NO.142 |
2003/02/02 (Sun) |
Vulnerable |
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「ヴァルナーヴル」 とは、傷つきやすいという意味です。そして、これは97年に発売 されたマーヴィン・ゲイの未発表作品のアルバム・タイトルです。マーヴィン・ゲイ が67年に録音するも、レコード会社(モータウン)がずっと発売せずに、お蔵入りし ていたものでした。 これは、マーヴィンがずっとあこがれていたクルーナー(バラードを歌うシンガーの こと)としての側面を見せた珍しいアルバムでもあります。当時、マーヴィンはさま ざまなビートのきいたアップテンポの作品でヒット曲を送り出し、スターになってい たために、こうしたバラード系の作品は、モータウンからは歓迎されずに、ずっと日 の目をみずにいました。 7曲が録音され、マーヴィンはずっとこのテープを持っていましたが、彼の死後、97年 になって、やっと一般発売されたのです。このアルバムでは、7曲のほか、その7曲の うちの3曲の別テークが収録され、一応10曲入りのアルバムになっています。 どれも、ストリングス、ビッグバンドをしたがえた歌を聴かせます。「いそしぎ(シ ャドウ・オブ・ユア・スマイル)」、あるいは、「アイ・ウォント・クライ・エニモ ア」などは、スタンダード・シンガーとしての魅力がたっぷりです。 僕も70年代だったら、マーヴィンのこのようなアルバムを聴いても、きっと、一度聴 いただけで、「ふんっ」などと言って、棚の奥にしまいこんでいたでしょう。でも、 それがこうして、いまどきになって聴くと、けっこう聴けてしまうんですねえ。しか も、いい感じになって。休みの夜更けなんかに聴いたら、もうたまりませんねえ。 やっぱり、聴く音楽の趣味趣向って、年齢とともに、変化するんでしょうかねえ。趣 向も錯誤していく、ってことで。別に、どっちの趣味・趣向が間違ってるわけじゃな いんですけど。 |
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA |