2010年10月30日(土) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

◎ワウフェス~平井堅、ラウル・ミドン、ロバータ・フラック、ダニー・ハサウェイをキーワードに一堂に

テーマ:ライヴ評・レポート
◎ワウフェス~平井堅、ラウル・ミドン、ロバータ・フラック、ダニー・ハサウェイをキーワードに一堂に会す

【WOW FES! Raul Midon, Hirai Ken, Roberta Flack】

ダニー。

日本の人気シンガーが自分の好きなあこがれのシンガーと共演するという有料衛星放送局ワウワウ(WOWOW)主催の番組用ライヴが、2010年10月26日、27日日本武道館で行われた。イヴェントは、WOW FES!(ワウ・フェス)と題され、昨年から始まった。今年のタイトルは、「ザ・ミラクル・オブ・ミュージック」ということで、音楽が引き起こす奇跡をテーマにしている。

平井堅があこがれるラウル・ミドンとロバータ・フラックを招き、それぞれが30分程度ずつライヴを行い、途中に平井とラウル、平井とロバータ、ラウルとロバータ、そして、3者という組み合わせのコラボレーション曲が歌われる。

観客はほぼ9分9厘平井堅ファンと思われる。7-3で女性が多い。平井堅が新人のラウルとヴェテランで彼があこがれたロバータを平井のファンに紹介するというニュアンスだ。ステージ前にレールに乗ったカメラが3台、横にクレーンで2台、ステージ左右に2台、手持ちが1台、客席から数台、相当数のカメラでステージの上の奇跡を追っていた。なお、場内に流すいわゆる「サーヴィス映像」と、実際放送された映像は違う。

バンドは、ドラムス、ギター2、ベース、キーボード、ピアノ、パーカッション、コーラス3という基本編成。ロバータ・フラックのときは、これにロバータ本人のピアノとシェルトンのキーボード、ニコラスのベースが加わる。

ギター一本で登場したラウルは、ステージ中央にほぼ直立不動でギターを弾き、歌い、そして、マウス・トランペットを吹いた。マウス・トランペット(口でトランペットの音を真似て出すやり方)を知らないファンは、トランペットの音が出てきた瞬間、どこにトランペッターがいるのか探す。ギターは相変わらず超絶、そしてマウス・トランペットも絶好調、歌も気持ちいい。2005年に初来日して以来、何度となく日本の地を踏んでいるラウル。途中の「シッティン・イン・ザ・ミドル」は、彼がダニー・ハサウェイに捧げた作品だ。

平井堅のライヴを初めて見た。けっこうよくしゃべる人でおもしろい。一度ゆっくりフル・ショーを見てみたい。この日は選ばれた曲のせいか、ソウル系というより日本のシンガー・ソングライターやフォーク・シンガーをもう少しモダンに洗練させた感じを受けた。ソウルのカヴァーだけ歌うようなライヴはないのだろうか。彼が恒例にしている「ケンズ・バー」は、目黒のブルース・アレイから始まっているそうだ。それにしても、彼にとっては、こんな夢のようなステージはないだろう。ラウルとロバータにはさまれたステージ。まさに歌手冥利に尽きるのではないだろうか。川口真紀さんが書いたパンフレットによると、平井堅はかなりダニー・ハサウェイが好きだという。ダニーと共演したロバータを迎えて、デュエットするということは、ダニーの影を追い求めて、ここにその究極の夢が実現した感じだ。

つい先月9月にも来日していた大御所、ソウル・レジェンド、ロバータ・フラック。さすがに他アーティストと共演となると、きっちり作りこんだステージにまとめている。このセットリストの中での圧巻は、ピアノのシェルトンとのデュエットで、ダニー・ハサウェイと共演した「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」。ロバータはステージでも「これを含めたアルバムは、たったの3日でできたのよ」と語る。シェルトンの声が、張り上げ系なので、しっとり系がおおいこの日のパフォーマンスの中ではひときわ目立つ。パフォーマンス的にはこの日最大のハイライトだ。

平井堅とデュエットしたときに感じたが、2人のマイクの位置が違う。平井堅はマイクを口にぴったりつけるが、ロバータは10センチほど離している。それでも、あのクリアな声が実によく通る。とても70歳を超えた声とは思えない。武道館が、ロバータの色にすっかり染まる。まさに声だけで空間を支配できる稀有な声だ。この声は、まさに世界遺産と言っていい。いや、彼女は現役なので、世界財産か。

ここ2-3年のライヴの中で、ロバータが必ずといっていいほど歌うのが「ソフト・アンド・ジェントル・レイン」。しっとりした実にいい曲だ。これは1960年代に活躍したニューヨークのギタリスト、作曲家、スチュワート・シャーフの作品。ロバータはステージで、「彼は32本のギターを持ち、そのギターが(自分に)曲を作らせてくれる、と言っていたわ」と振り返る。シャーフと、ロバータは長いつきあいだったようだが、シャーフは2007年11月7日に死去している。さすがにこの日も、「キリング・ミー・ソフトリー」は、ロバータ曲の中でも一番人気だった。

