NO.330
2003/07/23 (Wed)
Journey from New Orleans to Brazil in Seconds
熱厚暑。

なるほど、これがザディコですか。かなりアップテンポの感じで、なによりもアクセントはアコーディオン。そして、肩からエプロンのようにかけているパーカッション。これはラブボード、もしくはウォッシュボードという名前のようですが、確かに洗濯板みたい。このふたつがザディコの要っていう感じでした。

虎ノ門のJT本社ビルのホールで行われたニューオーリンズのクリス・アルドワンのライヴ。バンド・サウンドは、ドラム、ギター、ベースにアコーディオンと先のパーカッションの5人だけだが、実に厚い。ヴォーカルは、クリスとパーカッションがとるが、二人ともそのヴォーカルが実に熱い。もう鉄が炉の中で燃えたぎるようだ。そして、その熱くなった鉄で、会場の気温はどんどん暑くなる・・・かと思うと、実は、意外とそうではなかった。(笑)

会場がこ綺麗でおしゃれで、約100人のお客さんが小さなテーブルを前に、しっとり座ってるわけです。なんか、こういうザディコっていうような音楽は、もっと天井低くて、それこそタバコの煙ムンムンで、雑多でごった煮的な会場で、汗だくで聞くっていうのが、いいんじゃないでしょうか。(笑) 会場と音楽がアンバランスすぎる。(笑) 会場、ひょっとして禁煙? そういえば、みんな外のロビーでタバコ吸ってたなあ。JTなのに。(苦笑) 

ウィルソン・ピケットの「ドント・レット・ザ・グリーン・グラス・フール・ユー」やボブ・ディランの「ノッキン・オン・ヘヴズ・ドア」なんかが、ザディコのリズムになっておもしろかった。最後には、あの「テキーラ」までが、ザディコ風味に味付けされ、なんでもレゲエのリズムで味付けられるのと同じように、いかなる曲もザディコになるんだな、と思った。

音楽自体、ザディコ自体は熱く、厚く、暑くて、エンジョイしました。

涼冷爽。

そして、最後の曲を聞く前に、ブルーノートに移動。今度は、打って変わっての涼、冷、爽という文字が浮かび上がるようなジョイスのライヴ。クリスが熱厚暑だとすれば、ジョイスは、涼冷爽。気温が一気に下がった。しかも、湿度まで低くなった感じです。

今回はスペシャルゲストに、伝説のボサノヴァのギタリスト、カルロス・リラを迎えている。このカルロスが一曲ごとに、日本語で一言コメントをするのだが、これが、おもしろい。曰く・・・「次の曲は田舎のボサノヴァです」「次の曲はとても甘くてロマンティックなボサノヴァです」「次はジャズスタイルのボサノヴァです。わかりましたか? わかりませんかあ?」「次の曲は黒人スタイルのボサノヴァです」。黒人スタイルのボサノヴァ、よくわからなかった。(笑)

ボサノヴァも、ミュージシャンの人間性をよく投影する音楽だと思う。彼の歌と演奏を聞いてなんとなくそう思った。

土着的なニューオーリンズと都会的なブラジル・ボサノヴァ。蒸し暑くむさくるしいところから、一挙にさわやか爽快なところへ。

ちょっと肌寒い冷夏の東京の夜に瞬間移動。それは、ニューオーリンズからブラジルへの旅路。

(2003年7月22日火曜・虎ノ門JT本社ビル、アフィニス・ホール=クリス・アルドワン&ダブル・クラッチンのライヴ)
(2003年7月22日火曜・東京ブルーノート=ジョイス・スペシャル・ゲスト・カルロス・リラのライヴ)
(ジョイスは、7月26日まで)

クリス・アルドワン記事ページ。
http://www.chocolatecream.co.jp/datail/ChrisArdoin.html

ジョイス紹介記事ページ。ブルーノート東京。
http://www.bluenote.co.jp/art/20030721.html

ENT>MUSIC>LIVE>ARDOIN, CHRIS & DOUBLE CLUTCHI'
ENT>MUSIC>LIVE>JOYCE With LYRA, CARLOS

Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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