NO.410
2003/10/10 (Fri)
Reunion With Old Friends
再会。

昨日のライヴの続き。大げさに言えばあまりにファンクなライヴだったので、見終わった後、脱力した、と言っても過言ではないほどだった。そこでこれは、ジョーやレイに会ってなにか話したいと思った。

レイは昨年インタヴューしているし、ジョーはその前の年あたりかインタヴューしたので、まあ、なじみはあるのだが。楽屋に行くとまずレイと目があった。「どうですか。このクルセイダーズの面々と一緒に演奏するのは?」 「おお、すばらしいよ。彼らとはもう何十年って知ってるからね。70年代からかな。彼らとはレコードでもライヴでもよくやってたよ」

「『ゴーストバスターズ』を『クルセイダーズ』に変えてやるアイデアは誰のもの?」 「あ、僕だよ。だって、なんたってクルセイダーズだからね!(笑)」 

フェルダーさん登場。「最初にあなたが吹いた瞬間、もうウィルトン・フェルダーだと思って、感激しましたよ」 「それはありがとう」 「疲れてますか?」 「いやあ、大丈夫だよ。でも、一日2セットはなかなか大変だよ。1セット目はどうしても後のことを考えてしまうね」 「ジョーと同じステージでやるのはいつぶりくらいになるんですか」 「10年ぶりくらいかなあ。このツアーは10月一杯続くんだ。一緒にやること? 昔と変わらず、全然問題ないな」 「しかし、それにしても、ジョーさんはよくしゃべりますね」 「そうか、そうだな。昔はウェイン(・ヘンダーソン)がしゃべり役だったんだがな(笑)」とフェルダー。すると、それを聴いたレイが「へえ、そうなんだ。僕はいつでもしゃべってるよ(笑)」 フェルダー「オレはしゃべらん」と言って首を振る。もっぱら、クルセイダーズのスポークスパーソンは今はジョー・サンプルということになっているらしい。

そして、そこにジョーさん登場。「すばらしいショウでした。ところで、今日はなんでアコースティック・ピアノがなかったんですか」 「でかすぎるからだよ。この人数でアコースティック・ピアノは置けない」 またレイが割り込む。「僕たちが立つところがなくなっちゃうじゃないか。なんだ、隅っこで小さくなってやれっていうのか(笑)」 確かにレイはおしゃべり好きだ。そして、いつもにこにこしている。

レイには兄弟がいて、レイは最初サックスをやっていたが、兄(?)がサックスを取ったので、自分はギターに転向した、という。また今回の来日では自転車を持ってきてホテル周辺を自転車で走り回っているそうだ。ブルーノートにも自転車でやってきたこともあるという。レイ・パーカー、自転車でライヴハウスまで通う! 約20−30分らしいが「楽勝だよ」と。

ジョーと奥さんはテキサスでもかなり田舎に住んでいる。奥さんが言う。「自宅から車で1時間かけて小さな飛行場に行くの。そこで小さな飛行機にのって1時間、それでテキサス・インターナショナル・エアポートに着く。それからロスまで4時間、ロスから11−12時間かしら。遠いわ。ヒューストンは大きいのよ」 またまたレイが参加。「ここ日本では建物はどんどん上に伸びていくだろう。アメリカではどんどん横に伸びていくんだ。だから、いつもフラットなのさ。建物も、みんなせいぜい二階建てさ」 「そういえば、しばらく前だったかな、九州の福岡から北海道までひたすら列車で移動したことがあったな。九州はあったかかったけど、北海道は雪かなんかでめちゃくちゃ寒かったよ。そういえば、この前、北海道で地震があっただろう」 するとそこでレイと話していた女性「ええっ? わたし、知らない」 レイ「何、知らないの? アメリカでもどのチャンネルでもニュースやってたよ。2週間くらい前かな」 「うっそ〜〜」 「彼女は新聞を取っていないし、テレビも見ないらしいよ」 「ホントか? アメリカにいる僕が北海道の地震のことを知っていて、日本にいる君が知らないのか・・・(笑)」 

レイとは名刺交換になった。「じゃあ、何かあなたのことを書きますよ」 「悪いことは書かないで、いいことを書いてくれよ(笑)」

向こうからひとり男性が声をかけてきた。「ハーイ、ニック・サンプルだ」 「? ひょっとして、ジョーの息子さん?」 「そうだよ」 ステージのメンバーを瞬時に想像するが、確か彼はステージにはいなかったはずだ。彼自身ベースを弾くそうだが、今回は演奏のために来たのではない、という。「実は父親の立派な仕事ぶりを見に来たんだ」 そういわれてみると顔がよく似ている。「他に兄弟とかいますか?」 「いや、いない。僕は一人っ子だよ。実は僕はベースを弾くんだ。昔、ブライアン・オーガーなんかと一緒にやっていた。今、モンローというグループをやっているんだ。ロックだよ」 

さっそく調べてみたら、かっこいい子がリードヴォーカルのグループだ。
http://www.alisonmonro.com/index.htm

ニック・サンプル32歳だという。でも、まったくジョーの音楽とは違うようだ。父親のライヴをじっくり見るのは今度がほとんど初めて。前回父親について来日した時、ジョーが倒れてしまって、3日でアメリカに帰国した、という。

ジョー・サンプル64歳、ウィルトン・フェルダー63歳。レイ・パーカー49歳は、彼らからしてみれば子どものような存在か。レイが彼らと一緒に演奏してはしゃぐのも無理はない。

ライヴ会場ではちょうど隣の席に40代半ばと見られるスーツを着た男性4人組が座った。きっと、学生時代にクルセイダーズなどをよく聴いていたのだろう。学生時代の仲間と20年後にその頃好きだったバンドのライヴにみんなで来られるなんていうのは、なかなかいい。ひょっとしたら何年かぶりの仲良しグループの再会だったのかもしれない。あちこちで復活とか再会劇があるのだろう。歴史の長いクルセイダーズはそんな古い友人たちの再会や思い出のフラッシュバックをも演出している。

レイは依然さっきの女性と話しこんでいる。耳元でささやいているのかな。「A woman needs love just like you do...」って。ふふ。

【2003年10月8日水曜・セカンド・ステージ 東京ブルーノート】

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タイトル:再会の演出
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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