23年ぶりに発掘されたというか、日の目をみることになったものです。マーヴィンは79年9月に来日して各地で公演しています。僕も武道館2日間行きました。腰をくねくねさせて、今まで見た中で一番セクシーなライヴパフォーマンスでした。いまだに、これを超えるセクシー度のあるライヴはないような気がします。これをできる日本人歌手は、いませんね。断言できます。そんな姿が、ヴィデオ映像に記録されています。来日の翌年80年7月のものです。

モントルージャズフェスは、1967年からスイスのレマン湖のほとりモントルーで始まった音楽祭。今年で37回目になります。で、けっこうライヴ映像があるらしいんですね。ところが権利関係がクリアになっていないので、なかなかその映像が世に出回ることがない。それが、今回は日の目をみたわけです。残念ながら僕はまだ行ったことありません。一度はぜひ行ってみたいですね。

「ガット・トゥ・ギヴ・イット・アップ」から「ホワッツ・ゴーイング・オン」まで約100分のマーヴィンのライヴです。フルの長さのライヴ映像は初めてなので、貴重です。この映像を見ていると、79年9月の武道館、83年8月のロスのグリークシアターでのライヴのことが、僕自身にフラッシュバックしてきます。

もう一本はドキュメンタリーで、タイトルは「マーヴィン・ゲイ、ビハインド・ザ・レジェンド」という約80分の作品。マーヴィンを知る関係者、ミュージシャン、レコード会社の人、家族たちが証言して、マーヴィンの人となりを語ります。

このドキュメンタリーで、もっとも注目されるのは、彼の2人の元妻がインタヴューに答えた点です。最初の妻、アンナと2番目の妻、ジャニス(ジャン)。そして、驚くことなかれ、最初の妻、アンナはモータウン社長ベリー・ゴーディーの姉で、マーヴィンより17歳年上、一方、2番目の妻ジャンはきしくも今度はマーヴィンより17歳年下なのです。

73年3月、マーヴィンとジャンは初めて衝撃の出会いをします。それぞれが一目ぼれでした。そのとき、ジャンはまだ16歳、マーヴィン33歳。Rケリーもまっつぁおってところでしょうか。(笑) マーヴィンは葛藤するわけです。まず、その彼女の年齢に、そして、次に自分は50歳の女性と結婚している、という事実に。どうします、このプラス・マイナス17、計34歳の違い。50歳と結婚している33歳の男が16歳の子に一目ぼれ。もうあとはトラブルマン、一直線でしょう。

でも、残念ながら、この点についてのマーヴィンのコメントはありません。ジャンが初めてマーヴィンに会ったときの話を少ししますが、アンナもジャンについて少しだけコメントするにとどまっています。このあたりもっとつっこんで聞けばおもしろいのに、と思いました。

ここでインタヴューされている人物の中で、ラーキン・アーノルド、ハーヴィー・フークワ、デイヴィッド・リッツは僕もインタヴューしました。このドキュメンタリーを見ていて自分が彼らをインタヴューしていたときのことを少し思いだしました。そして、それがご存知『ソウル・サーチン』のハーヴィー・フークワの章に結実します。 http://www.soulsearchin.com/soulsearchin/2.html

マーヴィンお好きな方は、まず、ドキュメンタリーを、そして、部屋を暗くして比較的大音量でライヴヴィデオをごらんください。たっぷりマーヴィンの世界に浸れます。それは至極の瞬間です。ぜひ。

Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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