NO.272
2003/05/29 (Thu)
Promotional Talk
父。

ルーサー・ヴァンドロスの新作アルバム 『ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー』 (全米で6月10日、日本では7月9日発売予定)のタイトル曲がオンエアされ始めています。といっても、ニューヨークのFMですが。WBLSが一足先に、プレイしていました。毎週日曜日の『サンデイ・クラシック』の5月4日放送分で、御大ハル・ジャクソンが紹介していました。

以下は、そのエアチェック(正確にはネットチェック?=インターネットで聞きながらカセットに録音した)したものを聞き取って、一部訳してみました。音が途切れたり、よく聞き取れなかったりしているので、とりあえず、仮訳ということでご了解ください。(笑)

すでに書いたとおり、ルーサーの父は、ルーサーが8歳頃の時に他界しています。なので、彼にとっては7−8歳くらいまでしか父の記憶はありません。以来、母親に育てられてきたわけです。その彼が父親との思い出をつづったのが、この「ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー」です。

ここでは、「ダンス・ウィズ・・・」は直接的には父とダンスを踊る、ということになりますが、全体的なニュアンスからすると、父親と一緒に過ごす、遊ぶ、戯れる、といったことすべてを指しているようです。父がほぼいなかったに等しいルーサーが、「もし父がいれば一緒に遊びたかった」と心の内を吐露する傑作です。ルーサーの母がこれを聞いて「よく7歳くらいまでの記憶がこんなにあるものだ」と言って号泣したのもうなづけます。

ゆったりとしたちょっとだけリズムのあるスロー・バラード。こういう状況でもあるので、大ヒットまちがいありません。ひょっとして、全米ナンバーワンにもなるかもしれません。もちろん、彼が元気でも、この曲は彼にとって「ヒア・アンド・ナウ」以来の大ヒットになるでしょう。単純に父と息子というテーマは、曲のテーマとして、永遠に不滅です。


「僕が子供だった頃、すべては無邪気だった。父は母や僕と一緒にダンスを踊ってくれた。寝付くまで、僕をあやしてくれた。そんな時確信したものだ。僕は愛されている、って。

もう一度チャンスがあるなら、一緒に父と散歩をしたり、踊ってみたい。きっと母だって父ともう一度踊ってみたいと思っているだろう。

母の言い付けに僕が納得できない時、父は僕を笑わせ、慰め、結局母の言い付けたことを僕にやらせてしまったものだ。

もう一度父を見ることができるなら、最後のダンスを一緒にできるなら、僕は決して終わることがない歌をかけよう。なぜって、僕はもう一度、父と一緒にダンスをとっても、とっても踊りたいから」

ルーサーは、ブラックチャートでは7曲のナンバーワン・ソングを記録していますが、まだ、ポップチャートでは1位になったことがありません。この「ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー」はルーサーにとって初のポップにおけるナンバーワンになるでしょう。注目していてください。ほんと、胸を打つめちゃくちゃいい曲です。すでに何度もリピートして、今週の僕のへヴィーローテーションです。

この歌詞の一部を借りるなら、「もう一度チャンスがあるなら、僕はルーサーのライヴを見たい。 If I could get another chance, I'd love to see Luther sings」っていう感じです。WBLSでこの曲が終わったときに、ドロップ(アーティストなどのちょっとした声のメッセージのこと)が入りました。ルーサー本人の元気な声です。「ハ〜イ、ルーサー・ヴァンドロスです。僕がニューヨークにいる時は、ハル・ジャクソンのサンデイ・クラシックを聞いています。107.5、WBLS−New York」

Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
|Return|