2010年05月02日(日) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

⊿セヴィアン・グローヴァー・ライヴ (パート2)~自由に溢れたタップの世界

テーマ:ライヴ評・レポート
⊿セヴィアン・グローヴァー・ライヴ (パート2)~自由に溢れたタップの世界

(昨日からの続き)

【Savion Glover: The Fifth Musician】

アドリブ。

セヴィアン・グローヴァーのパフォーマンスが終わり、ちょうど引き上げるところだったエンジニアのグレン・ウェッブに演奏曲目を尋ねた。親切に教えてくれ、ちょっと雑談もできた。すると、やはりセヴィアンも、事前にセットリストを作っていなかった。その場で、ミュージシャンに曲目を指示して、演奏を始め、その演奏にのって踊るそうだ。驚いたことにミュージシャンたちのレパートリーは100曲以上になるという。ペイシェンス(サックス)、アンディー(ベース)は十年以上、セヴィアンとともにプレイしているので、言ってみれば阿吽の呼吸だ。

セヴィンは、いくつかのキューをミュージシャンに出す。ある種のリズムをだしてくれとか、テンポを落とす、早める、こういう感じで踊りたいといった指示を出すという。

最初の2曲だけで56分。セヴィアンがベースソロで長く踊りたければ、そこを引き伸ばすように指示する。ドラムソロで踊りたければ、ドラムソロを指示。それは自由自在だ。だから、同じ曲でも、長さやアレンジが微妙に違ったりする。キューがなくても、セヴィアンのタップに影響を受け、テンポが早くなったり、ソロが長くなったりするわけだ。まさに、セヴィアンは、5番目のミュージシャンだ。

今回の編成でドラムスは、日本在住の名ドラマー、トミー・キャンベル。なんともともと予定されていたドラマー、ブライアン・グライスが病気のために来日できなくなったところ、サックスのペイシェンスと旧知の仲でもあったトミーに声がかかった。トミーによると、なんと、トミーはセヴィアンが12~3歳の頃から知っていて、何本か一緒にライヴをやったこともあったという。ペイシェンスからメールが来て、二つ返事でOKした。途中でのトミーとセヴィアンのドラムス対タップのちょっとしたバトルも見ごたえがあった。

トミーはほとんどリハーサルはやっていないそうだが、それでもあれだけ、セヴィアンにあわせられるのだから大したもの。ミュージシャンも全員プレイしながら、彼からのキュー(指図)を見逃すまいとセヴィアンを凝視している。

セヴィンは気が乗ると、歌うという。そして、ほとんど毎セット、曲目が違う。

彼らは1日オフ(土曜日)の後、ロシアに行き、ショーを1本やってニューヨークに戻るそうだ。トミーにロシアに行くのか、と聞くと、自分のギグがあるので、行けないという。「では、ロシアでは誰がドラムを叩くの?」とペイシェンスに尋ねると「それは、いい質問だな」と。すると、トミーが「ロシアにもいいドラマーがいると思うよ」。

ペンシェンスとトミーは、1980年代にニューヨークの今は亡きクラブ「コンドンズ」で一緒にプレイしていた。

セヴィアンがわざわざ紹介したダイアン・ウォーカーについて少し調べた。1979年からプロのダンサーとして活躍。生年はわからなかったが、18歳頃からプロになったとすれば、1960年前後の生まれかもしれない。セヴィンは1973年生まれなので、13歳くらい離れている。ダイアンは、伝説のタップ・ダンサー、ジミー・スライドなどの元で勉強。ボストンを本拠にし活躍し、同地の新聞が彼女を「ファースト・レイディ・オブ・タップ・ダンス」と称した。その後、グレゴリー・ハインズとツアー、ミュージカル『ブラック・アンド・ブルー』などに出演し、実績を積んだ。さらに、グレゴリー・ハインズ、サミー・デイヴィス・ジュニアも出演した映画『タップ』に出演。タップ・ダンス界での名声を決定付ける。

セヴィアンは、このダイアンに多くのことを学んだようだ。そして、セヴィンから学んだのが、毎年夏にやってきていたオマー・エドワーズだ。やはり、汗が飛び散るソウルフルなパフォーマンスはいい。

■ セヴィアン・グローヴァー・ライヴ評(2010年5月1日付け)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10522401331.html

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■セヴィアン・グローヴァー自伝 (英語)

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(2010年4月30日金曜、丸の内コットンクラブ=セヴィアン・グローヴァー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Glover, Savian
2010-69

コメント

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1 ■無題

セヴィアン・グローバーさん,日本に来ていたんですか!!絶対に行けない日程なので,知っていても行かなかったと思いますが,残念です。。。
最近セヴィアンさんのことを知り,
すごいパフォーマーだなと感動していました。
来日したら観に行きたい・・・と思いましたが,次回は当分なさそうですね。。(泣)。
残念ですが,こうやって吉岡さんが感想を書いてくださっていることで雰囲気を感じさせてもらえたことに感謝しています。
ありがとうございます。

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