NO.110
2003/01/02 (Thu)
Thunder Storm
飛び入り。

毎日午後4時。FM横浜でオンエアされている「サンダーストーム」をたまたま聞いていたんです。以前は僕もコーナーをやっていたこともあるんで。

で、聞いたことがある人がでてるなと思ったわけです。DJのデイヴ・フロムさんに紹介されていたのは、浪岡さんでした。同じ音楽ライター、音楽評論家というか、いわば同業者です。

彼がいろんな話をしながら曲をかけていて、それで、彼が86年、ニューヨークでラップのランDMCのライヴを見たときの話をしたんですね。で、僕はそれを聞きながら、ああ同じ時、見に行ったなあ、とか思って。そしたら、彼が僕の話を出したではありませんか。それは、なんども話してる話なんですが、僕が暴漢にその入場チケットを強奪されたという話なんですねえ。

もちろん、ラップのコンサートを見るのなんか初めて。会場はマジソンスクエアガーデン。そこに入場するために、なんと、会場入り口には金属探知機があって、全員のボディーチェックをしてるんです。今でこそ、そんな光景も珍しくないんですが、17年前ですからね。びっくりしたというか。で、そのために入場に異様に時間がかかるんです。ガーデンの周りをぐるっと入場を待つ人々が延々と列を作ってるわけです。で、その99%がみんな黒人です。

で、もうすぐ入り口かなと思ってチケットを手に持って待っていたんですね。そしたら、瞬間、誰かが僕にどすっとあたったんです。たぶん、前の方から来たんだと思います。どっちから来たか、よくわからないんですよ。で、ふと気が付くとチケットがないんです。もうびっくりしましたね。で、後ろを振り返るんですが、ぜんぜんわからない。走って逃げていく奴もいないような感じで。周りの黒人連中は、「ぼーっとして、ばかだなあ」風にしか見ないし。

これはまいった。チケットなければはいれない。ところが、ちょうど、そのとき、僕は一緒に行ったカメラマンの分のチケットをまだ持っていたんです。彼はフォトパスで先に入場していたので、僕はそのもう一枚のチケットでなんとか入場したわけです。もちろん、今度は入り口ぎりぎりまで、チケットは出しませんでした。

で、強奪されたチケットは、その僕が持っていたチケットと隣り合わせの席なんで、「どんな奴が来るんだ」って虎視眈々待っていたわけです。

しかし、コンサートが始まると、みんな総立ちになっていて、正確にだれがどこの席に座っているか、もうよくわからないんですよ。それでも、ブロック的に、こいつがこの僕の隣に座ってるようだ、という奴がいたんですね。で、そいつのことをちょっとにらみつけたら、向こうは「なんでおまえがここにいるんだ」風に驚いて、どこかへそそくさと行ってしまいました。多分、向こうは僕のことがわかっているのでしょう。盗んだ相手だから。でも、僕は本当に盗んだ奴の顔はおろか、姿形もわからなかったんです。ほんの一瞬の出来事でしたから。

というようなことを思い出して、僕の話もでてたんで、ちょっくら、FM横浜に電話したんです。担当ディレクターの携帯に。そしたら、「ああーー、吉岡さん、じゃあ、そのまま、出て、出て」って感じで電話でしゃべっちゃいました。

2003年元旦から、なかなかのハプニングでした。
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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