2010年07月06日(火) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

○吉弘知鶴子ゴスペル・ナイト

テーマ:ライヴ評・レポート
○吉弘知鶴子ゴスペル・ナイト

【Yoshihiro Chizuko Gospel Night】

ゴスペル。

ブラック・シンガーが4人、それぞれ思い入れのあるゴスペル楽曲を選んで、自由自在に魂を込めて歌う。定例吉弘知鶴子さんのゴスペル・ナイト。よく見れば吉弘さん以外すべてブラック。彼女がブラック・ゴスペルにこだわるだけのことはある。そして、4人のシンガーそれぞれがその曲を選んだ理由を語ってから、歌うのだが、これが実によかった。

$吉岡正晴のソウル・サーチン


最初に登場したのは、タイニース。彼女はこんな話をした。「私は、すべてを失った時期がありました。仕事もなく、お金もなく、すべてをなくしていたんです。でも、そんなとき、車を運転していてふと目に入った教会があり、そこに足を踏み入れました。そこで、みんなが歌っていて、それに加わりました。とても感動して、そこの神父さんに、今日ここに初めて来たけれどこのクワイアーに入りたいんです、というと、神父さんは私が歌えるかどうかも確かめずに、一本のカセットテープをくれました。カセットというところで、時代がわかってしまうかもしれませんね。(笑) これを来週までに覚えてらっしゃい、と彼は言いました。その曲が、私が選んだ『ウィ・アー・ワン』という曲です」

そして、それをじっくりと歌って聴かせる。スローの曲だけに、じわじわと胸を打ってくる。そして、フランクは、「ベスト・イン・ミー」について語る。

「自分も昔、バッド・ボーイでした。誰もが自分を認めてくれない、誰も自分を愛してくれない、などとふてくされたこともありました。でも、神様は、いつの時代でも、どんなときでも、自分のどこかに最高のもの(best in me)があるんだということを教えてくれました。必ず、あなたにはベストのものがあるんだ、ということなのです」 こう説明しながら「ベスト・イン・ミー」を歌って聴かせる。フランクの声は、ちょっとテディー・ペンダグラス風のシャウト・ハスキー系のソウルフルなもの。

フランクは、セカンド・セットでアージーとともに、ビー・ビー&シー・シー・ワイナンズの作品「ネヴァー・ソート」をデュエットで聴かせた。これがまたよかった。アージーの声は、爆発的な声量はないのだが、細めの綺麗ないい声なので、レコーディングなら完璧に映えるタイプの声。

そして、トリで登場したのが、一番のビッグ・シンガー、シスター・リード。彼女はこんなことを言った。「私がこの曲を選んだのは、曲のタイトルの通りのことを思うからです。私には母も父もいます。素晴らしい人たちです。でも、それでも神とは比べられない。あなたが病気になったら、神が直し、癒してくれます。お金がなければ、どこからかそれを持ってきてくれます。心配事があれば、解決策をもたらしてくれます。私も、以前はあまりいい人ではなかった。でも、神は私にベストを見出してくれたのです」 そして、歌われた「ゼイズ・ノーン・ライク・ユー」。この日一番の声量と歌唱、迫力だった。まさにブルーズ・アレイ転じてゴスペル・アレイになった夜だ。感極まったシスター・リードは、曲が終わる頃にはハンカチで涙を拭いていた。素晴らしい。

各曲について、吉弘さんが学校の先生みたいにとてもわかりやすく解説をしてくれる。ゴスペルについての歴史やニュアンスなどを学びながら、ライヴでそれを楽しめるという、まさに一石二鳥のライヴだ。

■ メンバー

吉弘知鶴子 Gospel Night

(Pf/HAMMOND B-3)吉弘知鶴子 (Ds)Bert Adams (B)Keith Williamson (G)Albert Martin (Vo)Frank Legree、Tynice Brooks、Sister Gwendlyn Reid、Argie Martin


■セットリスト
Setlist : Yoshihiro Chizuko @ Blues Alley Japan, June 28, 2010

show started 19:43
01. He Looked Beyond My Faults (Instrumental)
02. Oh How I Love Jesus (Instrumental)
03. Hold Out
04. We Are One (Tynice’s choice)
05. Best In Me (Frank’s choice)
06. He’s Done Enough (Chizuko’s choice with Sister Reid on lead)
Performance ended 20:54

Second set

Show started 21:16
07. Power In The Blood (Instrumental)
08. Never Thought (Argie & Frank duo)
09. You’ll Never Thirst (Argie’s choice)
10. There Is None Like You (Sister Reid’s choice)
11. Awesome God
Enc. Oh, Happy Day
Show ended 22:48

(2010年6月28日月曜、目黒ブルース・アレイ=吉弘千鶴子ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Yoshihiro, Chizuko

コメント

[コメントをする]

1 ■無題

はじめまして。大阪のBEEと申します。
このライブ、めっちゃ見たい!!すごいですねー!
吉弘さんとは二回ほど共演させていただきました。とても素敵な方でした。
またちょくちょく寄らせてください。

コメント投稿

一緒にプレゼントも贈ろう!

トラックバック

この記事のトラックバック Ping-URL :

http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/soulsearchin/10582573730/91b02fdc

Amebaおすすめキーワード

    アメーバに会員登録して、ブログをつくろう! powered by Ameba (アメーバ)|ブログを中心とした登録無料サイト