NO.150
2003/02/10 (Mon)
Talking Book Saga Continues
速攻。

「スーパースティション」誕生には、こんな話があります。もともと、ジェフ・ベックが、 『トーキング・ブック』 に収録されていた「メイビー・ユア・ベイビー」が欲しいと言ったわけです。しかし、スティーヴィーはこの曲をあげることを断る代わりに、新しい曲を書いてプレゼントする、ということになりました。

そして、彼が録音を始めたのが、「スーパースティション」でした。まず、彼はスタジオに一人で入り、ドラムスを録音しました。あのグルーヴ感のあるドラムスはスティーヴィー本人です。それから「ファンキーなベースサウンドが欲しい」というので、シンセ・プログラマー・コンビ、マルコムとロバートの二人がベース部分をプログラムします。「クラヴィネットの音が欲しいな」と言って、再びスタジオに入り、クラヴィネットを録音します。歯切れのいいキーボードがクラヴィネットです。そして、その時点では何もメロディーらしいメロディーはありません。

そして、やっとスティーヴィーは歌を録音するのです。その時初めて、歌の全貌が姿を現します。最後にトランペットとサックスを加え、やっと完成です。

ジェフ・ベックはこの曲を72年7月に録音します。ところが、ジェフはすぐにこれをリリースしませんでした。

そうこうしているうちに、スティーヴィーの 『トーキング・ブック』 が完成し、アルバムは72年11月にリリースされます。そして、そのアルバムからの最初のシングルとして、モータウンはこの「スーパースティション」を速攻でリリースするのです。11月初旬のことでした。

スティーヴィーの「スーパースティション」は73年1月27日付けビルボードで堂々ナンバーワンになります。ジェフ・ベックが「スーパースティション」を含むアルバムをリリースするのは、73年4月のことでした。スティーヴィーのものが大ヒットしたこの時期では、もはや、シングルカットはできませんでした。



Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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