ライヴ後、バックステージでのかるい打ち上げのあいさつで、ごきげんなロバータはこう言っていた。「私が日本に初めて来たのは1973年のこと。そのとき、武道館でした。以来、私は最近はほぼ2年ごとくらいに日本に来ていますが、武道館は初めて来て以来のこと。だからとても、嬉しく思っています。さあ、明日もやりましょう」(実際は、もうない)と言って受けていた。

根っからのダニー・ハサウェイ好きが、ダニーに捧げた作品も歌い、しかも、ダニー的なにおいを出しているラウル・ミドンと、実際ダニーの盟友であり、デュエット・パートナー、音楽的パートナーでもあったロバータ・フラックを招き、ダニーの作品を歌う。そういう意味では、平井堅がダニー・ハサウェイというキーワードのもと、ロバータ、ラウル、平井の3者を結びつけた。これがこの夜、武道館にダニーが起こした奇跡かもしれない。

10月27日の模様は生中継されたが、再放送もされるようだ。日にちは未定。

■ 過去関連記事(ロバータ・フラック、ラウル・ミドン)

>ロバータ・フラック過去ライヴ評など

2010年09月04日(土)
ロバータ・フラック~進化し続ける女神
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100904.html

2010年09月06日(月)
ロバータ・フラックとアル・ジャロウとメイシオ・パーカー:東京ジャズ・セットリスト
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10640039835.html

July 29, 2009
ロバータ・フラック・ライヴ~マイケル・ジャクソンに捧げる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090729.html

March 08, 2008
Roberta Flack Live: Audience Set Her Soul On Fire
ameblo.jp/soulsearchin/entry-10078246447.html

April 18, 2007
Roberta Flack; The Night Marvin Gaye Comes Down
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10031675455.html

April 19, 2007
Roberta Flack: Very Spontaneous Live Performance
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10031675342.html

>ラウル・ミドン過去ライヴ評など

2009年10月09日(金)
ラウル・ミドン、新作『シンセシス』登場
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10360519629.html

September 02, 2007
【ラウル・ミドン~見たものを歌に託す】
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070902.html

October 25, 2005
Raul Midon: From Donny To Stevie To Raul
ショーケース・ライヴの模様
http://blog.soulsearchin.com/archives/000603.html

January 31, 2006
Raul Midon: He Sings What He Saw In His Rural Hometown
【故郷で見た景色を歌うラウル・ミドン】
http://blog.soulsearchin.com/archives/000805.html

October 25, 2005
Raul Midon: From Donny To Stevie To Raul
前回ショーケース・ライヴの模様
http://blog.soulsearchin.com/archives/000603.html

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■メンバー
Wowfes 2010: Raul Midon, Hirai Ken & Roberta Flack, October 27, 2010 @ Budoukan

Members:

Singers:

Raul Midon
Hirai Ken
Roberta Flack

Musicians:

Takebe Satoshi (musical director)
Shelton Leon Becton (co-musical director)
Nicholas Edward Brancker (co-musical director)
Tsuruya Tomoo (drums)
Toriyama Yuji (guitar)
Ishinari Masato (guitar)
Takeshita Yoshinobu (bass)
Ramsey (percussion)
Murata Akira (keyboard)

Imai Masaki (chorus)
Arisaka Mika (chorus)
Ohtaki Yuko (chorus)

+++++
opening act

Soul Matics (vocal group)

+++++

■セットリスト
Setlist : Wow Fes! : Raul Midon, Hirai Ken, Roberta Flack, October 27, 2010 @ Budoukan

Performance started 19:02

=Soul Matics=
01. Total Praise

=Raul Midon=
02. Invisible Chains
03. Bonnie’s Song
04. Sittin’ In The Middle
05. State Of Mind
06. Next Generation
07. Someday We’ll All Be Free (with Hirai Ken)

=Hirai Ken=
08. Sing Forever (with Soul Matics)
09. キャッチボール
10. Life Is…
11. Pop Star
12. アイシテル
13. Where Is The Love (with Roberta Flack) (+Nicholas E Brancker on bass, Shelton Becton on keyboards)

=Roberta Flack=
14. Feel Like Makin’ Love~A Riff Of “You Sure Love To Ball” [Marvin Gaye]~ Feel Like Makin’ Love
15. Will You Still Love Me Tomorrow
16. Baby I Love You (with Shelton Becton) [song Roberta recoded with Donny Hathaway]
17. Soft & Gentle Rain [written by Stuart Scharf]
18. The First Time Ever I Saw Your Face
19. Making Love
20. Killing Me Softly With His Song (with Raul Midon)

Enc. Tonight I Celebrate My Love (with Raul, Ken)
Enc. You’ve Got A Friend (with Raul, Ken)
Show ended 21:10

(2010年10月27日、水曜、日本武道館=ワウフェス! ラウル・ミドン、平井堅、ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Wow Fes, Midon, Raul / Hirai, Ken / Flack, Roberta

コメント

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1 ■p(^^)q

いつも見させて頂いてますo(^-^)o
私もこのライブ行きたかったんですぅ(>_<)
ダニー大好きで(♪ハートっ♪)
レポ見て益々行きたかったですp(^^)q
ありがとうですm(__)m

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