NO.794
2004/10/02 (Sat)
If You Would Want To Learn Clear English, Go To Minneapolis:  
訛り。

BBSでサザンアクセントが話題になったので、しばし、訛り談義でも。

日本にもさまざまな方言があるように、アメリカにも多種多様なアクセント、つまり、訛りがある。そのうちのひとつが南部訛りというもの。サザン・アクセントといわれる。ココさんご指摘のサザン・ドロール(DRAWL=引き伸ばす)が特徴で、I(アイ)が(アー)になったりする。これが、強くなると、はっきり言ってほとんど理解不能だ。

僕がこの南部訛りでまず思い浮かぶのは、ミスター・ジェームス・ブラウン。彼の英語はとにかくわからない。(笑) 話していて最初のうちはゆっくり、わかり易くしゃべってくれるが、徐々に興奮し、早口にでもなろうものなら、もうだめだ。通訳の人も、かなり力をいれないと、ピックアップできないのではないだろうか。

この南部アクセントは、口をはっきり動かさず、もごもごした感じでしゃべるために、くぐもった雰囲気になる。はっきりと発音をせずに、しかも前後の単語をつねげてしまうから、たちが悪い。

やはり、日本では沖縄の言葉が、僕はどうしても理解するのが難しい。沖縄の有名なミュージシャン嘉納昌吉がテレビなどのインタヴューで答えているのを見ると、早口になったときが、もうわからない。最近はテレビも親切なもので、そうした言葉にはしっかりと字幕をつけてくれるから頼もしい。

沖縄の発声とアメリカ南部の発声は、意外と近いものがあるのかもしれない。

もうひとり、レイ・チャールズの南部訛りも強いと思う。それは歌声からもときどき感じられる。まあ、これはこれで、彼などの場合、味だからいいと思うが、レイ・チャールズが英会話の学校の先生になったら、大変だなあ、と思う。

ニューヨークのブルックリン訛りというのも、少し僕はわかる。一番最初これに触れたのがカシーフだった。彼の英語ははっきりしていて、わかりやすい。でも、独特のリズム感がある。それがブルックリン訛りだと後で聞いた。それから何年後かに、まったく同じような調子でしゃべるアーティストにインタヴューした。正確には電話インタヴューだった。彼の独特のリズムでしゃべる声がスピーカーから流れてきて、以前、これと同じアクセントでしゃべっていたのが誰かずっと考えていた。そして、カシーフだとひらめき、ああ、これがブルックリン訛りだと思い出した。そのアーティストとは、ルーサー・ヴァンドロスである。よく考えてみれば、彼もブルックリン出身だ。

一方で、ニュースキャスターのようにしゃべると言われるのが、北部、例えばミネソタ州の人たちなどだ。初めてプリンスやジャム&ルイスを取材するために、ミネアポリスに行ったときに、「こっちの人間はよく『ニュースキャスターのようにしゃべる』と言われるんだよ」と説明された。確かに会う人会う人がしっかりした発音でひじょうに聴きやすい。いわゆる中西部あたりのミドルクラスの人々、典型的なアメリカ人が多いからだろうか。なんだか英語のヒアリング力が一瞬あがったかとも錯覚し嬉しくなったほどだ。しかしながら、もちろん南部の英語に触れると、英語のヒアリング全然だめね、と落ち込む。だから、きれいな英語を学ぼうと思ったら、北部に行こう。ミネアポリスはお勧めだ。プリンスもいるしね。(笑) 

しかし、北部のほうが寒くて、口などあけないでしゃべりそうなのに不思議だ。言語学の先生にお尋ねしたい。なぜミネアポリスや北部の人たちの英語はきれいなのか、と。そういえば、仙台や北海道の人の日本語は比較的ストレートなアクセントが多いような気がする。だが、青森、秋田はかなり訛りが強い。ただ北だから、訛りが強いとか弱いというものでもなさそうである。

Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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