September 07, 2007Kurosawa Kaoru: You Are In The Circle Of Destiny【台風9号ものともせずに黒沢薫ソロ・ライヴ敢行】 運命。 黒ポンことゴスペラーズの黒沢薫、2年ぶりのソロ・ライヴは彼にとってあこがれの「いつかやりたかったライヴハウス=ブルース・アレー」でのものになった。キーボードの松本圭司や、「ソウル・サーチン」などでのゲスト出演はあったものの、ここでフル・ショーは初めて。収容人数的にもいっぱいいっぱいで、大型台風9号がやってきていても、ファーストとセカンドを入れ替えにしても、それでも、立見が多数でた。 新しい黒沢薫バンド(略すとKKBか?)との相性もよく、前半のソウル・カヴァーは本人が一番こういうのをやりたかったというだけのことはある熱唱だった。特に、ジョニー・ギルの「マイ・マイ・マイ」のこぶししのところなど、完璧にコピー、さらに、ジョーの「オール・ザ・シングス」などは、僕は前々日にビルボード・ライヴでオリジナルのジョー・ヴァージョンを見ていただけに、そのジョーより正確な歌いっぷりに感心した。 黒沢さんは、ここで観客席の前列のファンと握手をした。彼も見たジョーのステージで、ジョーがこの曲でステージから観客席に下り、ファンと握手をしたりハグしたりしているのを見ていいなあ、と思ったので、自分でもやってみたという。ジョーの元にはファンからたくさんの花束や一輪花などが手渡されたが、いずれ黒沢ソロ・ショーでもこのジョーの作品あたりでシンガーに花を手渡すシーンなどもでてくるかもしれない。 また、「ウインディー・ラヴ」から同じリズムをキープしながら、山下達郎さんの「あまく危険な香り」へもっていくところなど、黒沢趣味全開だ。あるいは、ちょうど2006年7月の『ソウル・サーチン:ザ・セッション~ルーサー・ヴァンドロス』の回でデュエットをした「ソー・アメージング」を再び、そのマルと黒沢さんの二人で聴かせた。あのときのデュエットも見事なものだったが、それがこうして同じ場所で再現されるというのは、僕も感慨深いものがあった。 途中の書き下ろした新曲であり、今回のライヴのテーマ「ラヴ・マサラ」は、超おもしろく笑えた。ホ~~~~~~~~ッ。 本編最後が終わり、アンコールの拍手に呼び戻されたくろぽんは、全員のメンバー紹介をした後、「エナメル・ブラザースのブラザー・クロこと黒沢薫」と自己紹介。付き人(マネジャー伊藤さん=これまたジェームス・ブラウンのダニー・レイ的役職に見えた)から白のジャケットと黒のサングラスを手渡されると、観客も一瞬どよめく。ま・さ・か・・・の予感。そして、ドラム・ビートに乗って「ブラザー・スズこと鈴木雅之~~~」と紹介するや、客席の温度も急沸騰、歓声が大爆発、全員が一斉に客席後方アーティストが入ってくるほうへ振り向いた。そして、さっそうとブラザー・スズことマーチン登場。 「エナメル・ブラザースです」「エナメル・ブラザースです」「今、台風9号が近づいてきています」「今、台風9号が近づいてきています」「1-2-3! そんなの関係ね~! そんなの関係ね~!そんなの関係ね~! オッパッピー!!」 これを3連発かました。マーチン、いきなりブルースアレーの客を全員わしづかみだ。(笑) そして、「シーズ・マイ・ガール」へなだれ込む。 おいしいところを一気にもっていったマーチンを送り出し、黒沢薫は語りだした。「今までにいろんな運命的な出会いがありました。ゴスペラーズのメンバーになっていなければ、こうしたミュージシャンたちに出会うこともなかっただろうし、ここのステージに立つこともなかったでしょう。あらゆるところですごく運命的な出会いを感じます。それは、台風にもめげず今、ここに来ているみなさんも、その同じ運命の輪の中にいます。みなさんにもよりよい運命が訪れるように~」 そして、ラストソング「遠い約束」を歌った。 1日だけでは実にもったいない。何本か東京以外の地でもやればいいのに。観客と黒沢薫の運命の糸が結ばれた9月6日は、まさにクロの日であった。 ■前回過去記事 March 24, 2006 ■メンバー (Vo)黒沢薫(from ゴスペラーズ) (Key)松本圭司 (Ds)田中栄二 (B)下野人司 (G)福原将宣 (Cho)maru、冨永祐輔 ■Setlist : Kurosawa Kaoru @ Meguro Blues Alley, September 6, 2007 show started 21:36 (2007年9月6日木曜、目黒ブルース・アレー=黒沢薫・ライヴ)
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