February 20, 2007

Stevie Wonder Live: Secret Of His Live Performance

【スティーヴィー・ライヴ、曲順の秘密】  

謎。 

スティーヴィーのライヴも、ジェームス・ブラウンのライヴ同様、事前のセットリスト(演奏曲目)がびしっと決まっているわけではない。最初の4曲程度は決めてあるのだろうが、それ以降は気分だ。ある程度のラインはあるが、Aという曲の次が必ずB~Cと続くとは限らない。Aの次にDがくるかもしれないし、Fという曲が演奏されるかもしれない。それはそのとき、その瞬間のスティーヴィーの閃きで決まる。これができるのは本当に実力があるミュージシャンたちだけだ。 

ただし、いくつかの「セット」はある。例えば「アコースティック・ピアノ・バラード」のセットに入る曲は10曲以上候補がある。「レイトリー」「リボン」「センド・ワン・ユア・ラヴ」「オーヴァージョイド」「トゥ・シャイ・トゥ・セイ」「ユー・アンド・アイ」「ロケット・ラヴ」「オーディナリー・ペイン」「ステイ・ゴールド」などなど。その中から4曲程度をその場の気分で選ぶわけだ。 

さて、スティーヴィーが曲のイントロをやり始める曲なら、スティーヴィー主導でショーの流れが決まるのでわかる。だが、そうではない曲は一体どのようにしてショーが進むのか。 

例えば、毎回ほぼ必ず歌われる曲に人気の高い「ユー・アー・ザ・サンシャイン・オブ・マイ・ライフ」がある。このイントロはいい。スティーヴィーのキーボードから始まるので、スティーヴィーがこの曲のイントロをやり出したら、その瞬間バンドメンバーはついていけばいいのだ。 

しかし、この曲が終わったところが興味深い。いわゆるカットアウトで「ジャ~~ン」と派手にドラム、その他の楽器が音を出して終わる。今回のさいたま初日はこの曲の次に、驚きの「チューズデイ・ハートブレイク」が演奏された。だが2日目は、「スーパースティション(迷信)」がきた。前回来日時には「イズント・シー・ラヴリー」がきたこともあった。「イズント・シー・ラヴリー」「チューズデイ」は、スティーヴィーのキーボードから始まる。しかし、「スーパースティション」はあの重いドラムから始まるのだ。「サンシャイン」の次の曲はどうやって決め、それをどのように指示しているのだろう、とずっと不思議に思っていた。何か秘密のキューでもあるのかと。ジェームス・ブラウンだったら、指と手でミュージシャンにキューを出すこともできる。スティーヴィーにもそれができるのか。 

2日目が終わった後、楽屋にいくチャンスに恵まれたがそこで、バックコーラスのひとりキース・ジョンらと話す機会があった。そのときに、いろいろな話になったのだが、最近はみなイアーモニター(耳にいれるイアフォーン)をつけていて、スティーヴィーはそのイアーモニターを通じて、キースやその他のメンバーに指示をだしている、という。 

キースは「僕の耳にはいつもスティーヴィーがいるんだ」と言う。キースはスティーヴィーがステージに出てくるとき、ステージでキーボードからピアノに変えるとき、あるいは、立ち上がって踊る時など、絶妙のタイミングでスティーヴィーのところに近寄り、手を添えていた。つまり、すべてスティーヴィーが外のスピーカーに出る音とは別のラインで、メンバーたちになんらかの指示を出しているというわけだ。それを聞いて、えらく納得した。なるほど、それなら、曲順は自由自在に変えられる、ということだ。そういえば、スティーヴィーが時々お尻のところにある箱をいじっていたようにも見えた。 

つまり、ドラムから始まる「スーパースティション」の時は、次は「スーパースティション」と言ってドラマーに指示をし、ブラスセクションから始まる「サー・デューク」では「サー・デューク」と言ってトランペットとサックス奏者に準備をさせるのだろう。 

しかし、もうひとつ今回疑問というか、感じたことがあった。これだけセットリストをめちゃくちゃに入れ替えていると、その日自分が何をやったか忘れたりしないのだろうか、ということだ。(笑)  

以前は、「サー・デューク」~「アイ・ウィッシュ」~「サンシャイン」というセットが多く、これは完璧な流れだったが、仮に「サンシャイン」を早い段階にやってしまって、後半の最後のほうで「アイ・ウィッシュ」の後に、また勢いで「サンシャイン」をやってしまったりすることはないのだろうか。まあ、そんな「やっちゃいました」なスティーヴィーも見てみたいものだが・・・。(笑) しかし、これだけやれる曲がふんだんにあると、その組合せは天文学的な数字になる。 

本日記には過去6回分(今回2回と前回4回分)のセットリストがある。じっくり見比べると、セットリストの中の「セット」が浮かびあがってくる。そのあたりを見ていると実に飽きない。これからライヴをご覧になる方はそんなことを考えながら見てもおもしろいかもしれない。 

(仙台、名古屋、大阪のライヴをご覧になる方、セットリストをよろしくお願いします(笑)) 

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投稿者 yoshioka : 11:44 AM | コメント (0)